子どもの ”失敗” どのくらい見てられる?|親の『見守り力』が子どもに与える6つのこと

「宿題は大丈夫かな」と持ち物を確認し、「転んだら危ないから」と手を引き、「できないかも」と先回りする……。子育てのなかで、子どもに手を出しすぎてしまう親は少なくありません。
でも、子どもに手を出すタイミングはいつがいい? 子どもの見守り方は? 手伝いはどこまでするべき? 特に、受験や習い事など、早期教育の選択に向き合う現代の親たちにとって、この悩みは切実です。
しかし、教育の専門家たちは異口同音に警鐘を鳴らします。子どもの成長に本当に必要なのは、むしろ「失敗する機会」だと。では、子どもが自分でやりたがるとき、どう見守ればいいのか。過保護になりすぎず、かといって放任にならない関わり方を、具体的な場面に即して考えていきます。
1. 手を出しすぎないことで育つ、子どもの成功の土台「自責の力」
少子化が進んだいま、子どもに手を出しすぎてしまう親が増えていると、教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は指摘します。
それは、必要以上の手助けによって、子どもが自分で考え、責任をとる力を奪ってしまうことへの警鐘です。
大人の世界で成功する人に共通するのは、失敗や困難に直面したとき「自分に何ができたか」を考える「自責」の姿勢です。この大切な力は、じつは幼い頃からの積み重ねで育まれていきます。
たとえば、子どもの持ち物の準備。どこまで手伝うべきか、多くの親が悩むポイントです。すべて親が用意していると、忘れ物をしたとき「ママが準備してくれなかったから……」と他人のせいにする「他責」の習慣が身についてしまいます。反対に、自分で準備する機会があると、失敗したときに「次は忘れないように、自分でちゃんとチェックしよう」と、自分の責任として考えられるようになります。
子どもに手を出すタイミングと子どもの見守り方を工夫することは、単なる「自立」だけでなく、将来の成功にも関わる重要な土台づくりなのです。
過保護になりすぎず、かといって放任せず。そのバランスは簡単ではありません。でも、少しずつ手を放していくことで、子どもは失敗を自分の経験として受け止め、次に活かせるようになります。
【ポイント】
- 失敗は学びのチャンス。つい手を出したくなる気持ちをグッと抑え、まずは見守る。
- 失敗したら叱るのではなく、「次からどうすればいいかな?」と一緒に考える。
- 持ち物の準備など、身近なことから少しずつ任せる。