”しつけ” のつもりのその行為、じつは危険な『マルトリ』かも。あなたの想いを無駄にしないための「20のチェック項目」
と体罰をする
□ 「残すな」と言って、泣いても無理やり食べさせる
□ 熱があっても「大丈夫でしょ」と通園・通学させる
□ お風呂や着替えなど、清潔な環境を保てない
【生活に関すること】
□ 朝から晩まで仕事で、「おはよう」「おやすみ」も言えない
□ 「ちょっとだけ」と言って、子どもを家に置いて出かける
□ 「面倒だから」とインスタント食品ばかり食べさせる
□ 子どものスケジュールや生活リズムを無視し、深夜まで起きさせる
□ 子どもの私物や大切にしているものを勝手に捨てる
【性に関すること】
□ 嫌がっているのに、一緒にお風呂に入ることを強要する
□ 子どもの体を必要以上に触ったり、からかったりする
□ アダルトな内容の動画や雑誌を子どもの目につくところに置く
□ プライバシーを尊重せず、子どもの部屋や手紙、日記を勝手に見る
□ 「女の子だから家事手伝いしなさい」など、性別で制限する
これらの行動は、些細な出来事に思える方もいるかもしれません。しかし、知らず知らずのうちに子どもの心に刻まれていく小さな傷が、取り返しのつかない影響を及ぼすこともあるかもしれません。
マルトリによる子どもの脳への影響
前章のチェックリストに示したような親の不適切な発言や行動は、子どもの脳を傷つける危険性があることが、最新の研究でわかっています。福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門の友田明美氏はこう指摘します。
「マルトリ」が、発達段階にある子どもの脳に大きなストレスを与え、実際に変形させている。(中略)子どもの脳は、日々、子どもに何気なくかけている言葉、取っている行動が過度なストレスとなり、知らず知らずのうちに、子どもの心(脳)を傷つけてしまうことがある。
(引用元:J-STAGE|マルトリートメント(マルトリ)が脳に与える影響と回復へのアプローチ)
友田氏の研究によると、日常的な「不適切な養育」を受けた人の脳には、明確な変形が確認されているといいます。たとえば、叩くなどの体罰を受け続けると、考えることや感情をコントロールする前頭前野が萎縮してしまう可能性があります。
また言葉の暴力は、音声を処理する聴覚野の形を変えてしまうことも。さらに、怒鳴られるなどの恐怖や不安といった強いストレスは、感情の記憶を担う扁桃体を変形させることが報告されています。
さらに友田氏は「子どもの学習意欲の低下を招いたり、引きこもりになったり、大人になってからも精神疾患を引き起こしたりする可能性がある。」