専門家に聞いた「性器いじりへの対応」と「性器のケアを習慣にする年齢」
という悩みをもつ人もたくさんいます。
包茎の状態では包皮の内側に汚れがたまりやすく、感染症を招くリスクが高まります。ですから、たとえ幼い子どもでも、包皮をむいてきれいに洗う習慣を身につけることが大切です。
ただし、乳幼児の包皮は亀頭と癒着していることも多いため、最初はむけなくても問題ありません。2歳〜3歳くらいから、お風呂で少しずつ包皮をむき、お湯で優しく洗うように教えてあげてください。続けているうちに、だんだんと自然にむけるようになっていきます。
注意してほしいのは、ペニスを洗う前に手をきれいにしておくこと。汚れた手でペニスを触ることで、逆に感染症を引き起こす恐れがあるからです。
また、包皮の穴がとても狭くて、排尿時に包皮の内側に尿がたまって風船のようにペニスの先が膨らんでしまう症状(「バルーニング現象」と言います)や、炎症でペニスの先が赤くなる症状が見られた場合は、泌尿器科を受診してください。
また、女の子にも、性器を清潔に保つことを教える必要があります。恥垢がたまったままだと雑菌が繁殖し、においやかゆみなどトラブルの原因になります。ただし、膣のなかまで洗ってしまうと本来常駐している乳酸菌が減少して逆に雑菌が増えてしまいますから、膣のなかは洗わないことも併せて教えてください。
子どもの性器いじりは、「いけないこと」ではない
最後にとり上げるのは、「子どもが性器をいじっているが、どう対処すればいいかわからない」という悩みです。
子どもの性器いじりに対して親が戸惑ってしまうのは、無意識のうちにも性的な意味合いを感じるからです。でも、子どもはそうではありません。性的な意味合いなどなく、単に「温かくて気持ちいい」「触っているとほっとする」といった理由で性器を触っているだけのことです。
ですから、「自然な行為」だと受け止めてください。親が勝手に「いけないこと」と決めつけ、「やめなさい」「汚いでしょ」などといって叱ると、子どもは性器を触る行為に対してネガティブな感情や罪悪感をもちかねません。すると、成長して思春期になっても自慰をしない、射精できないといった問題が生じることもあるのです。
ただし、TPOだけはきちんと教えておきましょう。「口・胸・性器・お尻」を意味する「プライベートゾーン」については、「自分ではない人が、勝手に見たり触ったりしないところ(自分で自分のものを触るのはOK)」