高血圧って?
高血圧という言葉はよく聞きますよね。それもそのはず、日本人のおよそ3人に1人は高血圧なのではないかと推計されています[*1]。ただ、よく耳にする割には「どのくらいの血圧が高血圧なのか」「どうして血圧が高いと体に良くないのか」、あいまいな人も多いのではないでしょうか。
まずは高血圧とは何かについて簡単に解説します。
血圧って?
血圧とは、「血液が動脈を流れていく時に、血管の内側にかかる圧力」のことです。
心臓が収縮して血液を送り出した時の血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」、心臓が拡張した時の血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」といいます。呼び名の通り、最高血圧は高めの数値で、最低血圧は低めの数値となります。
どのくらいの血圧が高血圧?
高血圧の基準は、診察室で測った「診察室血圧」、特殊な血圧測定器で30分または1時間ごとに測定した血圧の平均値にあたる「24時間自由行動下血圧」、家庭で測った「家庭血圧」のそれぞれで違う数値となります。
診察室血圧値の場合は140/90mmHg以上、家庭血圧値の場合は135/85mmHg以上、24 時間自由行動下血圧値の場合は130/80mmHg 以上が、高血圧となります[*1]。
高血圧の症状ってあるの?
高血圧は初期段階であったり、合併症が起こっていない場合は普通、無症状です。
ただし、高血圧が続くと動脈に負担がかかり続けるため、脳や肝臓、目の網膜に悪い影響を与えます。特に脳梗塞や腎不全、眼底出血、心不全などの合併症が起こりやすくなります。
また血圧がかなり高いと、頭痛やめまい、肩こりなどが起こりやすくなります。その他にも運動障害やしびれなど、様々な症状が起こることもあります。
この後詳しく解説しますが、なんらかの原因で妊娠中に高血圧となる「妊娠高血圧症候群」が産後も治らずに続いている場合は、脳出血が起こりやすくなっています。この脳出血が原因で頭痛が起こることもありますが、産後の脳出血は、発症と同時に意識を失うことが多いようです。また、頭痛に、片麻痺や言語障害、立てない・歩けない、視覚障害などを伴うこともあります。
このように、高血圧は始めは無症状でも、気づかないうちに全身に影響が及び、命に関わることがある怖い病気なのです。
妊娠高血圧症候群は産後に治る?
さて、高血圧といえば、妊娠中に「妊娠高血圧症候群」という病名を耳にしたことがあるかもしれません。
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