【産婦人科医監修】切迫早産とは?切迫早産の原因と症状、対処法、予防法とは
切迫早産とは
早産一歩手前の状態
日本では、妊娠22週~妊娠36週までの出産を早産と呼び、その早産一歩手前の状態を「切迫早産」といいます。妊娠22週~妊娠36週に子宮の収縮が頻繁に起こることで子宮口が開き、赤ちゃんが出てきそうになったり、破水を起こす危険性があったりすると、切迫早産の状態です。
切迫流産との違い
切迫流産との違いは「時期」です。妊娠22週未満の出産は「流産」と言い、流産一歩手前の状態を「切迫流産」といいます。妊娠23週をこえると「早産」「切迫早産」といわれます。
切迫早産の原因
感染症
切迫早産になる原因にはどのようなものがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。まずは「感染症」です。「感染症」の中でも切迫早産になる原因として一番多いのは、「絨毛膜羊膜炎」です。「絨毛膜羊膜炎」は、子宮頸管や赤ちゃん、また羊水を包んでいる卵膜にまで炎症が達してしまうので、破水や子宮収縮などが起こる危険性があります。
「絨毛膜羊膜炎」に感染しているかどうかは自分では気づけないので、妊婦健診をきちんと受けるように心がけましょう。
子宮の異常
切迫早産の原因として、「子宮頸管無力症」などの子宮異常があります。子宮頸管無力症は、子宮収縮しなくても子宮が開いてしまうことにより破水しやすくなる病気です。また、子宮の奇形も流産や早産を引き起こす原因となります。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群(以前の妊娠中毒症)になってしまった場合、切迫早産になることがあります。妊娠高血圧症候群が悪化すると、ママと赤ちゃんをつなぐ胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」を起こしてしまいます。その結果、早産につながったり、最悪のケースでは母子の命を危険にさらしたりすることもあります。
心臓病、腎臓病などの合併症
心臓病、腎臓病、そして糖尿病などの合併症がある場合は、切迫早産になりやすくなります。それらの持病がある場合は、きちんと担当の産婦人科医と内科の主治医に伝えておくことが重要です。
多胎妊娠
お腹の中の赤ちゃんがふたり(もしくは三人)いることで子宮が大きくなり、子宮収縮も起こりやすくなります。多胎妊娠の場合は、早産を防ぐため、出産前から管理入院となるケースもよくあります。
羊水過多・過少
羊水が多すぎても少なすぎても、早産を引き起こします。
しかし、多少の多めであったり少なめであったりする場合は、ほとんど影響がないので、心配しすぎないようにしましょう。