子育て情報『【医師監修】妊婦のつら~い便秘を解消したい!原因や対策は?薬は飲んでもいいの?』

【医師監修】妊婦のつら~い便秘を解消したい!原因や対策は?薬は飲んでもいいの?

2018年3月29日 11:00
 

関連リンク

・【里帰り出産】行き帰りの交通費・健診費・分娩費用の準備どうしたらいい?
・どんな状態のウンチが健康なの?
・《パパに聞いた、好きなベビーブランド!》どんな目線でアイテムを選んでるの? パパたちに聞いてみました♪


妊娠すると体の変化に伴って、さまざまなマイナートラブルが発生しますが、つら~い便秘もその一つ。便秘を放っておくと、おなかが張って苦しいだけでなく、トイレで強くいきむことによって痔になってしまったり、おなかが張る危険性などもあります。今回は、妊娠中の便秘について、原因や対策、解消法や注意点などをご紹介していきます。

妊婦が便秘になりやすいのはなぜ?

もともと男性よりも女性に多いといわれる便秘ですが、今まではまったく便秘と無縁だった人でも、妊娠して便秘に悩まされるようになる人は少なくありません。

便秘には、直腸に便がたまっても脳から排便のサインが出ない「直腸性便秘」、ストレスが原因で起こる神経性の「けいれん性便秘」、腸の働きが悪くなるために起こる「弛緩性便秘」の3つのタイプがありますが、妊娠中の便秘は「弛緩性便秘」に該当します。

妊娠中は、プロゲステロンという黄体ホルモンが多く分泌されるようになりますが、このホルモンには腸の働きを鈍くしてしまう作用があるため、どうしても妊婦さんは便秘になりやすくなってしまうのです。

特に、妊娠前から便秘がちだった人は注意が必要です。もともと便秘がちだったところに、妊娠によるホルモンの変化が加わることにより、さまざまな原因が組み合わさって、便秘がよりひどくなってしまうことがあります。

妊婦が便秘になりやすい原因はこの5つ

1.ホルモンバランスの変化
先ほどお話ししたとおり、妊娠中は妊娠を継続させるためにプロゲステロンという黄体ホルモンが多く分泌されるようになります。このホルモンには腸の働きを抑制する作用があるため、消化管の運動が弱くなったり、食べた食物を肛門に送り出す平滑筋の収縮機能が弱くなってしまうため、排便が困難になります。

2.大きくなった子宮が腸を圧迫
おなかの赤ちゃんの成長に伴って、子宮もどんどん大きくなります。すると、大きくなった子宮が直腸を圧迫するため、便を排出するための腸の運動がスムーズに行われなくなり、便秘になってしまいます。

3.つわりによる食事の変化

スムーズな排便を促すためには、バランスのよい食事や適度な水分摂取が欠かせません。それが、つわりによって食べる量や水分摂取量が減ってしまったり、食事内容に偏りが出てしまうと、食事に含まれる食物繊維の量や水分が不足して便秘を引き起こしてしまいます。

4.運動不足
運動不足は便秘の大きな原因となります。妊娠中は、つわりで体調が悪かったり、おなかが大きくなって体を動かすのがおっくうになるなど、妊娠前と比べて運動不足になりがち。体を動かさないと、腸への刺激も少なくなってしまうため便秘になりやすくなるのです。

5.生活リズムの乱れ
便秘を解消するには、規則正しいリズムで生活を送ることが大切ですが、妊娠中はつわりなどで体調がすぐれないこともあり、起きる時間や食事をとる時間など、いつもとは生活リズムが変わってしまうことも。生活リズムが変化することによって、排便のリズムもくるってしまうため、便秘を引き起こしやすくなります。

妊娠中の便秘の解消は「食事・運動・生活」がポイントに

では、どうすれば妊娠中の便秘を上手に解消することができるのでしょうか?自分ですぐに始められる解消方法を、食事、運動、生活の3つの面から見ていくことにしましょう。

①食事で便秘を解消する

便秘を解消する方法として、もっとも大切になるのが食事です。便秘になりやすい妊娠中は、常に便秘解消のための食事を心がけるといいでしょう。

・きちんと朝食をとる
寝ている間に休んでいた胃腸をしっかり動かすためにも、朝はきちんと朝食をとりましょう。食べることによって胃腸が刺激され、便意がもよおされます。つわりで体調がすぐれないときや、忙しくて時間がないときは、飲み物だけでもいいので必ず朝は食べ物や飲み物を口に入れるよう習慣づけましょう。

・水分をとる
便秘が続くと、便がどんどん固くなって便秘が悪化し、さらに痔になってしまうこともあります。便をやわらかくし、出しやすくするためにも、水分をしっかりとるようにしましょう。食事などの水分は含めずに、1日1リットルを目安に水分をとるようにするといいでしょう。

なお、朝起きぬけにコップ一杯の水を飲むと、腸が刺激されて排便が促されます。寝ている間に失った水分を補給する意味でも、これを毎日の習慣にしてみてください。

・食物繊維をとる
便秘には、排便を促してくれる食物繊維の摂取が効果的です。食物繊維を多く含む食材を毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。豆類や穀類に多く含まれる不溶性食物繊維は、腸内で水分を含んで膨らむことにより、腸壁を刺激して腸の動きを活発にしてくれます。

また、海藻類や野菜、果物などに多く含まれる水溶性食物繊維は、便をやわらかくして排便しやすくするだけでなく、腸内環境を整えてくれる効果もあります。

・乳酸菌をとる
乳酸菌には、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘を解消する働きがあります。ヨーグルトやチーズなどの乳製品のほか、納豆や味噌、漬物などの発酵食品に多く含まれているので、食べやすいものを選んで摂取するようにしましょう。ただ、乳製品はカロリーがけっこう高いので、食べすぎには十分注意してください。

・適度な油分をとる
妊娠中はどんどん体重が増えるため、カロリーを気にして油分をとらないようにする人がいますが、これはNG。油分には腸内での便の動きをスムーズにする役割があるため、便秘解消のためには適度な油分をとる必要があります。とりすぎはよくありませんが、適度な油分を食事できちんととるようにしましょう。

②運動で便秘を解消する


運動をすることによって、腸が刺激され、スムーズな排便へとつながります。腸をきちんと動かすためにも、毎日適度に体を動かすことが大切です。

ただし、便秘がつらいからといって、無理な運動や激しい運動をするのは絶対にやめてください。あまりに体への負担が大きいと、子宮が収縮しておなかが張ったり、出血してしまう場合もあります。自分の体調や普段の運動量を考えて、自分にあった運動を心がけるようにしましょう。

なお、おなかが張るなど体調がすぐれない場合や、医師から運動を止められている場合は、運動ではなくほかの方法で便秘を解消するようにしてください。

③規則正しい生活で便秘を解消する

排便のいちばんの理想は、毎日同じ時間に排便すること。そのためにも、毎日規則正しい生活をして、同じリズムで生活をすることが大切です。

特に、起床、就寝、食事については、毎日時間を決めて生活するのがおすすめ。こうすることによって、自然と毎日同じ時間に便意をもよおすようになって、排便のリズムが整います。起床、就寝、食事の時間が変わってしまうと、体内リズムがくるって排便のリズムが乱れ、スムーズな排便ができなくなってしまいます。

便秘がつらいときは、妊婦でも便秘の薬を使っていいの?

食事や運動、規則正しい生活を心がけてもなかなか便秘が改善されない場合は、がまんせずに薬を使って便秘を解消するのがおすすめです。

妊娠中はおなかの赤ちゃんのことを考えて、なるべく薬に頼りたくないと考える人も多いと思いますが、便秘は慢性化すると治りにくくなるだけでなく、排便時に強くいきむことによって肛門が切れ、痔になってしまうこともあります。

便秘がひどい場合は、がまんせず早めに通院している産婦人科の先生に相談して、薬を処方してもらいましょう。産婦人科なら、妊娠中でも使える薬を出してくれるので安心です。

なお、市販の便秘薬や漢方薬などを購入する場合については、薬剤師に妊娠していることを伝えたうえで相談するのがベター。基本的に市販薬が原因で赤ちゃんに影響が出ることはありませんが、やはり妊婦さんの今の体の状態を知っているかかりつけの産婦人科で薬を処方してもらうのがいちばんいいでしょう。

便秘で悩む妊婦さんがやってはいけないこと&注意点は?


便秘でなかなか便が出ない場合、トイレに長時間こもっていきむ妊婦さんがいますが、これはおすすめできません。いきむときに力を入れすぎると、肛門が切れて痔になってしまうという心配があるほか、何度も何度もおなかに力を入れていきむことによって、おなかが張ってきてしまうこともあります。

このように、毎回何十分もトイレに入っていきまないと便が出ないというのは、かなり便秘がひどくなっている証拠。早めに産婦人科の先生に相談して薬を処方してもらうのがいいでしょう。がまんしていると腸内の便がどんどん固くなり、排便がさらに難しくなります。万一、痔になってしまった場合は、今度は排便時の痛みからうまくいきむことができなくなってしまい、便秘がさらに悪化してしまいます。

また、これ以外にも、妊娠中はストレスをためないように注意することも大切です。ストレスによって自律神経が乱れると、神経伝達がスムーズにいかずに排便がとどこおってしまいがち。なるべくリラックスした状態で毎日を過ごすように心がけましょう。妊娠中はだれもが便秘になりやすいということを念頭に置きながら、妊婦さんは日々の生活の中で、食事、運動、生活リズムに気をつけて、便秘を解消するようにしていきましょう。

食事や運動によって便秘がすぐに改善される人もいますが、中にはなかなか改善されない人も。そのような場合は、がまんせず早めに産婦人科の医師に相談するのがおすすめです。つら~い妊娠中の便秘を1日も早く解消して、快適な妊婦生活を送っていきましょう。

画像出典:『Pre-mo』

取材・文/土田奈々子

監修

天神尚子先生

三鷹レディースクリニック 院長

日本医科大学付属病院、同大学産婦人科を経て、2004年に現クリニックを開院。年齢によって異なる女性のライフステージを考慮した治療を行っています。2人の子育てをした経験からくるアドバイスは頼りになると評判です。

新着子育てまとめ
もっと見る
子どもの教育アンケート
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2018 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.