『ダブルバインド』にご注意!矛盾をなくした子どもへの叱り方と言葉の選び方
知人の育児の話を聞くと、親が子どもに対して『ダブルバインド 』を使って叱っていることがわかりました。
ダブルバインドとは、アメリカの人類学者グレゴリー・ベイトソンが提唱した心理学用語で、二重拘束と翻訳された造語です。
ダブルバインドを使った叱り方は、子どもの心を傷つけてしまいます。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
体験談を参考にしながら、言葉の選び方について考えていきましょう。
おもちゃの出しっ放しをダブルバインドで叱ったら
お話を伺ったNさん(30代で子ども3人のパートママ)家族のお話。
ある日、テレビをつけっ放しにしながらおもちゃを散乱させている3人の子どもたちを見て、N さんは注意しました。
「もうお父さんが帰って来る時間だから片付けてちょうだい」
最初はやさしく頼むように伝えました。
子どもたちの様子を見てみると、返事はしたものの片付ける気配はありません。
「ちょっと、片付けをしてって言ってるでしょ。」
次は、強めな口調で頼みます。
しかし子どもたちは片付けません。
「いいかげんにしなさい!片付けてって言ってるのがわからないの?全部捨ててしまうわよ!」
最後は声を荒げてしまいましたが、子どもたちもこの言葉を聞いて片付けを始めました。
ダブルバインドで子どもは心に矛盾を感じている
『ダブルバインド』とは、言葉と言葉、言葉と非言語(しぐさや表情など)といった2つのメッセージ内容が一致しないために起こる精神的ストレスを言います。
先ほどのような「片付けをして」と「全部捨てる」という矛盾する2つのメッセージを受け取ると、受けた相手側の精神にストレスを感じてしまうのです。
とくに子どもは、違和感を覚えても不満を抱えながらでも親の指示に従いがちですよね。
反論したくても、ダブルバインドによって思考を停止してしまうのです。
矛盾や違和感を覚えさせないための言葉の選び方
子どもは、矛盾した内容の言葉をたくさん聞いて、違和感をたくさん覚えてしまうと、心に歪みのようなものを持ってしまうことがあります。
このような思いをさせないためには、ダブルバインドを使わないことが一番 です。
そのためには、叱る時の言葉の選び方に気をつけることが必要です。
例1:夕方になってもなかなか帰ろうとしない
○:暗くなったから帰ろう。一緒にお家に入って美味しいご飯食べよう。