2016年3月7日 20:00
忙しいママでも強制!? 「PTA役員」を引き受ける義務はあるのか
憲法は、本来国家対個人の関係についてのルールなのですが、民間においてもその考え方は十分尊重されるべきです。
よって、「保護者は絶対参加」というような団体に加入しない自由を侵害する記載は、公序良俗に反するものとして無効となる でしょう(民法90条)。
●PTA役員に選ばれたら断れないの?
PTAの役員に就任するのは、法的にいうと“委任契約” にあたると考えられます。
契約をするかしないかは個人が自由に決められるので(契約自由の原則)、選ばれた人が承諾しない限り委任契約は成立しません。すなわち、役員に選ばれたとしても断ることができます 。
では、PTAの規約に「選ばれた人は役員にならなければならない」と書かれている場合はどうでしょうか?
PTAに加入した時点で規約に従うことを承諾しているんだから、その後役員に選ばれたら役員に就任する義務が発生するのではないかとも思えます。
しかし、実際は子どもが入学した途端に説明もないまま、PTAが任意の加入団体であることも知らされずPTAに加入したというケースが多い でしょう。
こういった場合、PTAに入るのか入らないのかという点に保護者の意思は介在していないので、PTAに加入した時点で規約に従うことを承諾したというのは難しいでしょう。
また、仕事の状況や収入、生まれたばかりの子どもや介護が必要な家族がいないかなどを一切考慮せず、「選ばれた人は役員にならなければならない」という規定になっているのであれば、そのような規定は公序良俗に反し無効となると思います。
●まとめ
以上のように、法的な話をするとPTAの役員に選ばれても断ることは可能ですが、今後の付き合いを考えると断りにくいという気持ちもありますよね。
できれば役員投票の前に、前任者や周囲の人に事情を話して、今年は役員になれないということについて理解を得ておきたいところです。
役員を受けるのであれば、周りの保護者が自分に期待して投票してくれたんだとポジティブに捉えてやっていきましょう!
負担もあるでしょうが、周りの保護者と仲良くなれたり、情報交換ができたりというメリットもあるはずです 。
仕事や大学とのバランスを考えて断るのであれば、きちっと断って代わりにやってくれる人を探しましょう。
また、どうしても嫌だけれども断れないし受けるというのであれば、初めにできることできないことを明らかにして、他の役員と協力してやっていけるとよいですね。