子育て情報『精神科医もお手上げ!? 労働者の非正規化が“うつ”を引き起こすワケ』

2016年7月12日 20:00

精神科医もお手上げ!? 労働者の非正規化が“うつ”を引き起こすワケ

精神科医もお手上げ!? 労働者の非正規化が“うつ”を引き起こすワケ

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

東京都の豊島区で『クリニック西川』を開院する精神科医の西川嘉伸先生は、その公式ホームページの中で、抑うつ状態を訴えてメンタルクリニックに来院する多くの患者さんについて、 「最近は精神科の医師による治療だけではどうにも症状が改善しない症例が多すぎる。その原因は、大半の患者さんにとっては環境要因としての“社会”そのものを変えなければどうしようもない というところにある」という主旨のことを述べておられます。

つまり、「努力しているのに報われず貧困から這い出せない患者さんが多すぎて、精神医学的な治療だけでは限界がある」と仰るのです。

●うつ状態の患者の多くにとって精神療法と抗うつ薬による治療だけでは解決にならない

西川先生はクリニックの公式ホームページの中で、次のように述べています。

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『抑うつ状態を呈する患者さんにとってはその人を取り巻く環境の中で悪い影響を与えている因子を取り除いてその人の本来の力が十分に発揮できるような環境に作り変えてあげなければ社会復帰は困難ですし復帰したとしても容易に再発してしまいます。(中略)

その環境改善が容易ではなく社会そのものを変えなければならないと感じる例が増えています。
極端に言えば、山ほど抗うつ薬を処方したって到底治らない。まっとうな職を見つけてあげればたちどころに改善すると思われる方が少なくありません。(中略)

日常の生活に窮して絶望の淵に立っている人が増えているのです』

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●労働の非正規化が“努力が報われない社会”を生み出す一要因であることはたしか

筆者の身近にいる人たちの中にも、いわゆる“うつ”の状態が長引きメンタルクリニックの治療を受けているのにもかかわらず、なかなか症状が改善しない人が何人もいます。主に20代から40代にかけて。

男性も女性もいますが、そのほとんどが非正規雇用で独身の人たち です。彼(彼女)らがとてもやさしく、真面目で、正社員に優るとも劣らない責任感をもって仕事に携わっていることを、筆者はよく知っています。

その人たちが一度抑うつ状態に陥ってしまうと、その状態から脱出できない。非正社員だというだけで正社員から見下されることが原因で発症したうつ状態なら、西川医師が言うように環境を変えてやる必要があるのに、そんなことを口に出しでもしたら「非正社員の雇用契約書に“配置転換”などという優遇措置は無いよ。

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