2020年7月10日 18:30
お前いらなくない? と中傷される中学生のクラブ内いじめ問題
それゆえに、そうではない中学生たちから少しばかり疎まれている。つまり、彼らにとってジェラシーの対象になっていることがよくわかります。息子さんが落ち込むのを見て、彼ら「非J育成組織組」は溜飲を下げるわけです。とてもばかばかしいし、スポーツマンシップに欠ける行為です。
いいですか?悪いのは、完全にそのチームメイトたちです。
それなのに、親御さんの中には間違った行動をとる方もいらっしゃいます。
「厳しい世界なんだから耐えなきゃだめだ」
「おまえのほうが強くならなきゃ」
「言われるほうも問題がある」
「逃げたら負けだ」
いかがでしょうか?こういったアドバイスは、「いじめられている側の問題」にしてしまっています。
息子さんは何も悪くない。
悪いのは誹謗中傷するチームメイト。ここを絶対にはき違えないこと。
これが私からのひとつめのアドバイスです。これがとても重要です。
それを誤って、「まだ中学生だから、そういうやつもいるよね」とか「試練だと思って乗り越えろ」などと軽い気持ちで言わないこと。思ってもいけません。もし、少しでもそう考えていたのなら、考え方を変えてください。
今の子どもたちは、自分を否定してくる言葉をストレートに受け止めがちです。
「ああ言ってるけど、軽い気持ちで言ってる」「暴言だけど、ただの嫉妬だ」そんなふうに逃がすのが苦手です。
苦手なことを「うまくやれ」と命じるのではなく、「あなたは何も悪くない」ときちんと伝えください。
例えば、お父さんや、ほかの兄弟姉妹。祖父母など、ほかの家族でそのような対応をされる方がいたら、息子さんの目の前でお母さんがそれをバッサリ否定してあげましょう。そうせずに、息子さんに「お父さんはこう言ってるけど......」などと、陰で言うような状況はダメです。夫に遠慮してはいけません。
■子どもをポートする上で大事なのは「言う」より「聴く」
そして、二つめ。
親御さんがサポートするうえで大事なことは、息子さんの話に耳を傾け続けることです。
お母さん自身もお仕事があったり、他にも兄弟姉妹がいてお忙しいかもしれませんが、彼が落ち着くまでは毎日でも話を聴いてあげてください。子どもがいじめられたり、その身の上に何か困ったことが生じたとき、親御さんがそこにかかわって解決しようとする傾向があります。いわゆる「転ばぬ先の杖」ですね。以前も、この連載で「杖を用意してしまうと、自分の足で難題を乗り越える脚力がつきませんよ」