2021年2月2日 10:00
いつ、どこで、どのようにボールを奪いに行けばいい? 元ドイツ代表DFに聞いた 1対1スキルの伸ばし方
■1対1でボールを奪う感覚を身につけるためにどうしたらいいか
1対1の競り合いでは激しい体のぶつけ合いも必要にはなりますが、そこでは確かな守備技術が求められます。体の使い方、足の動かし方、間を詰めるタイミング。そのあたりの感覚を経験を重ねるごとに身に着けていかなければならないでしょう。ではどのように取り組むといいのでしょうか。
シンキビッツ氏は「子どもたちがボールを奪う感覚を身につけるためにはどうしたらいいのか。僕はいろんな学年の子どもたちが一緒になって遊ぶのが一番いいんじゃないかと思うんだ。ドイツには"ベルトマイスターシャフト"(ワールドカップ)という遊びがあるんだ。
ルールは簡単でゴール一つで、あとは子どもたちはみんな2人一組ずつになる。
GKがボールをけり上げてそこからはみんなでバトルロワイヤル。ボールを奪い合ってゴールを決めたペアから勝ち残っていくというゲームなんだ」
と、とある遊びの存在を教えてくれました。
■「あれ?そういえば......」と、遊びの中での気づきが大事
そしてそのゲームでどんなことが起こるかというと......。
「最初はね、うまい子とか年上の子とやっているとなかなか勝てない。でもそのうちに『どうやったら止められるのかな』『いつ仕掛けたらいいのかな』『どこで取りに行けばいいのかな』というのを考えるようになる。
『あれ?あいつそういえばいつも右サイドばっかりに抜いてくるな』というのに気づいたら、これまでとは違った守り方を試してみたりするだろうね。あるいはうまい子や年上の子たちの動きを見て、『あの子、うまくボールをとるよな。どうやってるんだろう?』と観察するようになったら素晴らしいよね。
だから1対1をそうやった遊びの中でどんどん繰り返し試すというのがやっぱりいいと思う。
うまい子とか強い子、速い子と一緒に遊べて、様々な状況があって、そのなかで子どもなりに考えて取り組める環境が大事なんだ。
過程を細かく分けてトレーニングやることも大事だけど、やりすぎはよくない。守り方とか体の向きとか、いつもいつも指導者が理想とする『あるべき姿』ばかりを提示すべきではないんだよ。
『外を切って体を半身にして守るんだ!!』とかよく聞くけど、そればかり言われていたら、子どもたちはその通りにしか守れない。でも選手は自分の目で見て、状況を認知して、その局面ではどうやったら守れるのかというのと向き合わないといけないんだ。