2022年6月8日 20:00
サッカー辞めたいと泣いて訴えてきたが、辞める理由が逃げ癖につながるようで不安です問題
もちろん家庭の事情ですが致し方ないことと思います。仕方のないことではあるけれど、ご自分たちがその環境変化を強いていることをもう少し自覚して接してあげてください。
だからといって、息子さんに引っ越したことを謝れと言っているわけではありません。その変化を「大変だったね」「今までよく頑張ったね」とねぎらってください。
■気づきを得て自分の考えを変えることができた保護者のケース
実は少し前に、似たようなケースの相談を受けました。
高校生のお父さんからですが、部活動の顧問から暴言を受け、故障もあって大会にも出してもらえず、息子さんが活動に集中できていないとのことでした。
顧問の暴言はパワーハラスメントだとして監督の交代を学校に訴えますが、息子さんの証言がたった一度の暴言しか明かさないためか取り合ってもらえない。この息子さんも大きな可能性があったアスリートなので、その点をお父さんはもったいないことだと悔やんでいました。
私は、学校や顧問といった「相手」を変えるには、今のところの材料では難しいかもしれないことを伝え、まずは自分たちが変わること、ほかに競技環境を整えることを息子さんと一緒に考えてほしいと話しました。
加えて、息子さんとの対話が乏しいように見えたので、あらためて向き合うことを勧めました。
最終的に、私が「今の状態が、息子さんにとって健康的で、安全で、幸せですか?」と尋ねたら、お父さんは環境を変えたほうがいいと納得したようでした。
■日本人はやり抜くことに美徳を感じるが、それにはマイナス面も......
お母さん、いかがでしょうか。このクラブに居続けることが、息子さんにとってヘルシーで、セフティーで、ハッピーでしょうか?
お母さんは相談のメールにこう書いています。
「逃げになっていたら今後また同じような事になるのではと、不安」
自分がどんな状態になろうが、逃げてはダメでしょうか?
私は、練習やチームの雰囲気が合わないことに息子さんが早く気付いて良かったと思います。
学校でも、会社でも、サッカーチームでも、ミスマッチは起こります。合っていないのに、なぜそこにとどまらないといけないのでしょうか。
日本人は、一度始めたらやり抜くことに美徳を感じる国民性です。しかしながら、それは融通が利かないマイナス面でもあると私は考えます。