氷や保冷剤で「手の平を冷やす」のが効果あり! サッカーにおける最新「熱中症対策」【医師監修】
ぜひ行ってください」と太鼓判を押していただきました。
手足よりさらに効果が高いのは頸動脈のある首元やそけい部を冷やすことなのですが、冷たいものを当てるのは不快という人は多いものです。大塚先生も「プロでもそけい部を嫌がる選手がいる」と言うほどなので、子どもたちはなおさら嫌がるでしょう。
「ハーフタイムに靴下を脱ぐのは面倒ですし、手の平を冷やすだけでも十分です。冷たくて気持ちいいから習慣化できる、という方法が最適だと思います」と、大塚先生。
冷えた血液が全身を回ることで体温を効率的に下げることができるというのがこの方法のメカニズムです。手にも動脈は多数あり、手のひらを冷やすだけで深部温熱が2度下がるというデータもあるほどだそう。
ちなみに、野球のピッチャーは手のひらを冷やすことで肩や肘の障害率が下がるというデータもあるのだとか。
ケガ予防の観点からも習慣化したいものです。
首元を冷やすネッククーラーなども最近は低価格で手に入りますので、ぜひ併用してください。
■「頭から水を被る」は気温次第で推奨
暑い日の練習や試合の合間に氷を張ったバケツに入った水を頭から被る選手も見受けますが、こちらも熱中症対策に有効だと大塚先生は言います。
頭皮を冷やすことで放熱し、体の中にこもった体温を下げる効果があります。
ただしこの方法には注意点が1つあると大塚先生は注意点を教えてくれました。
それは気温が36度5分前後の一般的平熱以下の場合にのみ行ってよいということです。それ以下の場合、発汗しないので放熱できず逆効果になりかねないのだそう。
ただし、サッカーをしていたら体温は上がっているので、大体の場合は有効と考えていいでしょう。
■「これをすればOK」という安心感はコンディションにもプレーにも良い影響を与えてくれる
最後に大塚先生が話してくれたのは「これをすればOKと子どもが思っていることは否定せず、やらせてあげて欲しい」ということでした。熱中症対策に限らずすべてのプレーに通ずる考え方のようです。
「例えば敬虔なクリスチャンが試合前にロッカールームでお祈りをすると、セロトニンの量が3〜4割増えた状態でプレーできるというデータがあります。セロトニンは精神安定や痛みを感じにくくするホルモンなので、つまりお祈りをしないよりもしたほうが精神的に落ち着いてプレーができ、身体の痛みも感じなくなるわけです。