サッカー経験者でコーチでもある父親に「気持ちがない」と責められる息子。同じチームにいさせていいのか問題
と提案してみてほしいです。
そこで彼が同意したのなら、お父さんに「このままではこころが壊れてしまうし、サッカーを嫌いになってしまう。チームを替えさせたい」と伝えましょう。
■両親のパターン別、子どもをつぶすリスク
サッカー少年の親御さんには、今の時代の子育て観を学んでほしいと私は思っています。気をつけないと子どもをつぶすリスクがあるからです。
育成年代を20年以上取材してきたなかで、両親がいる場合のリスク順に簡単に説明すると以下のようなパターンが見られました。
★子どもをつぶすリスク【大】
=両親ともに子どもを追い詰めるタイプ
★リスク【中】
=父親が子どもを暴言や理不尽な言動で追い詰め、それに狼狽する母親が手を打てないうちに、子どものこころが折れてしまう(うつ病、不登校、サッカーをやめてしまう)
★リスク【小】
=父親か母親のどちらかが熱血でも、片方が冷静で包容力、判断力、行動力があれば、時間の長短の違いはあるものの子育てを軌道修正できる
★ノーリスク・ハイリターン
=両親ともに子どもを尊重できるタイプ。
主体性のある子どもが育つ
■スパルタ的な指導を肯定する意見を見て、自分は間違ってないと思っているのでは
しかしながら、日本の育成は欧州などのサッカー大国に比べると遅れています。ネットで報じられるサッカーの育成に関する記事やSNSでも、いまだに子どもに対し威圧的に振る舞う指導者を称えたり、スパルタ的な子育てを肯定するものが目立ちます。
そういった情報を、お父さんが見てしまって「自分はこのやり方でいい」と思い込んでいるかも知れません。
人は「育てられたように育てる」動物ですから、長年そのように指導されてきて、韓国遠征をするような選手だったのであれば「俺は厳しい指導のお陰で成長した」と考えてもおかしくないでしょう。
■子育ても指導も今の時代に合わせてアップデートが必要
その一方で、厳しい指導を奨励し、S級をとってプロの指導者になった元Jリーガーたちが過去に何人もパワーハラスメントで訴えられたり、ライセンスをはく奪されたり、監督を辞めさせられたりしています。これに対し、選手として長く海外でのプレーを経験したり、指導を学ばれている指導者はそういったことがありません。彼らはずっと先を歩いています。
つまり、お父さんには新たな学びが必要なのです。
今回は自分の息子でしたが、今後ほかの子どもに対して不適切な指導をするかもしれません。