2020年1月27日 20:00
実はPISAの数学的リテラシーは世界一! 海外のと比較して見えた日本の数学力を上げる方法【世界を旅しながらその土地の教室に飛び込んでみた】
PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で、日本の読解力が下がったことが話題になっていますが、一方で数学的リテラシーについては、実はOECD所属国の中で世界一のスコアをたたき出しています。ここから感じた“数学教育の在り方”について自分なりの考えを述べたいと思います。
* 十数年前までは日本の数学的リテラシーはフィンランドに負けていた。
* 2012年以降は日本のほうは数学的リテラシーが高い。
* 基礎計算能力も重要、その上でプログラミング教育に期待。
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数学教育を学びにフィンランドへ
私には、フィンランドで先生をしている友人が複数名います。先日、その友人の1人が興味深いことを教えてくれました。
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うちのクラスの小学6年生は、九九をスラスラと言えない子が少なくない
これは私にとって、非常に興味深いことでした。と言うのも、私は中高数学の教員免許をもっていて、大学時代は数学の先生を目指して勉強をしていました。その際に、2003年~2009年のPISA国際学力テストの結果を見て、フィンランドが非常に高いスコアを連発していることを知りました。

PISA調査における数学的リテラシー国際比較(※灰色は非OECD加盟国)
国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」より画像参照:https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/
そんなフィンランドの教育に興味をもち、私は2010年代に計5回に渡ってフィンランドの小学校は3都市10校以上、視察しました。あくまでも私が感じたことではありますが、大まかな印象として「フィンランドは言語や芸術に関する教育が世界トップクラス!一方で数学教育は、日本だって負けてはいない」と感じました。
その理由は、「日本の子どもたちは、世界トップクラスで四則計算が速い」と感じたからです。「日本の子どもたちの数学力は、決して低くない」そう思って、四則計算の速さに関する統計資料を探してみましたが、見つかりませんでした。国際的な数学力の比較指標としては「PISA」がよく使われます。2003年、2006年、2009年の調査では、数学スコアは常に日本よりフィンランドのほうが上位でした。
「でも日本の数学力だって、ポテンシャルは低くない」
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