2020年11月10日 06:30
TSUTAYAなのに“TSUTAYAらしくない”本屋 「うさぎや」髙田直樹さんに聞く
2020年8月に創業100周年を迎えた本屋「うさぎや株式会社」。ここはTSUTAYAと提携しながらも、本の選定はうさぎや独自で行っているそうです。その理由はなんなのでしょうか。TSUTAYAで事業副本部長も務める髙田直樹さんにインタビューしました。
TSUTAYA本部の発注ではなく独自の売り場構成にこだわる
宇都宮の本屋には一風変わった人物がいます。今年100周年を迎えた本屋でTSUTAYA事業副本部長を務める髙田直樹さんです。現在、埼玉県・栃木県・宮城県で15店舗あるうちの14店舗の本部門を統括しています。
TSUTAYA本部の発注ではなく、独自の売り場構成にこだわる理由やコロナ禍で起きた変化、また「USTUNOMIYABOOKLIGHTS」や「PARKREADING」などの本にかかわるイベントを、会社の枠を越えて仕掛ける情熱のありかについて聞きました。また、オススメの一冊『パトリックと本を読む絶望から立ち上がるための読書会』(白水社)についてもうかがいました。
創業100年を迎えた、まちの「本屋」
2020年8月に創業100周年を迎えた「うさぎや株式会社」。最初は教科書や文房具などを取り扱うまちの小さな本屋さんでした。2代目が1988年に「TSUTAYA」と提携すると1990年代は年に年1のペースで新店を立ち上げていきます。
「うさぎや株式会社」はタリーズコーヒーや学習塾との提携で業務を拡大し、今では15店舗を経営。そのうち14店舗の「本部門」をとりまとめるのが髙田直樹さんです。

オススメの本は『パトリックと本を読む』ひとり出版社「夏葉社」コーナー前で、髙田直樹さん
入社1年目は、1996年にオープンした作新学院店のレンタル部門に配属。1年間のキャリアを積むと、翌年には本部門への思わぬ異動に。VHSやCDの特集から本の仕事へ「より自由度が高く、好きなことができる」と手ごたえがあったようです。
片っぱなしから本屋にある本を読んで
那須烏山市主出身の髙田さんが本好きを自覚したのは高校生のころ。自身の読書遍歴は「おっさん趣味だった」らしく、国内ミステリの代表である内田康夫作品や西村京太郎作品にドはまりしていました。
「通学路に越雲書店という本屋があって、当時出ていた本の列で最初から最後まで。ファストフード店やファミレスもなく、コンビニもほとんどありませんでしたから。
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