2019年8月3日 14:00
「惑星探査機パイオニア」「月探査機ルナ・プロセペークター」そして「オリオン計画」──NASA宇宙開発の重要拠点「エイムズ研究センター」【日本と世界のサイエンスミュージアム】
STEAM教育ではとても重要なサイエンスミュージアム。アメリカのシリコンバレーにある「エイムズ研究センター」は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の一角にある研究施設。NASAの先端技術拠点の一つでもあります。
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NACA(国家航空諮問委員会)の研究施設として開設
シリコンバレーの一角にはNASA(アメリカ航空宇宙局)のエイムズ研究センター(Ames Research Center)があります。エイムズ研究センターは、元々アメリカ空軍の基地であったモフェットフィールドに、1939年(昭和14年)にNASAの前身であるNACA(国家航空諮問委員会)の研究施設として開設されました。
当初はプロペラ機の航空力学に関する風洞研究を目的としており、世界最大の風洞(風洞は現在アメリカ空軍のアーノルド技術開発センターに移管)や、見学することは出来ませんが滑走路もあります。
エイムズでは、惑星探査を目的とした「パイオニア」(1965/昭和40-1978/昭和53年)、月探査を目的とした「ルナ・プロセペークター」(1998/平成10-1999/平成11年)といった探査計画に関わることが多いようで、中止はされましたが原子力推進ロケットにより探査をする「オリオン計画」(1958/昭和33-1963/昭和38年)の立案も行っています。
アメリカ政府施設なので入り口は厳重
研究所ではありますが、一部施設は見学できるようになっています。アメリカ政府施設ということもあり、入り口のゲートでは当然のように、銃器を装備した守衛に写真入り身分証明書(パスポートなど)を提示する必要があるものの、帰りに通った際には「楽しめた?」と気さくに声をかけてくれるような感じなので、臆することはありません。
まっすぐ進むように指示されるので、素直に従って奥まで歩いていきます。

正門通過後にあるスペースシャトル模型
所内は空軍基地だったころの建物が多く、新しいものはさほど多くありません。右手に見える建物前の看板には大学名が入っているものがいくつかあり、大学とNASAの共同研究施設が入っています。
現在エイムズでは、宇宙開発に関連するAI(人工知能)について研究分野として取り扱っているそうで、新しい分野では大学との連携が重要になるのは、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)
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