2019年11月18日 08:00
「フィンランド流子どもの学び」のベースにある、子どもを主役にするための4つのセオリー【フィンランド教育はなぜ子どもを幸せにするのか】
フィンランドの学校や先生の拠りどころである、フィンランド版教育指導要綱「NATIONAL CORE CURRICULUM FOR BASIC EDUCATION 2014(以下、FNBE)」。今回は「学びとは」をテーマにFNBEの第2章“The conception of learning” に書かれていることを、英語を交えて紹介します。
これまでの【フィンランド教育はなぜ子どもを幸せにするのか】はこちら
「学び」のコンセプト
FNBEの第2章“The conception of learning” には、以下の4つのことが書かれています。
[その1]学びにおいて子どもたちを「学びの主体」に置くこと(The National Core Curriculum is based on a conception of learning that sees the pupils as active actors.)
以前にフィンランド教育の根底にある“社会構成主義”について触れたことがありました。社会構成主義の考えが根底にある教育において、子どもや先生が言葉や体験を通して互いの知識や経験を豊かにしていくことを「学んでいる」と考えます。そこでは、先生が「よい」とする授業や教材を準備し生徒に「与える」のではなく、子ども自身が“主体性をもって学ぶ人”と捉えるのだとカリキュラムの冒頭にも表明されています。
さらに主体性をもって学び、考える際には子ども自身の言語や身体や五感、記憶や感情をフルに使うことが重要となります。「やってみたい」「あ、これ知ってる!」「気持ちいいなー」といった学ぶ際の“Positive emotional experiences”(ポジティブな感情を伴う経験)が、より深い学びや能力の向上を促進すると考えられています。
とくに学ぶということをはじめてする小学校1年生の授業では、「ポジティブであること」「楽しいこと」「わかること」が“規定のカリキュラムを消化すること”よりも優先されることもあるのです。

今日はどんな天気でどんな服装かな?も大切な学び
[その2]学びは、周囲との相互作用で起こる(Learning takes place in interaction with other pupils, the teachers and other adults, and various communities and learning environments.)…