2020年11月12日 06:30
校内清掃はいい教育? それとも児童労働? 海外から見た学校清掃の実態
日本の清掃について、好印象だったフィンランド人の先生
フィンランドで、実際に日本の小学校を訪れたという小学校の先生がいました。彼女は、日本の清掃については驚きを感じつつも、子どもたちが自分たちで清掃することには賛成しているそうです。
というのも実際に彼女の学級でも、「公のスペースをきれいに使う」ということに課題を感じているらしく、清掃を通じて公共の場所をきれいに使ったり、積極的に掃除したりするような姿勢を身につけてほしいと話していました。
これはまさに、日本国内で清掃が教育の一環として組み込まれている目的の一つでしょう。実際に世界中の大きな街を訪れると、日本の街は世界トップレベルでゴミが少なく、清潔だと感じます。ロシアW杯でも、試合後に後片付けをする日本人サポーターが世界から称賛されたニュースは有名ですよね。
すべての原因が「学校教育の中で清掃が重視されているから」とは言い切れませんが、「学校教育の中の清掃」は一定の効果を発揮しているのではないでしょうか。
日本の清掃について、ある提案をくれたイギリス人の先生
一方で、あるイギリス人の先生は、このような意見をくれました。
「たしかに、生徒が清掃することには一定の効果はあり得るでしょう。しかし清掃の習慣を身につけるにしてはあまりに多くの時間を割きすぎていませんか。たとえば、学校で100の時間をかけて、校内清掃をする生徒がいたとしても、家で自分や家族の服を洗濯するのにどれだけの時間を使うのでしょうか。
多くの生徒は、家庭のことは親に任せっきりです。自立のために教育するのであれば、学校での清掃時間を少し減らしてでも、家庭でも清掃する習慣をつけるべきではないでしょうか。高校生であれば、アルバイトすることで自立に向かっていくこともあり、イギリスではそれが一般的です」
高校を卒業するまでに洗濯をした経験なんて両手で数えるほどしかなかった自分にとっては、耳が痛い指摘でした。たしかに100の時間があれば、「校内清掃に40,家庭の清掃に30,アルバイトに30」といったような時間の使い方をしたほうが、自立を促す教育としては重要とも感じます。
欧米では、家庭でも学校でも「自立」というキーワードを重視すると聞いてはいましたが、とてもわかりやすい具体例だと感じました。
そして彼女の意見で重要なのが、「学校の清掃時間を減らしてでも」
…