子育て情報『バイリンガリズムの5つのメリットとはエディンバラ大学准教授 Thomas H Bak博士のインタビュー記事公開』

2021年12月23日 18:00

バイリンガリズムの5つのメリットとはエディンバラ大学准教授 Thomas H Bak博士のインタビュー記事公開

子どものころに「お父さんはこの言語を話すけれど、お母さんはそうではない」ということを知る経験は、人によって知識が違うということに気づくための第一歩です。」

3)実行機能―分割的注意、選択的注意、抑制など、さまざまな脳の働きが優れている
「大多数の研究や優れた設計の研究では、バイリンガルのほうが注意を払う対象を選択し、注意する対象を切り替える能力に優れていることが示されています。私が携わってきた研究でも、それを証拠づける結果が出ています。バイリンガルは、認知症の発症がモノリンガルよりも4〜5年遅れることがわかりました。これは主に、バイリンガルの実行機能による結果です (Alladi et al 2013; Bak et al 2014)。」

4)意思決定―第二言語を使うことで、目の前の感情から距離を置き、より論理的な意思決定が可能になる
「現在、この概念の効果を研究中で、第一言語を使って感情的になっているときは、第二言語を使っているときに比べて、視点を変えるのが難しいということがわかってきました。ですから、白熱した議論をしているときは、第二言語を使ったほうがいいかもしれません。」

5)加齢と健康―高齢の方が外国語の授業に参加することを通じて「社会的なネットワーク」を築ける
「私の研究では、反応にかかる時間などを測定する定量的な研究手法と、アンケートなどで人の話を聞く定性的な研究手法を組み合わせています。外国語学習の教室に通っている高齢者の方々は、外国語学習は社会的なつながりを築き、新しい人と出会い、その人たちと交流を続けるための手段だと言います。 語学学習は、退職後の自分のためにできる最高のことの一つだと思います。」

さらにBak博士は早期語学学習のメリットについて、「重要な点は、何かを学習できるかどうかではなく、早い時期により自然に発生する自動化プロセスにあります。これは言語に限らず、あらゆるものの学習に言えることです。
早期からスポーツや楽器を学べば、年齢が高くなってから学習し始めた場合には得られないような、ある種の自動化されたスムーズさを得ることができます。」と話します。
また子どもの英語学習について取り組む親御さんに向けては「親が子どもに与えられる影響力は限られているということを認識してもらって、親の罪悪感を取り除いてあげたいですね。親ができることと言えば、その言語を話すための何らかの動機づけをすることです。

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