2022年6月3日 11:00
IBS主催 第1回メディア向けセミナー「VRやAIを活用した最先端の英語学習法」
ファシリテーターを務めた原田教授は、「例えばLL教室など、テクノロジーと外国語教育の関係は失望の連続でした。でも、もしかしたら今回のテクノロジーはうまくいく可能性があるのではないかと思いました。なぜなら、外国語教育を成功させるために重要なことが含まれているからです。」と話し、AIやVRなどの最新技術に大きな期待を寄せました。
IBS主任研究員のJacobsは、自身が執筆したレビュー論文の概要を紹介しました。同論文は、VRなどの三次元、またはコンピュータ・ゲームなどの二次元の没入型技術を使った外国語学習に関する海外の先行研究を調べたもの。良い学習成果が出たことを報告している研究が多いことから、第二言語習得や外国語学習の理論に基づき、その理由についての考察が発表されました。
仮想環境での外国語学習が効果的になるための要素は「周りの人や環境と関わり合う」、「モチベーションが高まる」、「さまざまな感覚を使う」の三つ、とのこと。小学生を対象とした研究では各要素がVRやゲームにどのように含まれていたか、この分野の研究ではどのような課題があるか、日本の英語教育ではどのような価値があるか、などについて話しました。
※レビュー論文はこちら
https://bit.ly/3Ll1HCK
以下、今回登壇された各先生の講演についてご紹介します。
講演 「VRを活用した英語教育の可能性」
中央大学 国際情報学部 斎藤 裕紀恵 准教授
斎藤准教授は、アメリカ・カリフォルニア州のEdTechベンチャー企業であるImmerse社と共同で、VRを活用した英語教育の研究プロジェクトを実施。国内外での教育現場におけるVR活用の動向、VRを活用した授業例とともに、貴重な授業映像も紹介されました。例えば、学生たちはヘッドマウントディスプレイ(VRゴーグル)を頭に装着し、空港やレストランなどの仮想空間に入って、その場面に合った会話を練習します。斎藤准教授によると、「英語を話すことへの不安が軽減され、英語を話すことに自信が持てるようになったことが示された」とのこと。
講演 「人と共に成長するオンライン語学学習支援AIシステム InteLLA」
早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 松山 洋一 主任研究員(研究院 准教授)& 鈴木 駿吾 次席研究員(研究院 講師)
社会的会話AIエージェントの開発に携わってきた松山研究員からは、「InteLLA」