日々、Instagramにて”食”を通してママライフを発信するカリスマ”キッチングラマー”、heavydrinkerさん。そこには家族の温かさが感じられる”食”の画像だけでなく、世の若いママ達が参考にしたい「信念」や「指標」が込められていました。”日常の小窓”Instagramから発せられる、彼女のメッセージの本質とはなんなのでしょうか?”食”を通じて家族の温かさを伝えてくれる heavydrinkerさんの写真達手軽に日常を発信できるInstagram。なかでも”食”の写真は定番中の定番ですよね。オシャレに食欲を誘う前菜や鮮やかな色合いのサラダ、キレイな盛りつけのメインディッシュ…ちょっといいお店に行ったらその思い出とともに食事の写真をアップするのは、もはや日常の出来事という方も多いのではないでしょうか。もちろんLIMIA読者であれば、今日作ったお料理の写真をいつもアップしてるよ、なんて方もたくさんいらっしゃると思いますが、そんな時ってどうしても見栄えを意識してしまいますよね。もちろん味が第一なのはもちろんなのですが、じゃあインスタに上げようか、となるとちょっと盛りつけを工夫したり、ちょっとした色合いを加えたりするものです。もちろんそれ自体は楽しくお料理をすることの一つの楽しみとしてとても良いことだと思うのですが、さてそればかりに気を取られていると、気付かずうちに”食”の本質から少しづつ離れていってしまうこともあるかもしれません。特にお子さんがいるご家庭の場合、小さいお子さんってどうしてもシンプルな味のものを好む傾向があります。例えば唐揚げ、ハンバーグ、焼きそば…。でもそれだけじゃあ絵的に寂しいな、じゃあアレを足そうか、コレを増やしてみようか、なんて見栄えを考えて一品、二品とおかずの数が増やせば”キレイな料理写真”にはなりますが、同時に手間も増えていってしまいます。例えばお子さんにはオーガニックなものが良いのはもちろんですが、でも味だけを考えたら実際に五穀米よりも白米の方が好き、というお子さんの方が圧倒的に多いと思います。子どもが美味しそうと思う(ということは誰がみても美味しそうと思う)料理と、見た目も栄養バランスも良い、そして写真映えのする料理って必ずしも同じではないような気がします。日々の食卓をアップした自身のInstagramが人気のheavydrinkerさんのアカウントには、そんな子どもが大好きな、思わずガッツリいきたくなるお料理の写真が満載。決して高級レストランのようなハイセンスなものではないとのことですが、そこには母親としての信念と、家族への愛情とがたっぷり詰まっていたのです。家族の為に料理をするのだから、見た目よりも”食べたくなる”料理を作るのが当たり前heavydrinkerさんのinstagram「お弁当にしても朝食、夕食にしても、あまり凝ったものは作っていないと思います。私が働いているのもありますが、子どもってとにかくシンプルな味のものが大好物じゃないですか。簡単に言うと、いかにも男の子が好きそうなガッツリ系ですよね。確かに栄養バランスなどは大事ですし、世の中には子どもの好き嫌いを無くす為に様々な工夫をされているお母様も多いと思います。もちろんそういった方々には頭が下がりますが、私は子どもの好き嫌いは年齢とともに自然と改善されていくという考え方。それよりも子どもにはまず”食べる事”そのもの、つまり家族みんなで食事をとるというその行為自体を楽しんで貰いたいんですね。家族みんなであの時アレ食べた、コレ食べたなって日常の一瞬を楽しい思い出にして欲しいんです。」3児の母として家庭を切り盛りするheavydrinkerさんは、自身もフルタイムで働いているため、旦那さんと協力し合いながら子育てをしているママさん。もちろんこと食事に関してはInstagramを拝見していても分かるように、基本的に「自炊」を徹底しているのだそうです。「共働きだからといってそこだけは手を抜きたくないんです。だからコンビニ弁当なんかではなく、必ず毎日の食事は作りますし、子ども達のお弁当もできるだけ残り物なんかではなく、ちゃんとしたモノを作ってあげたいんです。但しその分、子ども達にも手伝ってもらっちゃうというスタンスです。子どもって一日5食ぐらい食べないといけないのですが、そうするとどうしても大人の食事時間とはズレが出てきてしまうので、冷蔵庫にはご飯のお供としておにぎりの具材などをストックしておくんです。お腹が空いたらこれを自由に食べていいよ、って。そうすると子どもは自分で給仕はもちろん、例えば納豆を作るとか、そういうちょっとしたことから自分でやるようになるんですよね。長女なんかは今はもう率先してお手伝いしてくれますしね」共働きという環境のなかでは、毎日の”食卓”は大変な家事です。だからといって大人の都合を子どもに押し付けるということを決してせず、むしろ子どもも巻き込んで”協力しよう、自分でできることはやりましょう”と対等の目線で子どもと接するのがheavydrinker流というわけなのです。インスタから垣間見える何気なくて、賑やかで、家族みんなが仲良しな、そんな日常の風景はそんなheavydrinkerさんのポリシーがあればこその光景だったのです。heavydrinker特製「コマキンパ」のお味は?さてさてheavydrinkerさんといえばお料理を紹介しないわけにはいきません。今回は彼女の得意料理の一つ「キンパ(韓国風のり巻き)」と「コマキンパ(小さい韓国風のり巻き)」を作って頂きました。特にコマキンパは簡単で美味しくて、しかも火などを極力使わないで済むのでお子さんでも安心してお手伝いしてもらえる、heavydrinker家お気に入りの一品。もちろん子ども達も大好物、というわけで今回はそのレシピを紹介して頂きましょう。<コマキンパ>■用意するもの人参(笹掻きして炒めたもの)春菊(茹でておく)ほうれん草(茹でておく)ハム玉子焼きたくあんカニカマボコ※以上の具材は巻きやすいようにカットしておくご飯(ごま油を適量かけ回して混ぜておく)海苔(韓国海苔でなくてもOK)胡麻胡麻油作り方は…好きな具材を手巻きのように巻いて、胡麻油を適量まぶして胡麻をパラッと振りかけるだけ。とっても簡単なのです。もちろん具材の下ごしらえは必要なのですが、それさえやってしまえば後は子どもでも安心して作れるのが魅力なのです。そして何よりも美味しい!韓国風とはいえ使っている食材は簡単に手に入るものばかりですし、ちょっとしたアレンジとしてキムチとマヨネーズを軽くトッピングするなんていう技も。簡単で美味しい、しかもお野菜がたっぷり取れるという世のママさんにとっては大変有り難いお料理なのです。そして何よりも美味しい!韓国風とはいえ使っている食材は簡単に手に入るものばかりですし、ちょっとしたアレンジとしてキムチとマヨネーズを軽くトッピングするなんていう技も。heavydrinkerさんは2口で食べきれるように真ん中で具材を分けて載せるようにしているとのこと。簡単で美味しい、しかもお野菜がたっぷり取れるという世のママさんにとっては大変有り難いお料理なのです。heavydrinkerさんが作り始めると、通称丸の内OL(笑)と呼ばれている長女ちゃんが当然のようにお手伝い。そのうちに一人で作り始め、我々取材班が試食して無くなりそうになると次々に追加を投入してくれました。こういうことが自然に出来るのも、きっと普段からママのお手伝いをしっかりこなしている証拠。しかも誰に言われるでもなく自発的に動いているんですよね。彼女を見ているとheavydrinkerさんがいかに子ども達に愛情を持って、なおかつ対等に接しているかが感じられました。丸の内OLちゃん、美味しかったですよ!コダワリのキッチンは家族が集う「あったかい場所」heavydrinkerさんのご自宅はつい先日竣工したばかりの新築の注文住宅なのだそうですが、もちろん家族が集うキッチンもheavydrinkerさんならではのコダワリが詰まっているのは言うまでもありません。ここで少しheavydrinker的コダワリキッチンを少しご紹介してみましょう。まず、heavydrinker家ではキッチンはママだけのスペースではありません。家族が自由に動き回れるように3人程がストレスなく動き回れるように動線スペースをたっぷり確保。そして対面する食卓から一段低くなるようにキッチンを設計しています。これは食卓に居る子ども達と目線を合わせるという意図が込められているそうです。フロアは土間になっていて、よく使用する調味料などは移動させやすいようにワゴンに収納。一番奥側にあるコンロには家庭用で一番大火力のコンロを選び、加えてコンロスペースを中心によく使う基本的な調理道具が手に届く範囲に配置してあるのも家事のプロであるママさんならではの使い勝手を考慮した設計となっています。おしゃれな照明が見れるトランクファクトリーのInstagram通常のご家庭のキッチンと比べてもかなりたっぷりと広くとったスペースに加え、オープンな設計になっているのも大きな特徴。この辺りにも”食で家族を繋ぐ”というheavydrinkerさんの想いが現れているのが分かりますね。家族のにぎやかな日常を垣間見せてくれる、思わクスッとしてしまう文章の魅力とはインスタグラマーとして活躍するheavydrinkerさんの最大の魅力、それは愛情溢れる日々のお料理の写真なのは間違いありませんが、実はそこに添えられている日常のちょっとした出来事を綴ってくれる「リアリティを感じる文章」こそ人気の秘密なのではないかと筆者は考えました。heavydrinkerご夫婦と愛すべきお子さん達が織りなす、にぎやかなheavydrinker家の日常を垣間見せてくれるような、往年のアメリカのホームコメディを思い起こさせてくれるような、そんなほっこりとした日常のストーリー。そう、ライター業の端くれとして僭越ながら評価させて頂くと、家族のキャラ付けがはっきりしていて、短い文章なのにしっかりフリとオチがあるという、非常にユーモアのセンスに長けた文章なのです。実はheavydrinkerさんタダモノではないのでは?と思い水を向けてみると…。「まったくプロとかではないんですが、書類をまとめる職種で仕事柄、文章を良く書くので慣れというのはあると思います。それに本、特に小説を読むのが大好きで、相当読みあさっていますね。好きなのは時代小説で、特に長谷川卓さんが好きですね。お気に入りの本は何度も読み返します。だからかもしれないんですけど、どうしてもオチを付けてしまいたくなるんですよね(笑)。それにA型気質なのかも知れないですけど、何度も推敲(すいこう)しますし、公開したあとでも見返して納得いかなくて修正したりもします。」文章を書く、というのは一見誰にでもできるようでなかなかに難しい行為です。heavydrinkerさん独特の、人を惹き付けてやまないセンス溢れるあったかい文章。それは小説好きや仕事柄という事実に加え、heavydrinkerさんの家族に愛する愛情、そして食に対する想いなど、伝えたい事、残していきたい事があるからこそ生み出されているのではないかな、と感じました。だからこそ10万人近くものフォロワーがインスタグラマーの彼女を支持しているのは間違いありません。そんなheavydrinkerさんの深い愛情と確固たる信念はどこから生まれたのでしょうか。鍛えられた”なんとかする”精神で家族の絆を守ってきた15年間前述の通りheavydrinkerさんにはお子さんが3人いらっしゃって長男君(通称:思春期野郎)はもう15歳とのこと。なのですが旦那さんとはつい先日入籍をしたばかり。そうなのです、今の旦那さんとは再婚というわけなのです。当時、若くしてシングルマザーとなったheavydrinkerさんは、生活するだけで手一杯でどん底の状態だったそうです。「当時は幼い子どもも抱えてまさにマイナスの状態でした。でも自分を不幸ぶってみても何も始まらない。必死で働いて、キツかったけどそれでも子育てをほっぽり出すなんて考えた事も無かったし、とにかくやるしかないと。そしてマイナスをゼロの状態になんとか戻した時に”あ、人間やればなんとかなるもんなんだな”って実感したんです。理屈じゃなくて文字通り経験したことで自分を信じられるようになったんです。それがあったから、今では何があっても”なんとかなる、どうにかなる”ってある意味楽観的に捉えることが出来るようになった。貴重な経験ができたと思ってますね」とはいえ、一人で抱え込んで耐えて忍んで、という事ではなく、周りの助けがあったからこそ乗り越えられたのだと言います。「意外にそこは柔軟で(笑)。変に意固地にならず、差し伸べてもらった手は握って、助けて頂いてました。頑張るといっても私一人では限界があるのは分かっていましたし、助けるよ、って言われた時にはありがとう!って助けてもらっていましたね。本当、あの当時助けてくれた周囲には凄く感謝しています。だから私も困っている人がいたら自然と助けたい、と思うようになりました。インスタでもよく相談を受けることがあるんですが、そういった声に対しても、こんな私でも力になれればいいな、と思いながらお答えさせていただいています。本当にありがたいですね」heavydrinkerさんのインスタには常に幸せそうな日常が映し出されていますが、それは彼女の持つ”強さ”で家族が繋がっているからであるのが取材を通して見えてきました。そしてそれは決して直線的な”男性的強さ”ではなく、しなやかで優しく、しかし芯のある”女性ならではの強さ”。言い換えればそれこそが”家族の絆”そのものと言ってもいいのかもしれません。これからもこの5人家族が紡いでいくであろう、食を介した物語から目が離せませんね。Text:藤川経雄Photo:木下誠heavydrinkerさんのLIMIAページ
2017年02月21日