話題の機能性成分「日清中鎖脂肪酸100%オイル」も登場日清オイリオグループ株式会社は、中鎖脂肪酸を手軽に毎日摂取できるよう、プレーン(無香)タイプの「日清ココナッツオイル」、「日清中鎖脂肪酸100%オイル」を2015年8月24日(月)より全国で発売を開始する。同社は、健康に役立つ食用油を主に生食で毎日摂りたいというニーズの高まりを受け、今年2月に話題の健康成分「中鎖脂肪酸」を豊富に含む「日清エキストラバージンココナッツオイル」の発売に続き、ラインアップを拡充する。2014年の家庭で使用する、食用油の使用頻度は2012年と比較すると、生食での使用頻度が約1.4倍と大きく伸びている。油種別に見ると、ごま油で約1.5倍、オリーブオイルで約2倍、最近話題のココナッツオイル、アマニ油などのようにサプリメント的な機能性成分のオイルでは約8倍となっている。効率の良いエネルギーをいろいろな料理に!「日清ココナッツオイル」は、料理の幅が広がるプレーン(無香)タイプのココナッツオイルで、和食や洋食、中華など、さまざまな料理に幅広く使用できる。一般的な油と比べると、約5倍の早さでエネルギーになる中鎖脂肪酸を60%以上含むため、小さじ1杯で2.8g摂取できる。1瓶に130g入っており、毎日小さじ1杯使用すると30日で使い切れるサイズとなっている。「日清中鎖脂肪酸100%オイル」は、1瓶85g入りで同品の油脂を構成する脂肪酸は100%中鎖脂肪酸で、エネルギー補給や長鎖脂肪酸を利用しづらいがエネルギーを必要とする人に適している。無色透明で味や香りがほとんどなく、スッキリとクリアなオイルであるため、ジュースや味噌汁、和えものなどジャンルを問わず、さまざまな料理にそのまま使用することが可能である。いずれも、同社の厳しい品質管理のもと、輸入原油を日本国内の工場で精製・充填している。(画像はプレスリリースより)【参考】・日清オイリオグループニュースリリース
2015年07月08日マウスコンピューターは6日、iiyamaブランドとして、AH-IPS方式パネルを採用し、ブルーライト低減機能を備えた液晶ディスプレイを2機種発表した。価格はオープン。発売時期と直販サイト(楽天市場)での販売価格は「ProLite XUB2390HS-2」が7月10日発売で税込28,800円、「ProLite XU2390HS-2」が7月中旬発売で税込26,800円。ProLite XUB2390HS-2とProLite XU2390HS-2は、モニタ自体にブルーライトを低減する機能が付いている液晶ディスプレイ。3パターンの省エネ・節電モードを搭載しており、通常モードと比べて消費電力を最大約35%削減できる。液晶パネルには、従来のIPSパネルよりも透過率が向上し、低消費電力を実現したAH-IPSパネルを搭載。外観は、上左右のベゼル部分と画面部分に段差がないフラットなデザイン。また、ベゼル幅(非表示部分を含む)が12mmと短く、複数台を横方向に並べてマルチモニタとして使う場合でも、すっきりと使用できる。画面表示においては、ゲームや映画、風景、テキスト作成など用途に合わせた画質を選べるi-Style Color機能を持つ。色温度はウォーム、ノーマル、クール、sRGBというプリセット設定から選べるほか、ユーザー側でのRGBカスタム調整も可能。○ProLite XUB2390HS-2ProLite XUB2390HS-2のスタンドには、最大130mmの高さ調節、最大24度のチルト調整、90度回転のピボット、90度のスウィーベルが可能なパーフェクトスタンドを採用している。主な仕様は、液晶がAH-IPS方式パネル、画面サイズが23型、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(ACR時5,000,000:1)、視野角が上下各89度/左右各89度、GtoGの応答速度が5ms。映像入力インタフェースはHDCP対応DVI-DとHDMI、D-Subの3系統。2W+2Wのスピーカーを内蔵し、音声入力は3.5mmステレオミニジャック。消費電力は最大52W、標準24W、パワーマネジメントモード時で最大0.5W。VESA 100mmマウントに対応する。本体サイズはW532.5×H386.0~516.0×D230.0mm、重量は5.4kg(スタンドなし3.3kg)。付属品はDVI-Dケーブル、HDMIケーブル、D-Subケーブル、電源コード、オーディオケーブルなど。○ProLite XU2390HS-2ProLite XU2390HS-2と上記ProLite XUB2390HS-2の主な違いは、スタンド機能。ProLite XU2390HS-2のスタンドでは最大24度のチルトのみ可能で、高さ調節、スウィーベル、ピボット機能は持たない。本体サイズがW532.2×H387.5×D180.0mm、重量が4.0kg(スタンドなし3.22kg)。
2015年07月06日日清食品は13日、「日清のどん兵衛 きつねうどん 39周年特別限定品」と「日清焼そば U.F.O. 39周年特別限定品」の2品を全国で発売する。○どん兵衛史上最厚ふっくら130%おあげと、U.F.O.史上最高濃度130%ソース入り「日清のどん兵衛」と「日清焼そば U.F.O.」は、いずれも1976年に発売した同社を代表するロングセラーブランド。今回、39年の長きにわたるサポートに感謝の気持ちを込め、それぞれの商品の魅力をさらに引き出した「39周年特別限定品」を発売する。「日清のどん兵衛 きつねうどん」には、同社従来品に比べて130%の厚みがある今回だけの特別な「どん兵衛史上最厚(さいあつ) ふっくら130%おあげ」が入っており、ふっくらジューシィな仕上がりとだという。麺は「日清のどん兵衛」ならではのもっちりとしたつるみのあるうどんで、つゆは、昆布とかつおだしが上品に調和した、うまみが後を引く味わい深い関西風のつゆを採用。「彩り七味」付きとなる。希望小売価格は180円(税別)。「日清焼そば U.F.O.」には、同社従来品の「やみつき濃厚ソース!」を130%に増量した今回だけの特別な「U.F.O.史上最高濃度 130%ソース」が入り、さらにガツンと濃厚でスパイシーな味わいを楽しめるとのこと。麺は「日清焼そば U.F.O.」ならではのコシのある中太麺、具材は大切りキャベツ、豚肉を採用。別添で、青のり、紅しょうが入りふりかけが付く。希望小売価格は180円(税別)。
2015年07月05日京都大学は6月29日、生きたマウスの脳内の細胞内RNAを可視化することに成功したと発表した。同成果は同大学物質-細胞統合システム拠点(iCeM S)の王丹 特定拠点助教らの研究グループによるもので、6月19日(現地時間)に英科学誌「Nucleic Acids Research」で公開された。RNAは体内で働くタンパク質が、いつ、どこで、どれだけ必要かという情報を持つほか、細胞内の生体反応の制御を行う役割をもつ。そのため、生体内で目的遺伝子がどのように機能しているかを知るためには、このRNAが細胞内のどこでどのように局在しているのかを突き止めることが必要となる。RNAが集まり、局在するという現象は正常な細胞でも発生するが、一部の神経変性疾患において異常な集まりがあることが観察されており、この局在変化によって本来のRNAの機能を果たせず、神経細胞の健康状態が破たんしてしまうと考えられている。しかし、生きた組織内でその局在を見るのは困難だったため、RNAの集まりがどのように細胞内で制御され、異常がもたらされているかは明らかになっていなかった。今回の研究では、目的とするRNAの有無によって蛍光のオン・オフができる点灯型蛍光プローブ(DNAやRNAなどの核酸を元にしたオリゴ鎖)を脳内に打ち込み、電流を流して細胞内に導入することで、生きた組織内でのRNAの標識を可能とした。この標識方法を用いて、組織内のRNAの集まりが薬剤に対してどう応答するのか検証したところ、ディッシュ内で培養した細胞と、生きた組織内の細胞では反応に違いがあることを初めて定性的に示すことができた。同研究グループは「今後は、生きた個体の細胞内でのRNAの集まりが環境応答によってどのように出現・消失するのか、何がそれを制御するのか、正常な組織と疾患にかかった組織でどのように異なっているのかを明らかにすることで、生きた組織・個体での遺伝子発現のメカニズムおよび疾患をもたらすRNAの動きの解明に繋げていきたいと考えています。」とコメントしている。
2015年06月29日富士フイルムは6月18日、ツヤのある肌は肌内部の細胞構造の乱れが少ないことを確認したと発表した。今回の研究では、ヒトを若々しく見せる要素である「視覚的ハリ感」に注目。20~50代の女性被験者の肌内部の状態を解析し、肌がどのような構造になっていればツヤがあるように見えるのかを調査した。その結果、ツヤの目視評価が高い被験者ほど、肌内部における細胞構造の乱れが少ないことがわかった。また、肌表面について、マイクロスコープを用いて肌画像を取得し、皮溝の幅や肌の密度などキメ形態の定量解析を実施。従来から知られている通り、肌表面の凹凸形状であるキメが荒くなると肌のツヤが減少することを確認した。さらに、肌のツヤを再現できる独自開発の光学画像シミュレーションシステムを用いて、細胞構造の乱れの程度やキメ形態をそれぞれ変化させた複数の肌モデルを作成し、ツヤの状態を可視化したところ、微細な細胞構造の乱れを抑制することでしっかりとしたツヤになることを実証することができたという。同社は「今回の光学画像シミュレーションおよび解析結果により、肌表面だけでなく肌内部の細胞構造の乱れを整えることでツヤがある肌になり、『視覚的ハリ感』が向上することが示唆されました。今回の研究結果で導き出した条件を満たすことで肌のツヤを向上させ、視覚的ハリ感を生むスキンケア化粧品の開発に応用していきます。」とコメントしている。
2015年06月18日慶應義塾大学(慶大)は6月16日、北里大学との共同研究で、遺伝性パーキンソン病患者由来のiPS細胞を樹立し、分化誘導した神経細胞を用いてパーキンソン病患者の脳内における病態を解明したと発表した。同成果は慶大学医学部生理学教室の岡野栄之 教授、北里大学医療衛生学部再生医療・細胞デザイン研究施設細胞デザイン研究開発センターの太田悦朗 講師(慶應義塾大学医学部共同研究員)、小幡文弥 教授らの研究グループによるもので、6月8日(現地時間)に医学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。同研究グループは全患者の10%を占める遺伝性パーキンソン病患者の発症メカニズム解明を目的に、原因遺伝子LRRK2に変異を有する優性遺伝性パーキンソン病家系内の患者2名からiPS細胞を樹立し、これらのiPS細胞から神経細胞のもととなる神経幹細胞を作製後、分化誘導した神経細胞について機能解析を行った。LRRK2に変異を持つ患者は、全患者の90%を占める孤発性パーキンソン病と臨床症状や発症年齢、治療薬に対する反応など似た特徴を示すことがわかっている。解析の結果、iPS細胞から誘導した患者の神経細胞群では、健常者の神経細胞群に比べ、酸化ストレスに対する脆弱性があったほか、ドーパミンの放出異常あること、細胞内のAKT/GSK-3βシグナル伝達経路の異常によってリン酸化タウが増加することも明らかとなった。また、iPS細胞を樹立したうちの1名の患者の死後脳を調べたところ、GSK-3β活性化によるリン酸化タウの増加、そしてそれが脳内に沈着して引き起こされる神経原線維変化が確認された。同研究グループは「今後、この患者由来のiPS 細胞を用いることで遺伝性だけでなく孤発性も含めたパーキンソン病の病態解明や治療のための新薬開発が期待される」とコメントしている。
2015年06月17日細胞を活性化NPO日本免疫美容協会は2015年5月27日、「免疫美容セミナー」を東京・TKP市ヶ谷カンファレンスセンターにて開催した。同協会では自然治癒力を生かしてより健康的な肌を維持することを提唱しており、同セミナーでは今、注目されているランゲルハンス細胞の働きについて詳しく紹介し、ランゲルハンス細胞を活性化させることで肌トラブルを改善する方法についても講演が行われた。肌本来のチカラで同セミナーでは、肌は排泄器官であり、有効成分を肌に浸透させるというのは間違ったスキンケアであるとし、「肌本来のチカラでキレイになる」免疫美容の考え方について学ぶことができる。ランゲルハンス細胞は皮膚のセンサーの役割をしており、皮膚内部をチェックし、肌に侵入してくる外敵を見つけてくれることから、ランゲルハンス細胞が脳に肌トラブルの情報を届け、脳が指令を出すことで自己回復力が高まり、肌を元気に戻してくれる。また、ランゲルハンス細胞を活性化させるアミノ酸についても、その研究者である小山秀男氏本人が解説を行い、日本免疫美容協会は今後も「免疫美容セミナー」を全国で開催し、ランゲルハンス細胞と皮膚免疫についての啓発を行っていく予定である。次回は7月14日に横浜新都市ビル(そごう)にて開催されるということだ。(画像はプレスリリースより)【参考】・NPO日本免疫美容協会免疫美容セミナー・NPO日本免疫美容協会のプレスリリース(Value Press)
2015年06月15日SBIファーマとリプロセルは6月8日、iPS細胞由来の分化細胞を用いた再生医療を行う際に問題となる残留iPS細胞を、再生医療に適したALAというアミノ酸で選択的に除去する技術を開発したと発表した。iPS細胞から心筋、神経、肝臓などの細胞を作製する際、iPS細胞が変化せず残留し、生体に移植した時にがん化してしまう場合があった。そのため、再生医療に向けた品質管理の観点から、体細胞に変化した細胞群から残留iPS細胞のみを除去する技術の開発が必要とされていた。ALAは、がん組織ではプロトポルフィリンIXという物質へ変化し、蓄積するという特徴を持つ。プロトポルフィリンIXは特殊な波長の光を浴びると細胞を破壊する物質を生成することから、海外ではALAはがん治療薬として承認されている。今回開発された技術ではがん細胞とiPS細胞に共通する特徴に着目し、ALAを含んだ培養液中でiPS細胞から変化させた体細胞に特殊な条件で光照射することで、容易にiPS細胞を選択的に除去することに成功した。
2015年06月08日東京大学(東大)は5月28日、悪性度の極めて高い小細胞肺がんを移植したマウスに、がん細胞にのみ結合する抗体「90Y標識抗ROBO1抗体」を投与したところ、腫瘤が著明に縮小することを確認したと発表した。同成果は、東大医学部附属病院 放射線科/東大大学院 医学系研究科核医学分野 准教授の百瀬敏光氏、東大医学部附属病院 放射線科 特任助教/東大大学院 医学系研究科核医学分野 博士課程学生(当時)の藤原健太郎氏、東大先端科学技術研究センター 計量生物医学 教授の 浜窪隆雄氏、東大先端科学技術研究センター システム生物医学 特任教授の児玉龍彦氏らによるもの。詳細は「PLOS ONE」に掲載された。肺がんは、がんの中で最も罹患率・死亡率が高く、その内、成長が早く、転移しやすい小細胞肺がんが約15%を占めているが、身体の他の部位までがんが広がってしまっている段階の進展型小細胞肺がんは、悪性度が高く、有効や治療法が確立されていない。今回、研究グループは、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体(90Y標識抗ROBO1抗体)」を開発し、実際に、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞を殺傷し、腫瘤を縮小させる効果があることを確認したという。また、こうした抗体を投与して、がんに集積させることで、小細胞肺がんを移植したマウスの体内から放射線治療をする「放射免疫療法」が、進展型小細胞肺がんの根治や余命の改善に向けた治療法の確立につながることが期待できるとしており、今後は、同薬剤の治療効果と副作用に関する詳細な評価に加え、治療効果や副作用のさらなる改善を目指して、化学治療との併用治療や、別の治療用放射性同位元素の導入、抗体の小分子化などを検討していくとするほか、抗体の体内動態を可視化することで、SPECT/PETイメージング用診断薬の開発にもつなげたいとしている。
2015年06月01日日清食品は6月1日、「日清カレーメシ2 中辛」「同 辛口」「同 大辛」「日清トマトカレーメシ2」の4品を発売する。○ダイスミンチを大きくし、食べ応えと調理後の具材のボリューム感がアップ2014年4月に発売した「日清カレーメシ」は、「ルゥでもレトルトでもない、お米とルゥが混ざった状態で出来上がる"第3のカレー"」とでも呼ぶべき新ジャンルのカレー。水を入れて電子レンジでチンするだけで調理できる手軽さや、煮込み感のあるコク深いルゥの本格的なおいしさが、若者を中心に好評を得ているという。今回は、そのカレーメシがさらにパワーアップして登場、商品名も「日清カレーメシ2(ツー)」に一新する。従来の調理の手軽さ、おいしさはそのままに、具材のダイスミンチを大きくすることで、食べ応えと調理後の具材のボリューム感がアップ。パッケージにも「ビッグになったぜ」というコピーをあしらったデザインを採用し、これからも「日清カレーメシ」ならではのユニークな世界観を発信していく、としている。なお、「日清トマトカレーメシ2」はパッケージ変更のみとなる。希望小売価格は各220円(税別)。
2015年05月31日慶応義塾大学(慶応大)は5月27日、小児神経発達障害であるレット症候群患者からiPS細胞を樹立し、神経発生過程における異常を明らかにしたと発表した。同成果は慶大医学部生理学教室の岡野栄之 教授、山梨大学大学院総合研究部環境遺伝医学講座の久保田健夫 教授、順天堂大学大学院医学研究科ゲノム・再生医療センターの赤松和土 特任教授の共同研究グループによるもので、5月27日付(現地時間)の英医学雑誌「Molecular Brain」オンライン版に掲載された。レット症候群は女児の1万5000人に1人の確率で発症する疾患で、6カ月~18カ月は通常の発達経過をたどるものの、徐々にそれまでに獲得した言語・運動能力を失うとともに特徴的な手もみ運動やてんかん、自閉症といった症状が現れる。この疾患の患者の約90%以上が2本のX染色体上にあるMECP2遺伝子のどちらかに変異を有していることがわかっている。現在は根本的治療法がないものの、自閉症状を示す疾患のなかで原因遺伝子がわかっている数少ない疾患であることから、レット症候群の研究が進めば自閉症全体の治療法の解明にもつながることが期待されている。これまでの研究では、患者の脳から神経系の細胞を入手することは不可能なため、MECP2遺伝子に変異を加えたマウスを用いてレット症候群の解析を行っていたが、実際の患者の症状は再現出来ていなかった。今回の研究では、MECP2遺伝子に同じ遺伝子変異を持つ2名の患者の皮膚細胞を使用した。女性の細胞は2本のX染色体を有し、ランダムに片方のX染色体の遺伝子発現が抑制されるため、正常MECP2遺伝子発現細胞と変異MECP2遺伝子発現の2種類の細胞が混在している状態からiPS細胞を作成した。その結果、正常MECP2遺伝子が発現しているiPS細胞と変異MECP2遺伝子が発現しているiPS細胞の2種類が得られた。作成した2種類のiPS細胞から誘導した神経幹細胞と神経細胞を比較したところ、変異MECP2遺伝子をもつ細胞では、細胞外のイオン濃度調整や血流調整、神経伝達物質の調節を担うグリア細胞の一種であるアストロサイトが、正常な細胞に比べてに比べて多く存在していることが判明した。研究グループは、今後の研究で、グリア細胞の発生異常がレット症候群の諸症状とどう関連しているか明らかにする必要があるとしている。
2015年05月27日メディネット5月26日、東京都品川区に保有する細胞培養加工施設(品川CPF)が、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、特定細胞加工物製造許可を取得したと発表した。同施設は免疫細胞治療に係る細胞加工に加え、体細胞、幹細胞、iPS細胞などの多様な細胞加工の製造開発を受託することを視野に入れて設計されたもので、特定細胞加工物の製造受託、再生・細胞医療製品の開発から商業生産まで対応可能だという。なお、同社は今回の許可取得により、本格的に細胞加工の製造開発受託を開始するとしている。
2015年05月26日24日(日)まで開催されたカンヌ国際映画祭で、ある視点部門に出品された黒沢清監督の『岸辺の旅』が、同部門の監督賞を受賞した。審査員メンバーは、イザベラ・ロッセリーニを審査委員長に計5名。壇上に上がった監督は、「とても驚いています。こうしたささやかな作品のなかからひとつの輝きを審査員の方に発見して頂いた、そういうことが起こる場所がカンヌなのだと思いました。本当にありがとうございます」と語った。その他の写真また受賞直後の会見では、いまだ興奮冷めやらぬといった様子で、審査員長のイザベラ・ロッセリーニから、「母(※今年のカンヌの公式ポスターの顔になったイングリッド・バーグマン)はずいぶん前に亡くなりましたが、わたしはいまだに母がそばで見守ってくれているような気がしていました。それはわたしだけの特殊な感覚かと思っていましたが、この映画を観てそんなことはないのだと知って驚きました」と、私的な感想をもらったことを明かした。本作は湯本香樹実の同名の小説を、今回が初タッグである深津絵里と浅野忠信主演で映画化したもの。3年前に失踪したままになっていた夫が突然舞い戻り、「俺、死んだよ」と妻に告白する。ふたりは、彼が最後に過ごした場所や時間を巡る旅に出る。これまでも死者を扱ったことのある監督だが、今回は監督にとって初めてのラブストーリーでもある。黒沢監督のファンが多いフランスでは、特に評価が高く、全国紙のル・モンドは「クロサワは、自身の芸術を超越するような素晴らしい成果を見せた」と絶賛した。公式上映に監督とともに参加した深津、浅野は上映の反応に対してそれぞれ、「とても暖かい拍手を感じました。監督のファンの方々が新作を待ち望んでいたような、みなさんの強い集中力が、じわじわと伝わってくる印象を受けました」(深津)、「僕自身、この映画を観ながら家族や友人など大切な人への愛が浮かんできました。そんなひとつの愛の形が海外の人々にも届いたのかと思い、とても嬉しかったです」(浅野)と語った。黒沢はふたりの共演を振り返り、「違うタイプの演技をされるおふたりという印象を受けましたが、それがあるレベルを超えるとまったく違和感がなくなるのだとわかりました。おふたりの力があったからこそ、こうした夫婦の愛の姿を描くことができた。本当に感謝していますし、おふたりにもカンヌを楽しんで頂けたたようで良かった」と、喜びを噛みしめた。取材・文:佐藤久理子『岸辺の旅』10月1日(木)テアトル新宿ほか公開
2015年05月25日京都大学は5月22日、細胞内マイクロRNAを使って細胞を選別する人工RNA(RNAスイッチ)を用い、自動的に心筋細胞以外の細胞が取り除かれるシステムを開発したと発表した。同成果は同大学iPS 細胞研究所の三木健嗣 研究員、遠藤慧 研究員(現東京大学大学院新領域創成科学研究科)、齊藤博英 教授、吉田善紀 講師らによるもので米国科学誌「Cell Stem Cell」に掲載された。ES細胞やiPS細胞など幹細胞から高純度の心筋細胞を得るためには、細胞表面の抗原を識別して細胞を選別する必要がある。しかし、心筋細胞には特異的な抗体が無く、ゲノムに傷をつける可能性があるDNA導入などを使わないと高効率に純化することは困難だった。そこで研究グループは、マイクロRNAを検知することで細胞を識別する方法の開発に着手。心筋細胞に特徴的なマイクロRNAを同定し、そのマイクロRNAが存在しない時だけ蛍光タンパク質が光るRNAスイッチを作製した。また、この仕組を応用し、蛍光タンパク質の代わりに細胞死を誘導する遺伝子を導入し、心筋細胞のマイクロRNAを持たない細胞では細胞死が起きるシステムを構築した。これにより、機械で選別することなく、高純度に心筋細胞だけを培養することに成功した。同システムは上皮細胞や肝細胞、インスリン生産細胞などにも応用可能とのことで、従来では選別が難しかったさまざまな細胞が取得できるようになり、幹細胞分野における幅広い研究での活用が期待される。
2015年05月25日日清食品は18日、「日清のごんぶと×クッキングパパ 荒岩流鶏だしカレーうどん」「日清Spa王×クッキングパパ 荒岩流イカスミブラック」を発売する。○荒岩家の絶品レシピをカップ麺で再現!、"うまいゾ!"「日清のごんぶと」と「日清Spa王」は、生タイプ麺を使用し、本格感のある麺と短時間で調理できる簡便性が特徴のロングセラーブランド。今回、今年5月で30周年を迎えた人気漫画「クッキングパパ」(うえやまとち著、講談社刊・週刊「モーニング」にて連載中)と両ブランドのコラボレーションが実現した。「日清のごんぶと」からは、主人公の荒岩一味(あらいわかずみ)が夏バテ気味の愛娘みゆきのためにスパイスを利かせて作ったぴりっと辛い"鶏だしカレーうどん"を、また「日清Spa王」からは、イタリア旅行時に荒岩が現地のシーフードがおいしいレストランで出会い思わずおかわりした"イカスミのスパゲッティ"を発売。どちらも漫画の中で実際に登場したレシピを再現し、「クッキングパパ」の世界観を楽しめる一品に仕上げたという。「日清のごんぶと×クッキングパパ 荒岩流鶏だしカレーうどん」は、麺はコシとつるみのある、のどごしの良い"生タイプ"のうどんを使用。麺をレンジ調理することで芯まで熱々になり、さらにもっちりとした食感が楽しめるという。つゆは、ピリっとしたカレーのスパイシーさに鶏だしを利かせた、深いうまみが特徴のカレーつゆとした。具材には、蒸し鶏、大ぶりのネギを採用。このレシピは「クッキングパパ79巻(衝撃のカレーうどん)」に掲載されている。内容量204g(麺180g)で、希望小売価格は230円(税別)。「日清Spa王×クッキングパパ 荒岩流イカスミブラック」のソースは、イカスミの真っ黒な色が特徴で、ガーリックオイルをベースに炒めたタマネギやアンチョビーで風味を付けた。具材は、イカ、タマネギ、赤唐辛子となる。このレシピは「クッキングパパ14巻(絶品!!スパゲティブラック)」に掲載されている。内容量187g(麺170g)で、希望小売価格は230円(税別)。
2015年05月15日マウスコンピューターは15日、iiyamaブランドの液晶ディスプレイとして、ブルーライト低減機能やAH-IPS方式パネルを搭載した21.5型フルHD液晶ディスプレイ「ProLite XU2290HS-2」を発売した。価格はオープン、直販サイト(楽天市場)での参考価格は24,800円。ProLite XU2290HS-2は、モニタ自体にブルーライトを低減する機能が付いている、AH-IPS方式パネルを採用した液晶ディスプレイ。3パターンの省エネ・節電モードを搭載しており、通常モードと比べて消費電力を最大約35%削減できる。主な仕様は、液晶がAH-IPS方式パネル、画面サイズが21.5型、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(ACR時5,000,000:1)、視野角が上下各89度/左右各89度、GtoGの応答速度が5ms。映像入力インタフェースはHDCP対応DVI-DとHDMI、D-Subで、2W×2のスピーカーを内蔵する。音声入力は3.5mmステレオミニジャック。消費電力は最大35W、標準22W、パワーマネジメントモード時で最大0.5W。スタンド機能は上20度/下4度のチルト、VESA 100mmマウントに対応する。本体サイズはW499.5×D370.5×H180.0mm、重量は3.7kg。付属品はD-Subケーブル、DVI-Dケーブル、HDMIケーブル、電源コード、オーディオケーブルなど。
2015年05月15日日清食品は18日、「日清チキンラーメンビッグカップ ピリッと辛口担々風」を発売する。○「チキンラーメン」の人気アレンジレシピを商品化インスタントラーメン「チキンラーメン」は、TVCMなどでもおなじみの玉子を乗せる食べ方に加え、最近では好みの調味料や具材を加えて一味違ったおいしさを楽しむ「アレンジレシピ」が人気を集めているという。同商品は、その中でも人気の高い「担々風チキンラーメン」を手軽に味わえるよう、カップ麺として商品化したもの。麺は、しょうゆベースのチキンスープで味付けした、香ばしい「チキンラーメン」の麺を使用。国産チキンを100%使用したローストしょうゆの味わいの元祖鶏ガラスープに、練りごまとピーナッツバターのコク、唐辛子の辛みを利かせた別添オイルで「担々風」に仕上げた。具材は、肉そぼろ、チンゲン菜、すりごま、炒りごま、ネギ、赤唐辛子を採用している。内容量96g(麺85g)で、希望小売価格は205円(税別)。
2015年05月10日ニコンは5月7日、スイスのLonzaと日本における細胞受託生産に関する戦略的業務提携契約(Facility Support and License Agreement)を締結し、ニコンの100%出資で新会社を設立し、再生医療用細胞等の受託生産事業に参入すると発表した。同契約により、ニコンはLonzaの有する品質および生産システムを利用することが可能になるとともに、Lonzaから日本における受託生産設備構築などについてコンサルティングサービスの提供を受ける。ニコンの100%出資で設立する新会社の名称は「ニコン・セル・イノベーション」で、設立は2015年度上期、受託開始(一部稼働)は2015年度下期を予定している。新会社はマイクロスコープ・ソリューション事業部の傘下となる。ニコンは、2007年からインストルメンツ事業でiPS細胞をはじめとしたライブセル(生きた細胞)向けの細胞培養観察装置「BioStation CT」の製造販売を展開しているが、今回の事業参入により、日本の再生医療実用化の早期実現に貢献するとともに、自社の周辺領域への事業基盤の拡大を狙うとしている。さらに、将来のiPS細胞による再生医療市場の大きな飛躍に備え、高品質の細胞生産を最適化するために必要な機器および消耗品類の開発を行う構え。
2015年05月08日ニコンは5月7日、スイスLonzaと日本における細胞受託生産に関する戦略的業務提携契約を締結し、ニコン100%出資の新会社を設立し、再生医療用細胞などの受託生産事業に参入すると発表した。再生医療を取り巻く環境は、国内では薬事法改正法により早期実用化の期待が高まっているほか、欧米でも体性幹細胞を用いた再生医療への早期応用が見込まれる状況となっており、同社では、そうした環境を踏まえ、日本国内において高品質の再生医療向け細胞の受託生産ができる体制を構築することを決定したという。具体的には、再生医療向け細胞生産大手であるLonzaの有する体性幹細胞などの細胞生産ノウハウを習得し、将来のiPS細胞の再生医療の実用化に向けた取り組みを加速していく方針。同社では、2007年よりiPS細胞などのライブセル(生きた細胞)向け細胞培養観察装置「BioStation CT」の製造・販売を行ってきたが、将来のiPS細胞の再生医療の実用化には、製造工程における品質・安全評価の基準作りや運用方法の確立が必要となるほか、目的とする細胞への分化誘導の方法や大量細胞培養の必要性を考慮した、スケールアップのノウハウなどが求められていた。同社では、今回を機にコア技術である光学技術および画像解析技術を活用し、それらの課題に取り組むことで、再生医療用細胞などの受託生産事業の拡大を目指すとするほか、周辺領域への事業基盤の拡大も目指すとしている。なお、新設子会社の概要は以下のとおり。会社名:株式会社ニコン・セル・イノベーション所在地:検討中(京浜地区を予定)設立時期:2015年度 上期受託開始(一部稼働):2015年度 下期工場竣工:2017年度 上期出資:20億円(資本金 10億円、資本準備金10億円)
2015年05月08日近畿大学(近大)は5月7日、ES/iPS細胞など従来型の多能性幹細胞とは大きく性質が異なる、新規の多能性幹細胞である領域選択型エピ幹細胞の樹立に成功したと発表した。同成果は近畿大学農学部バイオサイエンス学科の岡村大治 講師らのグループによるもので、5月6日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載される。研究グループは今回、「(1)タンパク質FGF2、(2)小分子化合物Wntinhibitor、(3)無血清」という培養条件を満たすことで、着床前後のマウス胚から、領域選択型エピ幹細胞を樹立することに成功した。この条件下で培養したヒトES/iPS細胞を着床後のマウス胚の後極側(将来の下半身側)に移植すると、神経や筋肉の前駆細胞などに分化した。また、後極側に細胞塊を移植した時のみ定着・増殖・拡散・分化をするという、従来型の多能性幹細胞には見られない「領域選択性」を持つことが明らかになった。今回の研究成果は、ヒト多能性幹細胞から異種間キメラ胚が作製可能であること示すもので、ヒトの臓器をブタなどの動物に作らせる技術へ発展する可能性がある。また、ヒトの着床後の初期発生の理解につながり、流産を防ぐための治療法の開発にもつながることが期待される。
2015年05月07日私たちが1日=24時間で生活しているのは、何となくでも、感覚的にでもありません。体内に概日リズムを刻むペースメーカー細胞があり、そこが毎日リズムを刻んでいるからなのです。最近、その細胞の実態が明らかになったとのことです。ペースメーカー細胞を特定!私たちの脳には1日のリズムを刻む、いわゆる体内時計のペースメーカーとして機能する神経細胞があります。この存在は知られていたものの、最近までどの細胞がその役割を担っているのかは不明だったそうです。しかし、2015年3月にテキサス大学サウスウェスタン医学センターとの共同研究でその細胞をついに特定したと筑波大学が発表しました。その名前は「ニューロメジンS産生細胞群」。マウスの実験によって発見されたとのことです。まだ未知の部分も……研究チームは、概日リズムを刻む視交叉上核の神経細胞のうち、約4割を占める細胞に注目しました。それがニューロメジンSという神経ペプチドをつくる働きをしている細胞。この細胞の時計遺伝子の働きを操作によって乱すと、行動リズムが乱れることからペースメーカー細胞である、と結論づけたそうです。ただ、全貌が解明されたわけではなく、体内時計に関わる未知の神経伝達物質もあるのだとか。一般人の私には、とても難しい話ですが、とにかくまた一歩、私達の脳の謎が解明に近づいたということですね。睡眠障害の治療にも役立つ可能性私たちが気になるのは、それがわかったところで具体的に何がどうなるの?というところ。調べてみたところ、今回の研究によって睡眠障害の治療にも役立つ可能性があるそうです。ペースメーカー細胞は「睡眠と覚醒のリズム」を調整する役割を担っているので、今後、ますますメカニズムが解明されれば、睡眠障害で苦しむ人に朗報をもたらすかもしれませんね。これからも新たな事実が解明されることを期待しましょう! またわかったことがあれば、ここで取り上げてご紹介したいと思います!Photo by Derek D
2015年05月07日科学の進歩は病気で苦しむ人にとっては本当にうれしく、ありがたいことに違いありません。今回は、最新の研究によって明らかになったグリア細胞の働きに注目します。この新事実によって私たちはどのような恩恵を受けることができるのでしょうか?睡眠障害とグリア細胞の関係私たちの脳の中には「グリア細胞」と呼ばれる細胞が存在します。これは脳内の神経細胞以外の細胞のことで、脳の免疫の修復などさまざまな働きをしています。文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として行われたマウスを使った研究によって、このグリア細胞の機能不全が睡眠障害やうつ病にみられる異常行動を引き起こす、ということが判明したそうです。一体どのようなことなのか、研究内容をかみくだきながら少し詳しくみていきたいと思います。マウス実験で判明したこと人間の脳は、主に神経細胞とグリア細胞の2つで構成されていると言われています。数としては、グリア細胞のほうが多いそうですが、この細胞が精神疾患や神経疾患に対してどのような役割を担っているのかについてはわからないことがたくさんあったそうです。そこでグリア細胞を人為的に欠損させたマウスを用いて実験したところ、正常なマウスに比べてうつ病患者に多くみられる入眠からレム睡眠までの時間短縮やレム睡眠時間の延長などが現れたそうです。このことから、グリア細胞の機能不全が睡眠障害やうつ病の症状に似た異常行動を引き起こす可能性を示唆しているとの結論に至ったそうです。新たな抗うつ薬の開発に期待グリア細胞の働きが明らかになったことで今後は、現在の薬よりも副作用の少ない抗うつ薬の開発が期待されています。抗うつ薬の副作用で現在苦しんでいる人には、近い将来、うれしいニュースが届くかもしれませんね!この研究結果は昨年末、アメリカの科学誌 Journal of Neuroscience(ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス)のオンライン版で発表されたそうです。今後、ますます睡眠の研究は進んでいくことは間違いないでしょう。不眠や睡眠障害で苦しむ人達を少しでも助けられるような研究結果が発表されることを楽しみに待ちたいですね。Photo by David Compton
2015年05月06日熊本大学は4月30日、乳がん細胞がホルモン療法に対し耐性化する仕組みを明らかにしたと発表した。同成果は熊本大学発生医学研究所細胞医学分野の斉藤典子 准教授、中尾光善 教授らと、同大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野の冨田さおり 医師、岩瀬弘敬 教授、九州大学医学研究院の大川恭行 准教授らの共同研究によるもの。4月29日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載された。乳がん治療では、エストロゲンという女性ホルモンとその受容体の働きを阻害する薬剤が使用される。しかし、この治療を長期にわたり受けていると、がん細胞が薬剤に耐性をもって再発する可能性がある。再発したがんは周りの組織に広がっていったり、リンパ節に転移するなど難治性となってしまう。研究グループはエストロゲン受容体を作る遺伝子で、活性化すると乳がん細胞の中でエストロゲン受容体が過剰に働くようになることで知られるESR1に注目し、ホルモン療法が効きにくい状態におけるESR1遺伝子の変化を調査した。その結果、難治性の乳がん細胞ではエストロゲン受容体およびESR1メッセンジャーRNA の量が数倍に増加していた。また、核内のESR1遺伝子の近くに非コードRNAの大きな塊ができていることも判明。エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞では、ESR1遺伝子の近くに多量の非コードRNAが蓄積していると考えられた。この非コードRNAを調べたところ、難治性細胞においてESR1遺伝子の働きを高く維持していることがわかった。これらの研究結果から、エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞は、ホルモン療法によってエストロゲンを長期に枯渇すると、ゲノム中のESR1遺伝子とその周囲の部分から非コードRNAが誘導されて、エストロゲン受容体を多量につくるように変わることで、ホルモン療法に対して耐性化すると結論づけられた。なお、研究グループはポリフェノールの一種であるレスべラトロールが、その非コードRNAとESR1遺伝子の高発現を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制することを突き止めており、今後新しい乳がん治療の開発につながることが期待される。
2015年04月30日名古屋大学は4月24日、シロイヌナズナとう植物を用いた実験で、細胞死をもたらす新しい細胞融合現象を発見したと発表した。同成果は丸山大輔 YLC特任助教と東山哲也 教授らのグループによるもので、4月23日付(現地時間)の科学誌「Cell」のオンライン版に掲載された。花粉には精細胞を胚のうへと届けるための花粉管という細胞を持つ。花粉管は長い管状で、先端内部に2個の精細胞をもっている。花粉が雌しべに受粉すると、この花粉管が伸びて雌しべ内部へ入っていき、種の元になる胚珠と精細胞を届ける。この時に、卵細胞の隣に2つある助細胞が花粉管を正確に胚珠に導くための誘引物質を放出する。花粉管が胚珠にたどり着くと、片方の助細胞の破壊と引き換えに内部の2つの精細胞を放出する。このうち1つは卵細胞と受精し幼植物となる「胚」をつくり、片方は中央細胞と受精して胚への影響を供給する「胚乳」という細胞をつくる(重複受精)。この2つの受精の後で、生き残った方の助細胞は素早く不活性化され、花粉管の誘引停止が起こるが、その仕組について詳しいことはわかっていなかった。今回の研究では、受精後に残った方の助細胞の不活性化について調べるために、シロイヌナズナという植物を用いて、ミトコンドリアを緑色蛍光タンパク質(GFP)でラベルした助細胞の経時観察を行った。その結果、助細胞のミトコンドリアが隣に位置する胚乳へ移動することが判明した。電子顕微鏡で助細胞と胚乳を隔てる部分を調べると、受精前には無かった穴が発見され、受精後に助細胞と胚乳が融合し、助細胞の内容物が胚乳へと流れ出ていることがわかった。また、助細胞が作り出していた花粉管の誘引物質をGFPでラベルして観察したところ、誘引物質も胚乳へ移動しており、助細胞での濃度が急激に低下していた。したがって、細胞融合によって誘引物質の供給が途絶えることによって、2本目以降の花粉管が目標を定められない状態となっていることがわかった。さらに、助細胞の核を観察した結果、胚乳核の分裂に合わせて分裂しようとするものの、最終的に分裂できず変性することも判明した。これらにより、助細胞の不活性化は、細胞融合による誘引物質などの希釈と核の崩壊という二段階の仕組みで発生していると結論づけられた。植物の細胞は堅い細胞壁に覆われているため、卵細胞と中央細胞の受精以外で植物細胞同士が融合するとはこれまで考えられていなかった。また、成長過程での細胞死は、死ぬべき細胞自身が自殺プログラムを実行していると考えられていた。今回の現象は細胞融合によって融合相手が不活性化するという新しい細胞融合があることを示したもので、同研究グループは「教科書を書き換えるほどの成果といえる」としている。
2015年04月24日大日本印刷(DNP)は4月24日、理化学研究所(理研)と共同で、ナノレベルの微細加工技術を利用した細胞培養プレートを開発したと発表した。同成果は3月19日に行われた第14回日本再生医療学会総会で発表された。細胞移植治療では、培養過程で細胞の分化状態を識別し、異質な細胞を分離させ、良質で均質な機能性細胞を取り込む技術が重要となる。これまでは蛍光ラベルを付与し、溶液に細胞を分散させて分離していたが、処理によって細胞がダメージを受けてしまうことが懸念されている。今回の研究では、細胞の種類の違いで相性の良し悪しが顕著に異なる表面微細構造の同定に成功。この成果を活用し、ガラスの表面に100~300nm程度の微細な凹凸構造を施した細胞培養プレートを開発した。同技術によって、ダメージのない良質の細胞を得ることが可能だという。DNPは今回開発した細胞培養プレートを2016年から提供していく予定で、同プレートを使用した細胞培養装置なども開発していくとしている。
2015年04月24日日本エイサーは23日、IPS液晶の光沢パネルを採用する液晶ディスプレイとして、23型ワイドモデル「G237HLbmix」と、21.5型ワイドモデル「G227HQLbmix」を発表した。5月1日より発売する。価格はオープン。○G237HLbmix「G237HLbmix」は、ベゼルを極小とした「ゼロ・フレーム」デザインの23型ワイド液晶ディスプレイ。液晶パネルにIPS方式の光沢パネルを搭載し、表面には内外光の乱反射を軽減し映り込みを抑える「Crystal Briteテクノロジー加工」を採用。色彩豊かな映像を表示する。「ブルーライト」を軽減する機能も搭載。ブルーライト透過率を50~80%までの4段階で調整でき、フリッカーをなくす「フリッカーレステクノロジ」とあわせて、長時間使用しても眼精疲労が溜まりにくくなっている。主な仕様は、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、液晶パネルがIPS方式の光沢(グレア)、視野角が水平 / 垂直ともに178度、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(ACMオン時:100,000,000:1)、応答速度が4ms(GTG)。映像入力インタフェースはHDMI×1、D-Sub×1。スタンドのチルト角度が上15度 / 下5度。1.5W+1.5Wのステレオスピーカーを搭載する。本体サイズはW532×D185×H402mm、重量は3.0kg(スタンドあり)。○G227HQLbmix「G227HQLbmix」は、画面サイズが21.5型ワイドのモデル。画面サイズ以外の機能や仕様は「G237HLbmix」とほぼ共通。本体サイズはW499×D185×H384mm、重量は2.8kg(スタンドあり)。
2015年04月23日日清食品は20日、「日清カップヌードルごはん」「日清カップヌードルごはん シーフード」を全国でリニューアル発売する。○「カップヌードルごはん」を、具材を充実させリニューアル「日清のごはんシリーズ」は、インスタントラーメンの味を「ごはん」化した商品。米を一度炊き上げた後に高温高速で熱風乾燥したパフライスを、具材と味付けの素とともに電子レンジで水から炊くことで、独特の風味や食感が楽しめるという。今回、「カップヌードル」のリニューアルに合わせ、「日清カップヌードルごはん」と「日清カップヌードルごはんシーフード」も具材を充実し、さらにパッケージもロゴとシズルがはっきりと見えるデザインにリニューアルする。両商品とも、ライスは米一粒一粒が立った、コシのある食感が楽しめるごはんを採用。味付はスープの味だけでなく、「カップヌードル」「カップヌードルシーフードヌードル」の麺の味やフライした風味までこだわり、忠実に再現した。「日清カップヌードルごはん」は、ローストしょうゆとペッパーのアクセントで、「日清カップヌードルごはん シーフード」は、ポークや魚介のうまみと紅しょうがのアクセントで特徴付けた。具材は、「日清カップヌードルごはん」は、コロ・チャー、エビ、ネギ、たまごに存在感のあるダイスミンチを追加。「日清カップヌードルごはん シーフード」は、ゲソイカ、キャベツ、たまご、ネギに、口当たりの柔らかいイカの胴部分を追加し、カニ風味かまぼこを増量している。希望小売価格は、ともに220円(税別)。
2015年04月19日京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と武田薬品工業(武田薬品)は4月17日、心不全、糖尿病、神経疾患などにおけるiPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究契約を締結したと発表した。「T-CiRA(Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications)」と名付けられた同提携のもと、iPS細胞技術を用いた創薬研究や細胞治療に関する研究プロジェクトが実施されることになるという。京都大学の山中伸弥 教授が研究全体を指揮し、武田薬品は10年間で200億円の資金および研究運営に関する助言を提供するほか、神奈川県・藤沢市の湘南研究所内の研究設備を提供する。研究人員は全体で100名程度を予定しており、CiRAと武田薬品から50名程度が参加する。当初の研究分野として可能性の高いものには心不全、糖尿病、精神神経疾患、がん免疫療法などが挙げられており、共同研究の進展と共に新たなプロジェクトを追加していく。同研究が軌道に乗った段階では、10件前後のプロジェクトが同時進行することになるという。
2015年04月17日産業技術総合研究所(産総研)と和光純薬工業は4月10日、移植用細胞から腫瘍の原因となるiPS細胞やヒトES細胞を除く技術を開発したと発表した。同成果は産総研創薬基盤研究部門の舘野浩章 主任研究員、平林淳 首席研究員、幹細胞工学研究グループの小沼泰子 主任研究員、伊藤弓弦 研究グループ長と、和光純薬工業試薬化成品事業部 開発第一本部 ライフサイエンス研究所の共同研究によるもので、4月9日(現地時間)の米科学誌「Stem Cell Reports」オンライン版に掲載された。ヒトiPS/ES細胞はあらゆる細胞に分化能力を持つ。しかし、全てのヒトiPS/ES細胞を目的の細胞に分化させることは難しく、一定数の未分化な状態のものが残ってしまう場合があり、移植後に腫瘍を形成してしまう可能性がある。そのため、移植用細胞からそうした細胞を取り除く必要があるが、従来の方法では1つ1つの細胞に解離してから特殊な装置を用いるため、細胞シートへの適用ができない、処理速度が遅い、移植用細胞の生存に悪影響を与える可能性があるなどの課題があった。今回の研究では、rBC2LCNというタンパク質がヒトiPS/ES細胞に結合した後に、細胞内に取り込まれるという現象を発見。そこで、細胞内に取り込まれるとタンパク質合成を阻害し細胞死を引き起こす毒素をrBC2LCNに融合させた組換えタンパク質を開発した。この組換えタンパク質を細胞培養液に添加すると、分化した体細胞の増殖や生存には影響を与えずに、未分化なヒトiPS/ES細胞を選択的に除去することができた。この組換えタンパク質は細胞をあらかじめ分離するといった前処理も必要なく、細胞培養液に添加するだけで選択的にヒトiPS/ES細胞を除去できるため、大量の細胞や細胞シートなどへの適用も可能だという。同技術は1年以内の実用化が予定されており、再生医療に用いるヒトiPS細胞由来の心筋細胞などの細胞製造への適用性を検証することで、再生医療の安全性向上につながることが期待される。
2015年04月10日細胞から美しくなれる旅春の行楽シーズンが到来した。旅行の計画を立てるのなら、健康に美しくなれる滞在プランを選択してみてはいかがだろうか。4月6日、TBソアラメディカルは、ハウステンボスにおいて、細胞から美しくなれる“5ステイプラン”を同日より新発売したと発表した。ハウステンボスでは2015年より「健康の王国」がスタートし、ストレスの解消をはじめ、体質改善やメンタルヘルスケアなどに力を入れた“新しい旅”を提案している。空・風・火・水・地をコンセプト同プランでは五元素の空・風・火・水・地をコンセプトに、悩み別にプランを用意した。「空プラン」(断食・リセット)、「火プラン」(冷え取り・毒出し)をチョイスすれば、体調や体質の改善が期待できる。また、美容効果をねらうのなら「風プラン」(ヘルシーエイジング・美肌)、「水プラン」(代謝アップ)もいいだろう。心身ともにリフレッシュをしたいのなら「地プラン」(睡眠爽快・セルフケア)がおすすめだ。全プランで人気の免疫温熱浴全てのプランでスターター施術として、人気の免疫温熱浴を導入しているのも嬉しいポイントだ。現代女性の冷えた体を、芯から温めてくれる。人気スポットのハウステンボスで楽しみながら、健康的に美しくなる。女性には必見の旅行プランといえそうだ。(画像はプレスリリースより)【参考】・TBソアラメディカル プレスリリース
2015年04月08日