意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「能登半島地震2避難の課題」です。1次産業従事者が多いからこそ、難しい県外避難。能登半島地震は、発生から1か月経った2月5日現在、石川県内で約3万9000戸が断水、能登地方では約1800戸で停電が続いており、厳しい生活を強いられています。石川県内の避難所で生活をしている人は約1万4000人います。生活を立て直すまで、ホテルや旅館などの2次避難先に移ることを県は推奨しています。しかし、県内と隣県の施設に5000人以上が移ったほかは、27都道府県に確保した2万人以上分の受け入れ先は利用されていません。それは、被災した能登の多くの人が第1次産業の漁業や畜産業、伝統工芸など、土地に根付いた仕事に就いているため、土地を離れると生業そのものを失うからです。僕が取材に行った時にも、家も牛舎も傾いた危険な状況にもかかわらず、牛を置いていけないと語る被災者の方がいらっしゃいました。地域をいつくらいまでに再生させるなど、将来の復興計画を示さなければ、土地を離れたら戻ってこられないのではないかと、遠くに避難することを躊躇してしまいます。若い世代も、自分たちの故郷が将来、失われてしまうのではという不安を抱えています。短期的な緊急支援とともに、長期的な町の復興支援を考えなければいけません。もう一つ明らかになったのは、老老避難の問題です。高齢者がさらに高齢の住民を避難させ、避難所でサポートしなければいけない。輪島市のある地区では、76歳の区長が町内では若手として避難所の運営を任されていました。これまでの豪雨災害や土砂災害でも、高齢者から優先的に避難を促されましたが、実際には避難したくても動けないという問題が頻出していました。能登では、心を病む、持病が悪化するなど、災害関連死の問題が深刻化しています。避難所の環境も良いとはいえません。学校の体育館を避難所にすることが多いですが、ダンボールを敷いたところで冷たい床で快適に過ごすのは至難の業です。これだけ災害の多い国ですから、既存の施設を避難所に転用するのではなく、避難のための施設をきちんと整備して、逆にそれを平時にどう利用するかという発想に転換する必要があるのではないでしょうか。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2024年2月28日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2024年02月24日横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、横浜市消防局協力のもと、大さん橋ホールにてイベント開催時の災害を想定した公開避難訓練「大さん橋避難訓練コンサート」を2024年3月25日(月)に開催します。横浜市消防音楽隊※横浜市消防音楽隊提供会場イメージご来場いただいたお客様にご参加していただく「参加型」の避難訓練です。「横浜市消防音楽隊」によるコンサート中の地震発生を想定し、当館スタッフの誘導のもと避難を体験していただきます。避難訓練の前後には消防音楽隊の演奏をお楽しみいただけます。横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、安全・安心にお過ごしいただける施設を目指しております。今後、発生するかもしれない大規模災害に備え、災害に対する心構えと行動について考える日としたいと思います。いざという時の為に、ぜひご参加ください。【開催概要】場所 :大さん橋ホール日時 :2024年3月25日(月) 開場13:30 開演14:00(15:30終演予定)出演 :横浜市消防音楽隊内容 :コンサート開催中の地震発生を想定した避難訓練を行います。参加方法 :参加無料。事前申込あり。参加申込はFAXまたは公式ホームページ(以下、HP)から。募集人数250名程度 ※申込多数の場合は抽選。※申込締切:3月5日(火)主催 :横浜港大さん橋国際客船ターミナル(指定管理者:一般社団法人横浜港振興協会)協力 :横浜市消防局注意事項 :・本公演の趣旨にご賛同いただき、公演中に行われる避難訓練に参加していただける方。・動きやすい服装と履物でご参加ください。・報道機関等の取材がある場合がございます。・天候、事故、災害や社会情勢などにより、開催を中止することがあります。開催中止の際は、公式ホームページでお知らせしますお問合せ先:横浜港大さん橋国際客船ターミナル 総合案内 045-211-2304HP 【アクセス】アクセスマップ横浜港大さん橋国際客船ターミナル〒231-0002 横浜市中区海岸通1-1-4■電車でお越しの方・みなとみらい線「日本大通り駅」下車 徒歩7分・JR/横浜市営地下鉄「関内駅」下車 徒歩15分 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月22日オフィスや学校など、さまざまな公共の場で必ず目にする避難経路図。地震や火災などの災害が発生した際に必要な避難口や、避難階段、避難器具の設置場所などを利用者に伝えるものです。いざという時のために、事前に確認しておくと安心ですよね。ホテルの避難経路図をよく見ると…?バス・バリトン歌手として活動している、新見準平(@jump_213_ei)さんは、宿泊先のホテルで避難経路図を目にしました。一見なんの変哲もない経路図ですが、よく見ると『おかしな点』があることに気付いたそうで…。「このホテル、胃か何か落ちてる?」そこに書かれていたのは『消火器』ではなく『消化器』!消火を行うための消防用設備である『消火器』の設置場所を示すはずが、誤字によって、食道や胃といった食物の消化や吸収に関係する臓器である『消化器』が落ちているかのような状態になっています…。パッと見ただけでは分かりづらいものの、間違いに気付くとじわじわと笑いがこみ上げますね。新見さんが写真をX(Twitter)に投稿したところ、さまざまな反響が寄せられました!・よく消化されずに出て来られましたね…。・コーヒーを吹きました。きっと食堂(食道)へ通じるんだと思います。・そのポイントに行くと消化されてしまう!・ミステリー小説の本に書いてあるやつだ…。犯人は、何かのイベントで集められた宿泊客の誰かに違いない。たったひと文字の違いで生まれたシュールな状況に、さまざまなストーリーを想像してしまう人も多かった様子。実際に『消化器』が示された場所に行って、何があるのかを確認してみたくなりますね![文・構成/grape編集部]
2024年01月30日2024年1月1日、石川県能登地方を震源に発生した、令和6年能登半島地震。大地震から半月以上が経過した同月19日現在も、石川県内で避難所生活を送っている住民が数多くいます。避難所生活では、大量に発生するゴミを日々処理しなければなりません。避難住民が多いほど、ゴミ箱の数が不足することもあるでしょう。警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)のX(Twitter)にて、『あるもの』を活用したゴミ箱の作り方が公開されました。警視庁発!超簡単なゴミ箱の作り方警視庁のXによると、丸椅子とゴミ袋さえあれば、簡単にゴミ箱を作ることができるのだとか。作り方の参考となる画像を添えて、分かりやすく解説されています。避難所では、ゴミが沢山出てゴミ箱が足りなくなります。そのような場合は、丸椅子があると便利です。写真を参考にしてください。椅子を逆さまにして、脚の部分にゴミ袋を被せれば完成です。ゴミ袋を広げて置ける土台になるものなら、椅子の形状は問いません。 pic.twitter.com/GylBJN00RA — 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) January 15, 2024 ゴミ箱作成の手順筆者は、警視庁の投稿を参考にしながら、丸椅子とゴミ袋を使用してゴミ箱を作ってみました。まずは、丸椅子を用意します。続いて、ゴミ袋の準備です。丸椅子の脚に引っ掛けられるサイズのものを用意しましょう。最後に丸椅子を逆さにして、脚にゴミ袋を被せるだけで完成です!なんと、一連の作業にかかった時間はたったの5秒。速く簡単に作れてしまうので、負担を感じることなく量産できそうですね。今回は丸椅子を使用しましたが、警視庁いわく、ゴミ袋を広げて置ける土台になるものであれば、椅子の形状は問わないとのこと。警視庁が公開したゴミ箱の作り方には、「なるほど!」「ライフハックだ」などの声が寄せられました。避難所生活をしている人はすぐに実践できる、ゴミ箱の作り方。災害時の備えとしても、ぜひ覚えておきたいですね。警視庁はXを通じて、避難所生活などに役立つライフハックを日々発信しています。災害時の知識を蓄えたい人は、警視庁のXアカウントを日常的にチェックしてみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2024年01月19日2024年1月1日16時過ぎに発生した、石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震。被災地では、家屋倒壊や大規模火災などの被害に見舞われ、多くの人が住まいを失い、避難所で生活をしています。避難所で役立つライフハック冬の避難所は、厳しい寒さとなっており、低体温症にかからないよう、注意が呼びかけられています。『低体温症』とは、深部体温が35℃以下になるもので、激しい震えや感覚の麻痺など、身体の機能を保てなくなる症状です。また、避難所では騒音やプライバシーの問題などもあり、慣れない生活環境に不安を抱く被災者は少なくないでしょう。ライフハック情報をX(Twitter)で発信している警視庁警備部災害対策課は、被災者が安楽に過ごせるように、避難所で役立つダンボールの活用術を紹介しました。ダンボールに頭部を入れる避難所での防寒対策が紹介されていましたが、防寒だけではありません。この方法により目の前が暗くなり、周囲の音も防げて就寝しやすくなります。また、貴重品を入れておくと、盗難防止、さらに地震等により避難する際は、頭部を守ることもでき、貴重品も忘れず持ち出せます。 pic.twitter.com/qyZRbIAWTm — 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) January 9, 2024 頭部が入るダンボールを用意するだけで、就寝時の防寒、防音のみならず盗難防止や頭部の保護など、多方面で活躍してくれます。同アカウントが紹介した方法は、環境が大きく変化する避難所生活で、安心感や生活リズムを保つ助けになることでしょう。警視庁のシンプルながら、画期的な防災知識に、ネットではこのような声が寄せられていました。・避難所の体育館は、就寝時間でも明るくて眠れなかったので、助かります!・頭部保護や光を遮るのに適してますね。試してみます。・他人と生活する避難所では、音が気になるのでいいかも。・保温性や遮音性がある上、寝顔を見られないのも安心する。警視庁の紹介する方法により、苦しい生活を余儀なくされている被災者の生活が、少しでも改善されるといいですね。1日でも早く、安心して暮らせる住環境が整うことを願うばかりです。[文・構成/grape編集部]
2024年01月12日2024年1月1日の午後、石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震が発生しました。家屋倒壊や地割れなど甚大な被害が報告されており、多くの被災者が避難所生活を余儀なくされています。冷え込みが厳しい真冬の時期に避難所生活を送ることは、被災者にとって心身ともに大きなストレスがかかるでしょう。同日、靴下やタイツを販売する『tabio』や『靴下屋』などを運営しているタビオ株式会社は、X(Twitter)に防寒対策を投稿。避難所で足先が冷える際の温め方を紹介しました。避難所で足先が寒い場合は、つま先を温めるのではなく、足首を温めてください。そちらの方が効率的に暖かくなります。また、靴下が濡れた場合は脱いで下さい。熱を奪います。— Tabio 靴下屋 (@Tabio_JP) January 1, 2024 投稿によると、足先が寒い場合は、足首を温めるとより効率的に暖かくなるとのこと。また、靴下が濡れていると体温を奪われてしまうため、すぐに脱いだほうがいいといいます。実際に筆者が手元にあったタオルを片方の足首に巻いてみたところ、巻いていないほうに比べてかなり暖かく感じました。※写真はイメージタビオ株式会社の投稿は拡散され、「知らなかった。これは記憶しておこう」「『靴下』目線の素晴らしいライフハックですね」「さすがです。足首、手首など『首』が付くところは暖まりやすいのかも」などの反応が寄せられていました。足先の温め方を知っておくと、災害時はもちろんのこと、普段の生活で冷えを感じた時にも役立ちますね。近年は、足首用のカイロやレッグウォーマーなども販売されているため、いざという時のために購入しておくといいかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2024年01月03日皆さんは自宅が断水してしまったことはありますか?今回は、大きな地震で避難したときのトラブルエピソードを紹介します。イラスト:おかずマンションの6階で地震…揺れがおさまっても…避難したが…数日後…大きな地震がきて避難し、帰宅後に水が出ていてその金額にも驚いてしまった主人公。水が床に漏れていなくてよかったです。日ごろから家の中の設備を確認して整えておくとよいかもしれませんね。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(CoordiSnap編集部)
2023年11月08日記録的な大雨や大型台風、さらには巨大地震。そんな避難レベルの驚異的な災害が日常を襲った時、どんな行動をしますか。避難する際、身の安全を確保することがなによりも大切ですが、それと同じくやっておくべきことがあります。それは、「ブレーカーを切る」というシンプルなこと。実はこの行動が、二次被害を食い止めるカギとなるのです。二次被害対策!ブレーカーを落として火災防止関西電力送配電株式会社はホームページで、家の外に避難する場合、分電盤のブレーカーは切ってから出るよう呼びかけています。その理由は、地震が起きても、電気設備に異常がない以上、各家庭に電気は送り続けられていることにあります。電気の消し忘れだけでなく、避難時に停電していたが、避難中に復旧して家電が再稼働するという状況になれば、火事や事故につながる恐れがあるのです。例えば、洋服を掛けたハンガーラックが電気ストーブの上に覆いかぶさったり、家具家電の転倒により電気コードが損傷していたりすると、火災の原因になってしまいます。こういった二次災害を防ぐため、家の外に避難する際は、分電盤のブレーカーは切ってから出るようにしましょう。地震後は電気による火事が多い公益社団法人東京電気管理技術者協会によると、阪神・淡路大震災では、地震発生直後だけでなく、その後10日間に175件もの火災が発生。そして、その原因としてもっとも多かったのが、電気にかかわるものといわれています。災害時は停電も発生しやすいため、避難する時にはすでにすべての電気が消えているかもしれません。焦りや不安もあり、なかなか電気に関して意識が向かない傾向にあります。また、すべてのコンセントを抜いてから、というのも時間がかかりますし、漏れもあるでしょう。「避難時にはブレーカーを切る」これだけを覚えて実践するのが、確実です。災害時の避難は、自身や家族の命を守るためのもの。だからこそ、二次災害を防ぐためのブレーカーの切り忘れは絶対に避けましょう。避難の際は、身を守りつつ、まずブレーカーを確認し、安全を確保してから行動しましょう。[文・構成/grape編集部]
2023年09月07日【前編】「戦争で傷ついた日用品をアート作品に」ウクライナ避難民女性が創作に込める“願い”より続く昨年2月のロシア軍の侵攻以来、ウクライナでは多くの民間人が犠牲になった。今年4月の国連人権高等弁務官事務所の発表によれば、その数は約8千500人にものぼる。同事務所は「氷山の一角で、実際の死者はさらに多い」とも。現在の日本には、戦禍を逃れてきた2千400人以上の避難者が暮らしている。「去年の2月24日、私たち家族はキーウにいました。朝の4時ぐらい、爆撃の音で目が覚めたんです」あの日のことを、こう振り返るのは、現在は大阪・堺で、夫や子どもたちと避難生活を送るアンサリー・リュボフィさん(48)。イラン出身のメフティさん(43)と結婚し、3人の子宝にも恵まれ、リュボフィさんの母とともにキーウ郊外で、幸せな家庭を築いていた。しかし去年2月、ロシアから飛んできたミサイルが、その幸せを打ち砕いた。自宅のすぐ近くにミサイルが落ちたこともあったという。「自宅から目と鼻の先にあったショッピングモール。よく買い物に行った場所です。そこにウクライナ軍の迎撃ミサイルが置かれている写真を、誰かがSNSにアップしてしまって。それでロシア軍に狙われたんです」戦争は家族の思い出も、慣れ親しんだ日常も、容赦なく破壊した。集合住宅の地下から、夫が調理師として働いていた郊外のリゾート施設へ、家族は迫り来る爆撃をかいくぐるように移動した。スナック菓子で飢えをしのぎながら西へ、西へと移動。そして、スロバキアとの国境近くで、リュボフィさんたちは夜行列車に乗った。「母と、すでに結婚している私の長女は、キーウに戻ることを選びました。だから、2人とは国境の駅で別れました。でも、映画のセリフのような言葉を交わす余裕はそのときはありませんでした。空爆の恐れがあるので、列車内では明かりをつけたり携帯電話の電源を入れることも禁じられて。窓から遠くに落ちるミサイルの火が見えて、とても恐ろしかった」まず目指したのは、夫の親族がいるドイツ。総動員令下ではあったが、当時は、60歳以下の男性でも、子どもが3人以上いれば特例として移動を許されたという。「ドイツに着くと、日本で長年暮らしている夫の友人と連絡が取れて。日本がウクライナの避難民を受け入れているという話を聞いたんです。ただ、その友人は『本当に受け入れてくれるかどうかはわからない』とも。私たちは半信半疑の気持ちで、日本大使館の門をたたいたんです」幸いにも、ビザはすぐに下りた。情報をくれた日本在住の友人が、身元保証人にもなってくれた。こうして昨年7月、リュボフィさんたちは空路、日本に向かった。現在、リュボフィさんたちが生活しているのは、堺市の市営住宅。来日後、2カ月間は日本語学校に通いながら、近所を散策し、日本での生活に慣れる訓練をした。その後、末娘・アニータさん(9)は地元の市立小学校に編入。いっぽう、リュボフィさん夫妻、それに長男・ラミンさん(16)は仕事を探していた。夫の友人の協力もあって、3人は昨年10月から、回転寿司チェーン「くら寿司」の寿司ネタを作る加工場で働いている。「商品として提供するために魚を切る仕事です。はじめは不安もありましたけれど、少しずつ慣れてきました。家族一緒に同じところで働かせてもらえるのはありがたいです。ずっと下を向いて作業を続けるのは大変ですが、休み時間には職場の皆さんに日本語を教えてもらったり、私たちがウクライナ語を教えたり。カタコトの英語と身振り手振りでお話もできて、楽しく仕事をさせてもらっています」慣れない日本での生活。とはいえ、仕事も見つかり、リュボフィさんたち家族にも、少しずつ笑顔が戻ってきた。だが戦争は、彼女たちが祖国を離れて1年以上がたったいまも終わる気配すらない。「アニータは、通訳の方が週2日、一緒に登校してくれて、なんとか勉強にもついていけています。でも、自分だけまわりの子とは違うというのを感じているようで……」リュボフィさんは顔を曇らせる。それは、アニータさんがときおり、涙ながらにこう訴えるから。「早くウクライナに帰ろうよ」娘の言葉に、父母は言葉を失いそうになるという。「なだめすかすようにして『あと半年だから』とか、『あと1年だけ我慢して』と話すのが精いっぱいで。私のその言葉に、アニータはさらに激しく泣きじゃくってしまいます。親として、本当につらいです」リュボフィさん自身、いまも突然涙があふれてくることがある。「テレビやインターネットは基本的に見ません。つらいニュースに触れたくないから。見てしまうと夜、眠れなくなります。ウクライナのことを考えて、落ち込んで、頭が痛くなることもあります」祖国を離れる決断を下したころは「秋には帰れる」と思っていた。秋になり、日本で仕事を得たころには「来年春には、きっと戦争も終わる」、そう信じていた。「国からこんなに遠く離れて、これほど長い時間過ごした経験はありません。故郷に残してきた母や長女が心配でなりません。母はもう86歳になってしまいました。第二次世界大戦も経験した母は『私は生まれたときも、死ぬときも戦争なんだね』と、悲しい声で電話してきます。そんな母の言葉を聞くのも、とてもつらいです。戦争が終わって平和になったウクライナの家で、昔のように家族みんなで暮らす、それが何よりの願いです」彼らは前を向いて生きる。8千キロ離れた祖国に、平和が訪れる日を信じてーー。
2023年07月30日ウクライナにおける危機により被害に遭われた方々、避難を余儀なくされている方々に、心よりお見舞い申し上げます。ライフコーポレーションでは、「大阪市ウクライナ避難民支援」に関して、大阪市より感謝状を受領いたしました。当社は、ウクライナからの避難者の方々への支援として、布団やタオル、食器などの生活物品一式を2022年12月に提供しております。引き続き当社は、地域を支えるスーパーマーケットとして、自社事業に関連した支援を継続し、安全・安心な生活の一助となれるよう努めてまいります。■支援内容提供内容:布団やタオル、食器などの生活物品一式(16品目)提供数:25名分 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月07日大きな災害が発生すると、避難しなければならない状況に陥ることがあります。そんな時に必要になるのが、防災グッズです。ぱやぱやくん(@paya_paya_kun)さんがTwitterで発信した、防災グッズに関する投稿が、大きな反響を呼んでいます。避難生活に備え、用意しておくべきものとは?避難生活を想像すると、まず食料や飲料の確保を重要視する人が多いことでしょう。もちろん、飲食物も大事ですが、避難生活に備えて用意しておくべきものが、ほかにもあるそうです。災害用の非常食には「チョコラBB」などのビタミン剤も一緒に入れておきましょう。理由は保存食にはビタミンが足りないので、数日たつと口内炎だらけになるからです。また歯ブラシも準備しておかないと、口内環境が悪くなるので注意が必要です。災害時も口の健康を忘れないでください。— ぱやぱやくん (@paya_paya_kun) January 17, 2023 非常食というと、代表的なものとして乾パンやレトルト食品などがあります。これらは、保存しておける期間が長いメリットがありますが、栄養バランスが最適というわけではありません。食事の中心が保存食である日が続くと、ビタミン不足により、口内炎になるなどの不調をきたすのだとか。また、歯磨きをしないことによる口内環境の悪化も注意しないとけません。一般的な防災グッズにビタミン剤と歯ブラシの2点を追加して、被災時も『口の健康』を保つことが大切なのですね。【ネットの声】・今防災バッグに入れました!保存食の栄養まで知恵が回りませんでした…。・いいことを知った。ビタミンは盲点…!・被災した時、野菜が手に入りにくかったから、ビタミン剤は大事かも。・家族のためにも、用意しておこう。災害が起こらないことが一番ですが、いつ何が起きるかは、誰にも分かりません。口の健康を保って、避難生活によるストレスや不安を少しでも軽減しましょう。[文・構成/grape編集部]
2023年01月25日工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)は、避難所などで個人空間を提供するダンボールシェルターと、歴史的建造物の延焼を防ぐ技術の2件を、「危機管理産業展2022」(主催:株式会社東京ビッグサイト、特別協力:東京都)にて公開します。同展示会は、防災・減災・BCP・事業リスク対策・セキュリティを主なテーマとし、国・自治体・一般企業の危機管理担当者が来場するため、社会実装促進を目的に展示します。避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(1)避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(2)避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(3)工学院大学は、2011年に日本初の建築学部を開設し、3学科12分野で建築学を幅広く網羅した教育・研究を行っています。産官学連携による技術移転に力を入れており、JSTや地域が主催する産学マッチングイベントに積極的に出展しています。今回公開する2件は、いずれも企業との共同研究による成果です。1件目のダンボールシェルターType2は、2011年3月の東日本大震災をきっかけに始まったダンボール家具シリーズの一つで、避難所で個人空間を確保することを目的に、鈴木敏彦教授(建築学部建築デザイン学科)が大幸紙工株式会社と共にデザインと利便性を追求した形状です。2件目の高粘度液体を用いる消防技術は、茅葺き屋根など伝統的建造物における発災時の延焼防止・燃焼抑制効果を発揮します。総務省消防庁の令和元年度および2年度消防防災科学技術研究推進制度研究課題として、後藤治教授(総合研究所)と田村雅紀教授(建築学部建築学科)が能美防災株式会社と研究を進めました。いずれも実装による効果が高く見込まれることから、提携企業と研究課題採択官庁のブースで紹介します。燃焼抑制効果が見込まれる高粘度液体を使った実験■危機管理産業展2022概要日時 : 2022年10月5日(水)-7日(金) 10:00-17:00会場 : 東京ビッグサイト 西1・2ホール工学院大学関連ブース番号【1R21】大幸紙工株式会社(内容:ダンボールシェルターType2)【1S28】総務省消防庁(内容:「高粘度液体を用いた木造密集市街地及び伝統的建造物の消防技術の開発」)参加費 : 無料、完全事前来場登録制公式サイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月29日■前回のあらすじ引っ越し先の近所には親戚の叔母さんが住んでおり、久しぶりに再会します。するとやつれた姿のあゆみを見て、異変を感じる叔母さん。「すべてを話して」と言われ、夫のモラハラ行為をすべて打ち明けると、叔母さんの家に来るよう促されるのでした。■夫がいない間に叔母さん宅に避難■警察からの連絡を受け、あゆみは…周りに事情を説明したことで、ようやく自分が置かれていた状況を理解するあゆみ。モラハラ夫から離れるため、少しずつ前進していくのでした。次回に続く「優しかった夫の裏の顔」(全35話)は21時更新!
2022年08月11日マンションに住んでいると、部屋によってはバルコニーに「避難はしご(避難ハッチ)」が設置されています。避難はしごは、災害など緊急時に玄関から出られなくなったときや、階段・エレベーターが使えなくなったときに階下へ避難するための大切な設備です。避難はしごについて「普段目にしているけど、詳しい使い方は知らない」「避難はしご付きのバルコニーは見た目が気になる…」といった声もお聞きします。避難はしごの使い方は蓋の部分に書かれていることが多いため、使用するときに大きく困ることはありません。しかし、もしものとき、焦らず対応するために使い方を確認しておくことは大切です。今回は、いざというときの避難はしごの使い方と、避難はしごが設置されているバルコニーの美観を高める方法をご紹介します。いざというとき、正しく使えますか?避難はしごにも種類があり、マンションに設置される避難はしごの多くは「ハッチ用つり下げはしご」と呼ばれるタイプです。これは避難ハッチと呼ばれるスペースに格納されたはしごが階下に下りる仕組みになっています。今回はこちらのタイプの使い方をご紹介します。使い方の3ステップ1.蓋のロックを解除して開けるまずは避難はしごの蓋を少しずつ持ち上げましょう。ただし、事故防止のためフックやチェーンによるロックがかかっているので、蓋は途中で止まります。数センチ持ち上げたらロックを解除し、蓋を開けてください。ロックの場所は蓋の表面に三角形や四角形などのシールが目印になります。2.蓋を全開にして固定し、はしごを下すロックを外したあとは蓋が固定されるまで全開にしてください。固定できたら次は避難はしごを下ろします。このとき、避難ハッチは下側にも蓋があるのですが、上の蓋を開けると自動的に下蓋とはしごが開くタイプや、下蓋を開放したあとにボタンを押してはしごを下ろすタイプなどがあるので、取り扱い説明書で確認しておきましょう。3.ゆっくりと下に降りる避難はしごを無事に展開できたら下に降ります。避難はしごは不安定なので1段ずつゆっくりと降りましょう。降りるときは避難はしごの両側を持つのではなく、足を乗せるステップ部分を両手でしっかりと掴みます。また、サンダルだと避難しにくいので、動きやすいスニーカーを準備しておくと、いざというときに安心です。迅速な避難のために。避難はしごで注意したいことは?避難はしごは安全のための大切な設備ですが、バルコニーの床から出張って銀色に光っているため結構目立つ存在です。そのため避難ハッチがあるバルコニーは、美観が気になる方も多いのではないでしょうか。しかし、見た目が気になるからといって重い家具やウッドデッキを上に置いて避難はしごを隠してしまってはいけません。移動させるのに時間がかかるものは、避難の妨げになるため置かないように注意しましょう。手早く美観を高めるなら、まずはラグがおすすめ避難はしごは隠せないとはいえ、おしゃれにするには少し目につくのも確かです。そんなとき、ラグはバルコニーの安全性を損なうことなく、避難はしごをさっと隠せるアイテムです。1枚敷くだけでバルコニーをおしゃれな印象に高めてくれますし、軽いので避難時にはサッと取り払うだけなのでおすすめの方法です。なかには、もっとバルコニーを素敵にしようと、ウッドデッキやバルコニータイルの設置を考えている方も多いのではないでしょうか。最近は市販品のデッキ材やタイルを購入してご自身で設置する方もいらっしゃいます。ただし、避難はしご付きのバルコニーに床材を設置する場合、蓋の開閉に注意が必要です。床材で避難はしごを上から覆ったり、避難はしごの周囲にびっしりと敷いた結果、避難はしごの蓋を開ける取手部分と床材が緩衝して、うまく開かないケースも見られます。うまく設置できたと思ってそのままにしておくと、緩衝に気づかずいざというとき避難できないことにもなりかねないので、きちんと蓋が開くかは必ずチェックしておきましょう。安全性と美しさを実現するクレガーレなら安心セキスイのクレガーレなら、周辺部材も豊富なため、避難はしごの周囲をすっきりと仕上げられます。タイルで納める場合は、避難はしごの蓋の開閉や取手の持ち手に影響がないように、必要なすき間に合わせてタイルをカットすることもできます。また、設置条件に応じて、幅調整材やプラスチックネットなどの専属部材を使って美しく仕上げることも可能。ご自身で床材を設置して、避難はしごのまわりや、排水パイプ周辺に微妙なすき間ができてしまった、ということがないので安心ですね。さらに、バルコニータイルを設置することで、床と避難はしごの蓋の段差を小さくすることができます。バルコニーの床全体がフラットに近づくので安心して歩行でき、避難はしごの存在感を抑えた一体感のあるバルコニーに変えられます。避難はしごのあるバルコニーもクレガーレを敷くことで、すっきりとした美しい空間に変わります。自宅バルコニーにある避難はしごが気になっている方は、しっかりと安全性に考慮したクレガーレで、安心で快適なバルコニーライフを始めてみませんか。バルコニーの見積もりはこちらから
2022年07月28日“災害列島”ともいわれる日本。地震だけでなく、これからの季節、大雨や台風による水害にも気をつけなければならない。万が一災害が発生したら、避難所の存在は非常にありがたいものだが、いざ避難所での生活が始まると、女性ならではのさまざまな問題が浮かび上がってくるという。実際の避難所生活は「イヤなニオイとの闘い」というのは、防災士の柳原志保さん。柳原さんは東日本大震災で被災し、避難所暮らしを余儀なくされた。その際の経験から、「不便でも我慢をするのが当たり前で、女性の視点が反映されていない」と痛感。後に防災士の資格を取得し、現在は防災啓発のため講演活動を続けている。当時、3月11日の地震発生直後から約2週間、母と2人の息子とともに、宮城県内の避難所に身を寄せた。そのときの光景は今でも脳裏に焼き付いているという。■女性の立場から見えた“本当に必要なもの”「いちばん困ったのはトイレ。避難所のトイレが排せつ物であふれてしまい、ニオイが室内まで充満して本当に苦しい思いをしました。でも、仮設トイレの設置までは、女性は外で用を足すわけにはいかない。凝固剤が入っている袋の中で用を足す持ち歩きタイプや、便器取り付けタイプの携帯トイレは必須だと思いました」(柳原さん)とっさに持ち出した荷物は、ティッシュとハンカチ、財布、携帯電話などが入ったバッグのみ。着のみ着のままで、逃げるのがやっとだった。避難所に物資が届いたのは震災の翌日で、おにぎりやお茶などの食べ物は配られたが、生活必需品はかなり後になってから。「避難グッズをあらかじめ用意するのであれば、リュック1個の中にすべてを入れて、安全のために両手は何も持たないようにしましょう。また、荷物の量は1泊2日分が目安。下着は何枚も持っていくとかさばるので、パンティライナーがあれば、ショーツは1〜2枚で足ります。また、ブラジャーはつけ外しが大変なので、タンクトップにカップがついたブラトップがあると便利で安全」(柳原さん)家族で避難したとしても、痴漢など危険な目に遭うこともあるので、ノーブラの状態は避けたほうがいいという。数日〜1週間は入浴できないことも想定して、水洗いできなくてもスッキリするドライシャンプー、ウエットティッシュや体ふきシート、制汗スプレーなど、ニオイ対策のグッズも準備しておこう。また、口臭対策に歯磨きガムも有効だ。そして、最も違和感を覚えたのは生理用品の支給を受けたとき。配布したのは男性で、生理用ナプキンを1人1枚ずつ配っていた。「必要な人は1枚では足りませんし、今までと違うものを使うとストレスがさらにたまります。生理が不定期になるゆらぎ世代でも、ご自身がいつも使っている生理用ナプキンを最低3日分は用意しておくと安心できます。また、尿漏れが気になる人は尿漏れパッドを用意しましょう。緊張や強いストレスを受けると、失禁することもあります。下着の替えには、吸水ショーツが1枚あれば万全です」使い捨ての下着はすぐにストックがなくなるうえ、ゴミにもなるのであまりおすすめしない。■ウクライナの女性兵士も活用する“下着セット”そんな女性視点を反映させた、「レスキューランジェリー」という下着セットに今注目が集まっている。東日本大震災で被災した女性たちの「下着の替えがなくてニオイがストレスだった」「下着は自分で洗いたかった」といったニーズに応えたもので、1.5リットル以上の水を入れて持ち運びできる小型のバッグの中に下着セットが入っている。【レスキューランジェリーの中身】・ブラトップ・ショーツ・布ナプキン・洗濯用洗剤・洗濯バッグ商品を開発したファンクションの本間麻衣社長は、避難の長期化に備えて、ストレスを少なくするための工夫が必要だったという。「女性にとって下着問題は重要で、ニオイはストレスにつながります。たとえ、ボランティアの人に洗濯をお願いできても、『下着まで頼むのには抵抗がある』という声を聞きました。自分で水をためて手洗いできるように、バッグにマチをつけ、立体的な形に工夫。そしてバッグを逆さまにし、内側にあるメッシュの部分を目隠しにしてバッグの中で干せるようにしました。セットの下着と布ナプキンは、消臭効果のある竹布を使い、洗剤も環境にやさしい成分に」九州北部豪雨(’17年)や西日本豪雨(’18年)、熊本豪雨(’20年)のときは、被災者に配った。今月は、ウクライナの避難民や女性兵士たちにもレスキューランジェリーを提供したという。「緊急時はパニックになりやすいんです。レスキューランジェリーはキャンプや旅行でも使えるので、ふだんから使って、いざというときに備えてほしい」(本間さん)ふだんから自治体の避難所や備蓄品をチェックしておくことも“備え”につながる。「なにより人の備えも大切」というのは柳原さんだ。【避難に備え注意したいこと】〈1〉長靴は水が入ると歩けなくなるのでNG〈2〉避難所の電源は使用が限られているので、太陽光で充電する小型バッテリーを用意する〈3〉スマホの電話がつながらないことが予想されるので小銭を用意する〈4〉避難の長期化に備えてふだんから家族や友人、親戚などに頼る方法も考えておく「コロナ禍で避難所の定員も限られているので、地域の避難所に入れないことも想定しておいたほうがいいでしょう。もしものときに身を寄せ合うなど、助け合えるように、家族や友人たちと情報を共有しておくと安心できます」(柳原さん)いつどこで地震や水害が起こるかわからない。どんなときでも対応できるように、ふだんからモノと人の両面で備えておこう。
2022年07月01日稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による「新しい地図」と日本財団の基金「LOVE POCKET FUND」は15日、ウクライナ避難民への支援に関して、渡航費支給者100人が決定したと発表した。「LOVE POCKET FUND」は4月21日、ロシアの侵攻によりウクライナの特に弱い立場にある女性や子どもたちの力になるため、ウクライナから来日する避難民支援約100人分の渡航費3000万円をポケットから渡すことを決定、準備を進めてきた。日本財団ウクライナ避難民支援室では、4月20日から申請の受付を開始、22日からは、在日ウクライナ人スタッフによるウクライナ語での問い合わせにも対応できる窓口を開いた。その結果、6月6日には100人の支給者が決定。支払先の情報が整っている人から順次、現金書留の送付を行っていく。
2022年06月15日2022年2月にロシア軍が、ウクライナへの侵攻を開始。同年4月現在も、ウクライナの各地に攻撃が行われ、多くの死傷者が報告されています。また、爆撃などを受け、家屋を含む建築物が倒壊。命からがらウクライナから脱出した避難民は、世界各国に助けを求めています。日本でもつらい目に遭っている避難民を受け入れるべく、相談窓口を設置したり、住む場所を提供したりといった支援を実施しました。ウクライナ避難民の、犬への『狂犬病』特例措置が議論に同月18日、避難民が連れてきたペットの犬に対する、狂犬病予防法に基づく防疫体制で特例措置を適用すると、農林水産省が決定したことが報じられました。狂犬病とは、狂犬病ウイルスを保有する犬や猫、コウモリなどの動物に咬まれたり、引っかかれたりしてできた傷口から侵入することで発症する、感染症。2022年4月現在も治療法が確立されていないため、人間が感染した場合はほぼ100%命を落とすといわれています。従来は、外国で飼われているペットが日本に入国する場合、狂犬病予防法に基づき、出国地政府が発行する防疫書類が必要です。※写真はイメージしかし今回は特例として、必要書類がない状態でも、予防状態を確認後に条件付きで、動物検疫所での係留措置を短縮するといいます。産経ニュースによると、1日2回の健康観察と動物検査所への週1回の報告を条件に、2回の狂犬病ワクチン接種歴と、血液検査で基準値以上の抗体価が確認できれば、飼い主の滞在先に飼い犬の同行が可能になるとのこと。特例にネットからは不安の声も厚生労働省によると、1950年以前の日本では、犬や人間が狂犬病で命を落としていたといいます。飼い犬の登録やワクチンの接種が義務付けられたり、野犬の抑留が行われたりといった狂犬病予防法の施行によって、国内の狂犬病を撲滅することができたのです。しかし万が一、世界各国で発生している狂犬病ウイルスが生き物の身体を経由して国内に侵入した場合、再び感染が広まってしまう可能性はゼロではありません。特例措置が報道されると、ネットからは狂犬病の発生に対する不安の声が上がりました。・ペットを想う気持ちは痛いほど分かる。でも、これは緩めてはいけないと思う。・可能性が低いとしても、一度広まったら取り返しがつかなくなる。死亡率を考えると、賛成できない。・特例を作るなら、費用の補助ではダメなんだろうか…。ペットは飼い主にとって、大切な家族の一員。そして日本の誰もが、一刻も早く避難民に笑顔が戻ることを祈っているでしょう。また先述したように、特例でもワクチンの接種歴や抗体価の確認は必須です。そのため、狂犬病ウイルスを保有した動物が入国する可能性は低いと思われます。しかし、日本が過去に努力の末、清浄国となった経緯があるからこそ、特例措置に対して獣医を含む多くの人から「審査を緩めるのは悪手ではないか」という疑問の声が上がっています。不特定多数の命が関係する、今回の問題。非常時だからこそ、慎重な判断を多くの人が求めているようです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月19日「これから、ウクライナから避難してきた方と接することが、日本でも増えていくでしょう。避難してきた方は、『日本に避難できてよかった』と笑顔を見せるかもしれませんが、ほとんどの人は砲撃や爆撃の音が耳から離れないほどの壮絶な経験をされています。家族がまだウクライナ国内に留まっていたり、皆つらい別れを経験し、“自分だけ避難してしまっていいのか”という葛藤を抱えています。ウクライナから避難してきた人たちの感情を思いやりながら、日本人みんなで助けてあげられたらいいなと思います」こう話すのは、清風情報工科学院校長の平岡憲人さん(55)だ。同校は大阪市にある専門学校で、日本語学校を併設している。平岡さんは、日本国内にある日本語学校に呼びかけて、「ウクライナ学生支援会」を設立し、同会の代表を務めている。3月に設立された支援会には、これまでに首都圏や関西圏、静岡県、熊本県などにある30以上の日本語学校が参加。戦火が続くウクライナから学生や若者を留学生として受け入れるプロジェクトを進めている。計画では、短期滞在ビザで日本に入国した学生を、各地の日本語学校に入学してもらって日本語を学んでもらう。彼らの学費は、支援会が全額から半額を負担、生活も補助するという。「住居やアルバイト先の確保、住民票の取り方や銀行口座開設の方法、携帯電話の契約、ビザの管理などから、ゴミの分別まで、生活に関わるあらゆることをサポートします。すでに、自治体や民間企業から、宿舎の提供に協力すると申し出もいただいています。また、支援会に参加している学校の周辺住民からも『ウクライナから学生が入学したら協力したい』という声をいただいています」(平岡さん・以下同)そもそも、なぜ支援会を設立することになったのだろうか。「連日、メディアでウクライナの悲惨な状況を見て心を痛めていました。ある日、私の妻から、『教育で何かウクライナの人に貢献できる方法はないの』と言われて、ならばウクライナの学生や若者に、うちの学校に留学してもらって、学費や生活を支援しようと思いついたのです。もともとうちの学校では、外国の方に向けた日本語教育やIT教育に取り組んできました。勉強以外にも、外国人が円滑に日本社会に定着するノウハウがあるので、何か力になれることもあるだろうと……。しかし、わが校だけでは受け入れられる人数に限界があります。そこで、付き合いのある日本語学校を中心に声をかけてみたら、『ぜひうちも協力したい』という申し出がどんどんいただけて、支援会を発足することになりました」■母国を離れる娘と送り出す母親たちの葛藤支援会では3月下旬からオンライン会議システムを使って、日本への留学を希望するウクライナ人学生への面接を始めている。「3月中だけで、この留学プログラムに参加したいというウクライナの学生6人と面接をしました。現在、ウクライナでは18歳~60歳の男性は出国できません。国外に避難できるのは女性だけですから、今回のプログラムに応募された学生は女性のみです」平岡さんたちが面接した学生たちはみな、支援会のホームページやSNSでの告知を見つけて直接応募してきた。「ウクライナ東部に位置するドニプロに住む大学生は、両親がインスタグラムでこのプログラムを見つけて応募されました。もともと日本語を専攻していて、現地で日本語教師もやっていた経験があった学生です。彼女は、両親と弟の4人家族。一緒に日本へ避難しようと両親を誘ったのですが、『ウクライナを守るために残る。あなたは、まだ若いんだから日本に避難して勉強を続けなさい』と言われたそうです。また、原発がロシア軍によって攻撃されたザポリージャに住んでいた別の学生も、一緒に避難しようと母親を誘ったそうです。しかし、『私は国に残って家を守っておくから』と言われたと。彼女は、『たとえ日本に避難できても、親をウクライナに残してひとりだけ避難してよかったのか、毎日苛まれるかもしれない…』と葛藤していました」今回用意される留学プログラムには、家族での避難にも対応できるように用意している学校もあるというがーー。「受け入れ側の日本語学校のなかには、“家族で避難してきても受け入れる”という学校もあります。しかし先の学生のように、避難してくる娘や、国に残る親の両方が悩み抜いて決断を下しています。最終的にその学生は日本行きを決断したのですが、避難する娘、ウクライナに残る母親の両方が、胸が張り裂けるような思いをしているのです」留学生の第一陣は、4月11日の入学式に間に合うよう来日できた学生もいる。「最初10校ほどで、20人を第一期生として4月中に受け入れられるように調整が進んでいます。その後は5月末までに、100人~150人を協力校に割り振って受け入れられるようにしたいですね。日本に住んでいるウクライナ人の方にも、このプロジェクトに協力していただく予定です。参加している日本語学校を回ってもらって、留学生とウクライナ語での話し相手や相談相手になってもらうのです。学校では笑顔でいても、実際には故郷が爆撃を受けている状態が続いていれば、とても心中穏やかにはいられないでしょうから……」■最大のネックは渡航費の確保留学生の学費は、半額から最大で全額を学校が負担し、滞在費や渡航費などはクラウドファンディングで集めて、留学生への支援に充てるという。だが、問題も少なくない。「学生の受け入れにあたって、いま最大のネックとなっているのは渡航費です。そもそも、ウクライナ国内を移動して国外に脱出するのも一苦労ですが、そこからすぐに日本に向かえるわけではありません。例えばある学生が、電車を乗り継いで2日かけてウクライナから出国し、ポーランドの首都・ワルシャワに着いて、日本に向かおうとします。それにはまず、ビザを取得しないといけません。日本政府はすぐに発給する方針を示していますが、それでも3日前後はかかってしまいます。ビザがないと航空券は買えませんし、やっと買える段階になっても、すぐ乗れる便は高額で、手が届きにくい。そうすると、その学生は何日間かワルシャワ市内に滞在しなければなりません。その際の滞在費もかかるわけですが、避難する学生の家庭の経済状況はさまざまです。ポーランドに避難するだけのお金しかないという学生もいましたから……」平岡さんによれば、そうした学生を迎えに行ったり、泊まるところの確保を手伝ってもらうため、ポーランド在住の日本語教師に協力を仰いでいるという。「こうしたケースは、今後受け入れを進めるにあたって頻発すると考えています。海外渡航の経験もない学生も中にはいて、乗り換えが少ない航空便に搭乗できるようにしてあげたいのですが……」4月7日、岸田文雄首相は、ウクライナ避難民の日本への渡航を支援する方針を表明。日本行きを希望する人を集めて、ポーランドからの民間機の座席を政府が借り上げて移動を支援するというが……。「政府もいろいろと手を打ってくださっていますが、なかなかすぐに対応策がまとまって動き出すわけではありません。資産のある方に、留学生に乗ってもらうチャーター便を飛ばしてもらえればいいのですが、そうもいきません。まずは私たちの団体が、学生の渡航を精一杯支援していくつもりです。支援会を発足してから私たちは、渡航をサポートする費用はクラウドファンディングで集めています。渡航費がしっかり確保されていれば、もっと多くの学生を救うことができるので、今後も協力していただけるように呼びかけていきます」ひとりでも多くのウクライナ人の学生が、日本で平穏に勉学に励めるようになってほしいものだーー。
2022年04月13日『カップヌードル』『日清のどん兵衛』などのインスタント麺を製造、販売している日清食品ホールディングス株式会社(以下、日清)。2022年3月9日、同社はロシアから侵攻を受けているウクライナの避難民に対し、インスタントラーメンの寄付を行うと発表しました。日清、ウクライナの避難民にラーメン10万食を無償提供同年2月24日から続いている、ロシアによるウクライナ侵攻。ウクライナの各地で戦闘が行われ、家屋が破壊されるほか、多数の死傷者が出ています。日清食品グループでは、欧州の中央に位置するハンガリー日清がいち早くインスタントラーメンの10万食を無償提供。また、日清の社長は、国際連合世界食糧計画WFP協会に1億1500万円の寄付を行うといいます。食品や寄付金は、国連や赤十字などの信頼できる団体を通して、避難民を支援するために活用されるとのことです。同社は今回の支援にあたり、会社が掲げる信念をこのように明かしています。日清食品グループは、創業者・安藤 百福 (あんどう ももふく) から受け継ぐ「食為聖職 (しょくいせいしょく)」(食の仕事は聖職である) の精神に基づき、人々の生命の根源を支える「食」を通じて、人々の健康と世界の平和に貢献することを使命としています。ウクライナや近隣諸国で困難に直面している多くの方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な日々が戻ることを祈念しています。今後も動向を注視しながら、厳しい状況の中で苦しんでいる方々への支援に努めていきます。日清食品グループーより引用日清の発表に対し、ネットからは「インスタント食品は日持ちもいいし、素晴らしいチョイスだ」「こういう取り組みができるのは本当にかっこいい」といった称賛の声が上がっています。食べ物がなければ、生きていくことはできません。空腹によって、さらにつらい状況に立たされている人も多く発生しているでしょう。日清の支援が困っている人たちに届き、この戦いが一刻も早く終わることを多くの日本人が祈っています。[文・構成/grape編集部]
2022年03月09日■前回のあらすじいざ避難を開始したものの、夫は肝心の避難場所さえ知らない始末!? 妻が子どもの手を引き、夫を従え、避難場所へと向かうと…。 >>1話目を見る 次回に続く(全5話)毎日19時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 青春脚本 /イラスト・ きのこの子
2021年11月02日■前回のあらすじ台風の直撃により、マンションは停電。洪水も警戒レベルに達してしまい、ついに避難指示が発令される事態に…。 >>1話目を見る あれだけ大口を叩いていた夫も、いざ災害が起こると慌ててまったく頼りにならない始末…。そして避難場所で、ついに夫が改心する…!?次回に続く(全5話)毎日19時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 青春脚本 /イラスト・ きのこの子
2021年11月01日福島第一原発事故から、間もなく10年。“復興”の影に深い闇が見えてきた。現在も首都圏の国家公務員宿舎に避難を続けている区域外避難者34世帯に対し、コロナ禍で2度目の緊急事態宣言も出される寒空のもと、福島県が追い出しをかけているというのだ。「経済的な事情で転居できない避難者を、まるで犯罪者のように福島県は扱っています。使用料(家賃+駐車場代)を通常の2倍請求し続けたあげく、福島県に住む老親の元に押しかけたり、書留で文書を送りつけたりして、あなたの娘(息子)さんは『○百万円の家賃を滞納している。支払って1月中に退去するよう親から言ってくれ。さもないと法的手段に訴える』などと、脅しのようなことをしているんです。これが被災者に対して、することでしょうか?」そう訴えるのは、原発事故避難者「2倍請求」撤回訴訟を支援する会(以下、支援する会)の瀬戸大作さん。暮れも押し迫った12月25日、支援する会は記者会見を開き、福島県に対してそう憤った。なぜ、こうした事態になっているのか――。「10年前の福島第一原発事故のあと、災害救助法に基づき、被害者に対して公営住宅を無償提供してきました。ところが福島県は、2017年3月に国の避難指示区域外から避難している“区域外避難者”の住宅支援を打ち切ったのです」こう説明するのは、支援する会のメンバーで、自身も福島県から東京に避難中の熊本美彌子さん。この住宅支援の打ち切りが問題の発端だった。区域外避難者には、東電からの賠償金はほとんど出ていない。避難で仕事を変えることを余儀なくされ、派遣やパートの仕事しか見つからず収入が大幅にダウン。妻や子どもだけ避難している母子世帯もいる。こうした事情から、経済的に困窮している人たちも少なくない。そこにコロナ禍による収入減が追い打ちをかけている。「福島県は、〈経済的な理由ですぐに退去できない世帯に関しては、国家公務員と同等の家賃を支払えば2019年3月まで住んでもよい〉という2年間の期限を設けました。しかし、2年過ぎても退去できない場合は“使用料を2倍”請求するというおかしな条項が契約書に入っていた。県は、事前にそれをきちんと説明もせず、しかも2017年4月になってから契約書を送ってきたのです」(熊本さん)使用料を2倍請求されることを知らずに契約を結んだ避難者がほとんどだった。この日の記者会見では、福島県から嫌がらせのような行為を受けている避難者からの手紙も読み上げられた。そこには原発事故から10年目の、こんな悲痛な叫びがあった。「“死ね”そんなふうに(福島県から)言われているように思えてしまう。正直もう死んだほうがいいのかと、何度も頭をよぎったこともあります」「私は生活すべてを面倒見てくださいなんて言っていません。生活する分は自分で精一杯なんとかするから、どうか住むところだけは奪わないでくださいとお願いしているだけなのです」(Aさん)このAさんは40代女性。原発事故のあと、福島市から東京に単身で避難。斡旋された国家公務員宿舎で避難生活を続けてきた。パートや契約社員として働いてきたが、心身のバランスを崩し、1年間ほど働けなくなったこともあった。現在は、ようやくパートで食いつないでいるが、それでも収入は月10万円程度。前出の熊本さんは、こう付け加える。「彼女は福島に住む老親に心配かけまいとがんばっていたのに、自宅にまで押しかけて『損害賠償金はいくらいくら溜まっている。分割でいいから払ってほしい。そうしないと私たちは給料をもらえない』などと言って、法的手段に訴えることをちらつかせています。そもそも、彼女は通常の家賃なら払うと言っているのに、福島県は“2倍”の額を記した請求書を毎月送りつけてきているのです。生存権の侵害です」2倍請求された額は、ひと月で約4万円。手取り10万円の給料から支払うのはギリギリで、引っ越し費用を貯めることは難しい。福島県は「ていねいに寄り添う」と言って、住宅に関する相談会などを開いたこともあるというが、住宅斡旋業者を連れてきて避難者に紹介するだけ。Aさんも参加したが、その後、具体的に住宅を紹介されることもなかった。「だったら福島に帰ればいいと言う人もいます。しかし、原発事故から10年経って、避難先での生活が日常になっている。子どもの学校、仕事、コミュニティ……。実家との関係が悪く、帰る場所のない人だっているのです。“原子力緊急事態宣言”はいまも発令中で、原発事故はまだ終わっていないのに、一般的な災害に当てはめて住宅支援を打ち切るのはおかしい。原発事故の犠牲者に、これ以上の“自助”を強いるのは間違っています。原発事故に即した新たな法整備を進めるべきです」(熊本さん)そもそも、原発は国策によって進められてきた。現在行われている数々の原発事故の責任を問う裁判では、「東電や国が対策を怠っていなければ原発事故を防ぐことができた」という判決も多く出ている。これ以上、被害者の生活を奪うことがあってはならない。
2021年01月07日さまざまな災害が発生する日本。夏から秋にかけては台風が発生し、毎年各地に多大な被害を及ぼします。家族の安全を確保するためにも、いつでも避難所に移動できるよう必要な物は把握しておきたいもの。ちくまサラ(@chikumababy)さんは、2020年9月1日に発生した台風10号が接近した時、家族で避難所に行きました。その際の反省点や発見などを漫画に描き、多くの人々に情報共有をしています。『台風で避難した話』身体の不調から手術を受けたちくまさんは、術後の1週間、子どもたちの送迎を夫と義母さんに頼んでいました。その間、夫は会社も忙しくなり疲労が蓄積。台風直前にダウンしてしまったのです。ちくまさんは1人で台風の準備をすることになり…。猫を連れて避難したちくまさん一家。受付そばにペットケージを置くようにいわれたため、その通りにしました。教室では、避難のために準備したグッズが役立ちます。避難所でのコミュニケーション避難所では、ちくまさんが準備してきたルームライトや凍らせたペットボトルなどが役立ちました。一方で、必要な物も見えてきます。台風通過後も大変!今回のまとめ。そして新しく荷造りしたもの(短期用の非常袋)です。モバイルバッテリーや通帳等は普段のリュックへ。着替えはその時使っているものを別のバッグ(長期用)に入れて持ち出す予定です。まだ改良が必要なので頑張ります。 pic.twitter.com/gTm2RayKwN — ちくまサラ@5y&1y (@chikumababy) October 8, 2020 幸いなことに大きな被害もなく、避難所で貴重な体験をすることができた、ちくまさん一家。実体験を元にした有益な情報に、「とても勉強になりました」「参考になります!」などの声が多数寄せられています。宿泊設備が整っていない場所での集団生活は、たった1日であっても不便なことがたくさんあります。また、子供や高齢者、ペットと一緒に避難する場合は必要な備えも異なるはず。避難先で体調を崩さないよう、普段から準備を入念にしておきましょう。そして避難した人は体験を共有し、多くの人が避難所でより快適に過ごせるよう、情報を更新していけるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月14日今回はマンションの消防設備点検について書いてみます。マンションで実施される設備点検の中でも、排水管清掃と消防設備点検は居住者の協力が必要になります。どんな点検項目があるか、また受けるときのコツについてまとめてみました。■ マンションの設備点検では作業員が室内に入るものがあるYNS / PIXTA(ピクスタ)数多くの家庭が共同生活を送る場であるマンションには多くの機械が設置されており、トラブルの発生を未然に防止するため、それぞれの設備に応じて一定の周期で点検が実施されています。エレベーターや機械式駐車場、給排水設備といったものは委託している管理会社が手配して点検を実施するため、居住者としては特に意識していなくてもいつの間にか完了しているものです。一方で消防設備点検や排水管清掃は専有部も関わってくるため、実施に際しては作業員が室内に入ってきます。■ 消防設備点検はここをチェックする消防設備点検には6か月ごとに行う機器点検と1年に1回行う総合点検があります。機器点検は設備の適正な配置や損傷の有無をチェックする外観点検、簡易な操作で判断出来る事項を確認する機能点検から成り立っています。一方総合点検は設備を実際に作動させたり使用したりして異常がないかを確認します。専有部の点検でチェックするのは以下の事項です。消火器消火器は火災が起きる前の初期消火活動に非常に効果を発揮する重要な設備です。通常は収納やシューズボックス内にしまい込まれている事例が多いため、消防点検のときにのみ日の目を見るという場合が多いのではないでしょうか。容器の変形や破損、安全ピンの有無、ホースの詰まり・ひび割れの有無、使用期限等をチェックし、問題がなければ点検済票に記入します。火災報知器マンションの居室には火災報知器が設置されており、こちらの点検も実施します。通常では棒の先に取り付けた装置を天井の報知機に押し当てるのですが、この装置の中には熱源が入っており、これによって火災報知機を発報させます。このとき、管理室で別の作業員が警報盤をチェックしており、発報がきちんと表示さるか否かを確認します。そのため居室内の作業員と管理室の作業員は「〇〇号室発報させます」「〇〇号室発報確認しました」というように互いに連絡をとりあったりしていました。避難はしごバルコニーに設置されている避難はしごも点検します。避難はしごのフタは上下で連動しており、上階でフタを開けると下階でも開く構造になっています。奥にある赤いレバーを操作するとはしごが一気に下がります。問題ないことが確認されれば手前のハンドルをはしごに設置し、ハンドルを回転させてはしごを収納します。避難はしごの下に物が置かれていると万一の際に避難の障害になるため、フタの下には何も置かないよう注意しましょう。これも点検の際の重要なチェック項目になります。「部屋が散らかっている」はまったく気にしなくていいマンションに住んでいる人のなかには、知らない人はできる限り家に上げたくないという人も多く、「部屋が散らかっていて恥ずかしい」ということで室内の点検を嫌がる方も多いです。ですが、マンションに関わる仕事をしている人は多くの部屋を見てきているため、部屋が多少散らかっているくらい何とも思わないものです。仮に室内が足の踏み場がないような場合であっても、棒の長さを調節することにより廊下からでも報知機まで届かせることができます。点検に協力することは「義務」ではありませんが、消防設備の点検は万一に備えて重要なものですので、可能な限り協力するようにしましょう。
2018年11月30日東日本大震災のときに、我が家には3匹の犬がいました。住んでいた群馬県は、建物の倒壊は少なく、死者は出なかったものの、揺れはかつて経験したことのない大きなものでした。驚いたのは人間だけではありません。犬も震えてうずくまってしまったり、机の下にもぐりこんでしまったり。パニックになっていました。東日本大震災は、大きな地震や風水害が起こったとき、ペットを飼っている家庭はどのように対処したらよいかを考えさせられる機会となりました。今回は、ペットを多頭飼いしている家の避難対策についてのお話です。■ 国はペットと同行して避難することを推奨している!東日本大震災をはじめとする過去の災害の教訓から、環境省がペットとどのように避難したらよいかの方針を平成25年6月に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」として発表しました。環境省では、ペットとの同行避難を推奨しています。飼い主と離れ離れになったペットを捜索・保護することは、多大な労力と時間を要します。また、ペットが負傷や衰弱、死亡することも考えられます。飼い主にとってペットは家族も同然ですし、環境保全の立場からもペットと一緒に避難することが必要と国は考えたようです。■ 避難時、犬のために持っていくものとは?地震が起こったとき、筆者がとっさに用意したのは、水、エサ、ペットシーツだけでした。antpkr / PIXTA(ピクスタ)white_blue / PIXTA(ピクスタ)後で考えたら、これでは1週間もたなかったでしょう。以下のものがあれば、1週間くらいなら避難所生活が可能です。療養食や薬ドッグフードと水(1週間以上の量)食器予備の首輪トリード(伸びないもの)ガムテープ飼い主または、飼い主に連絡がつかない時の連絡先ペットの写真ワクチン接種状況、既往症、かかりつけ医の情報ペットシーツ排泄物の処理道具トイレ用品タオル、ブラシペット用のおもちゃガムテープはケージの補修をはじめ、様々な用途に使え、便利です。masa / PIXTA(ピクスタ)ペットの写真や飼い主の情報は、家族だけで対処できない時に必要です。忘れがちですが大変役に立ちます。必ず用意するようにしましょう。CORA / PIXTA(ピクスタ)■ 車での避難は危険だからNG!我が家の大型犬3匹は、パニック状態になっていたので、避難所まではとても連れていけないと判断し、車に乗せて移動しようと考えていました。実際には避難しませんでしたが、もし長期間に渡り車の中で避難生活することになれば、人間もペットも大変危険な状態になっていたに違いありません。TuelekZa / PIXTA(ピクスタ)これまでの災害では、ペットを避難所に入れることはできませんでした。ペットと避難所に来た人は、自家用車の中で人とペットが一緒に生活するケースが多かったようです。狭い空間で長時間じっとしていると、人間は「エコノミークラス症候群」になる危険性がありますし、ペットは夏ならば熱中症になる恐れがあります。車に乗っていれば大丈夫という考えは間違っているのです。現在は、避難所や仮設所によって条件は違いますが、避難所の屋内または屋外にペットを係留することができます。■ 災害に備えて、普段からできる対策法とは?災害のときに一番怖いのは、「ペットが迷子になること」と「ペットが衰弱してしまうこと」です。hashisatochan / PIXTA(ピクスタ)日常から災害に対する準備をしておくことで、いざというときに対応することができます。詳細は以下のようになります。住まいの防災対策をするペットのしつけと健康管理ペットが迷子になった時のための対策ペット用の避難と用品、備蓄品の確保避難所や避難ルートの確認等の準備犬は、普段からしつけを行っていても、パニック状態になったときや、慣れない環境の中で過ごさなくてはならないときは、無駄吠えをしたり、過度に徘徊したりします。キャリーバッグに入るサイズの犬なら、バッグの中でおとなしく過ごせるよう、普段からバッグに慣れさせておくことも大切です。sasakura_yoshimichi / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?普段は飼い主のそばから離れない犬も、緊急事態の際は、恐怖と驚きで暴れてしまうこともあります。「自分たちの犬は大丈夫だ」と決して過信せず、普段から準備を心掛けましょう。【参考】※環境省災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
2018年11月28日防災グッズは、市販されている物を購入することである程度をカバーすることができます。しかし、東日本大震災を体験した筆者は、それだけではカバーできない部分もあるということを、身をもって体験しました。今回は、防災グッズとして必要なものを迷わず準備できるように「衣食住」の3つに分けて用意する方法を書きます。■ 最初の避難時に持ち運ぶ防災グッズの準備基本は、市販されているものを使ってもいいです。ただ、不足部分を補うために準備しておきたい(持って出た方が良い)ものを「衣食住」に分けて準備することをおすすします。ポイントは、いかにコンパクトにまとめて背負えるかです(両手が使えることが大切です)。「衣」の準備ここは、衣類など身につける物と考えてください。雨風に強い上着(季節を問わずウィンドブレーカーのような上着は重宝します。)タオルと大きめバスタオルなど(拭くことも掛けることもできます)生理用品(1日分は試供品などで補えます)「食」の準備缶詰(カンパンやパンなど、開けたらすぐ食べられる物)飲料水(長期保存水がオススメです)甘い物(すぐに口に入れられるアメなど)「住」(生活必需品)の準備レジ袋(ゴミ袋だけでなく三角巾などにも使えます)携帯トイレ懐中電灯(予備の電池も一緒に)スマホを電池で充電できる物軍手(家族分)応急処置用品(薬や絆創膏などの衛生用品)重要書類などのコピー(保険証・保険関係書類・口座番号などをケースにひとまとめに)母子手帳のコピー(子どもの病歴や出産時、予防接種の有無のページ)小銭ポケットティッシュ(いくつか)アルミのブランケットこれらをリュックに入れていきますが、重さに注意しましょう。実際に背負って避難をしたときは、詰め込みすぎていたせいもありますが、重くて大変でした。そこに幼児を抱えていましたので、余計に大変だったのを覚えています。入れる物は厳選し、できるだけ軽くしましょう。■ 災害がおさまってからの「第2の防災グッズ」災害がある程度おさまり、日中に自宅に戻れることがあるかと思います。その時は、ライフラインが止まっていることも十分にあります。また、買い出しに行っても買えないこともあります。その時のために2つ目の防災グッズが必要なのです。その中身をご紹介します。「衣」の準備家族全員分の着替え1日分(ジャージなど長袖長ズボンで動きやすい服)トラベル・サウナ用の紙の下着(使い捨てができるので便利です)体ふき用シート除菌用シートコンパクトタオル(水で戻すことができるものが便利)マスク「食」の準備温めなくても食べられるもの(ご飯に味がついておかずがいらない物がオススメ)飲料水入れ(折りたためる容器がオススメです。給水が始まったらすぐに用意できます)割り箸プラスティックコップ(おわんの代わりになります)今回は一部しかお見せしていませんが、最低でも家族が2日程度食べられる分を用意しておきましょう。「住」(生活必需品)の準備ライターやマッチ(火を起こせる物)ランタン(予備の電池も)カイロ(暖を取れるように用意しておきましょう)レジ袋箱ティッシュ歯磨きシート(水を節約できます)丈夫なカバン(物の運搬など多岐に亘って使えます)物を入れるものはリュックでなくても大丈夫ですが、運びやすい容器やカバンを用意してください。ちなみに筆者宅はボストンバッグです。■ 乳幼児がいる場合は中身に工夫を子どもを抱いて避難ができるようにしなければならないのですが、できるだけ軽い物を中心に用意することをオススメします。防災グッズに用意しておくといい子ども用品ベビーフードスティックシュガーおしりふきだーちゃん / PIXTA(ピクスタ)使い捨てほ乳瓶粉ミルク(スティックタイプ)おむつ(圧縮袋で小さくすると少しでも多く用意できます)歯磨きシート抱っこヒモやスリングなど赤ちゃんの薬着替えネームタグ(子どもと親の氏名・携帯番号など)母子手帳Graphs / PIXTA(ピクスタ)子どもが安心できるおもちゃ(これは必須です)JanPietruszka / PIXTA(ピクスタ)子どもの成長によって変わってきます。ですから、「サイズが変わったとき」や「衣替えのとき」などに見直しをすることをオススメします。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか。災害で避難を余儀なくされる状態になって時は、意外とパニックになってしまうものです。「これだけ持って、さっと避難できる」ようにしましょう。避難先では不安を感じてしまうことが多いですが、2つ目の防災グッズがあるだけでその不安もかなり和らぎます。筆者の経験が、今後少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。
2018年11月09日いつ、どこで発生するか予想や予知が困難な巨大地震。9月6日の午前3時過ぎ、北海道を最大震度7の巨大地震が襲い、北海道全土に甚大な被害をもたらしました。もしある日突然、自分が住んでいる地域が巨大地震に襲われたら、まず何をすべきなのか、またどう行動すべきなのでしょうか?■ 緊急地震速報が流れたら、まず「屋内」「屋外」でやるべきこと!Studio Right / PIXTA(ピクスタ)テレビやスマホなどから緊急地震速報が流れたときや、実際に強い地震を感じたとき、まずは冷静に行動することを心掛けましょう。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)地震が発生したとき、一番重要なのは身の安全確保です。では「屋内」「屋外」にいる時に、どのようにすればいいのかをお教えしましょう。屋内1. 自宅にいるとき自宅などの屋内にいるときは、出口の確保も大事ですが、慌てて外に飛び出すと危険です。丈夫な机やテーブルなどの下にもぐり、揺れが収まるのを待ちましょう。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)調理や暖房で火を使っているときは火の始末が大事です。TAKA / PIXTA(ピクスタ)しかし、火元から離れている場合は無理に火を消しに行くとケガをしたりすることもありますので、揺れが収まるのを待ってから火の始末をしましょう。屋内2. 大型の商業施設や公共施設にいるとき商業施設や公共施設にいる時はまずは周りを確認し、照明などが落下してこないような場所で安全な姿勢を取り、揺れが収まるのを待ちましょう。YNS / PIXTA(ピクスタ)ただし、従業員や係員から避難の指示があれば、それに従いましょう。自宅にいるときと同様に出口の確保も大事ですが、出口や階段などに人が殺到してしまうと事故も起こりやすくなりますので慌てず避難することを心掛けてください。MAA / PIXTA(ピクスタ)屋外1. 都市部にいるとき強い揺れが起きると、ビルの窓ガラスが割れて落下したり、看板や外壁の一部が落下したりする場合がありますので、そのような建物から離れるようにしましょう。G-item / PIXTA(ピクスタ)また、高さのあるブロック塀や自動販売機なども転倒する危険がありますので、できるだけ離れるようにしてください。dorry / PIXTA(ピクスタ)白熊 / PIXTA(ピクスタ)屋外2. 郊外、崖の近く、山間部にいるとき今いる場所が、近くに崖等があったり、高低差のある地形・地域だった場合は、土砂崩れの危険がありますので、速やかにその場所からできるだけ離れてください。HAKU-№1 / PIXTA(ピクスタ)特に、雨が降ったあとは地盤が緩くなって土砂崩れが起きやすくなっている場合がありますので注意が必要です。どん兵衛 / PIXTA(ピクスタ)エレベーターの中エレベーターのシステムによっては強い揺れを感知すると、自動的に最寄り階に停止するものもありますが、自動停止しないエレベーターもあります。その場合はすぐにどの階でもいいのでボタンを押して、停止した階ですぐに降りてください。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)■ 大きな揺れが収まったら、まずやることとは?大きな揺れが収まったら、まずは周りの状況を確認しましょう。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)屋内にいる場合は、誰か閉じ込められている人はいないか、ケガをしている人はいないか、建物の壁や柱、土台などの損傷はどうかなど、周りにいる人と声を掛け合いながら確認してください。もし、自分が閉じ込められてしまっているなら、笛を鳴らしたり音が出るものを叩くなどして、自分の存在を知らせましょう。masa / PIXTA(ピクスタ)■ 自宅から避難するときの注意ポイント自宅建物が損傷し、倒壊の危険性を感じたり、通常の生活が送れないような状態になってしまった場合、自宅から避難所などに避難する必要があります。あきたん1116 / PIXTA(ピクスタ)その時は火事や漏電、爆発事故などの二次被害を予防するために、火元の確認や電気ブレーカーを落としてから家を出るようにしましょう。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)玄関先や道路に面した壁などに、避難先などを書いたメモ紙を張り付けておくと、自分や家族の所在を明確にするだけでなく安否確認にもなります。また建物が倒壊する危険性を感じたら無理をせず建物に入らないようにしましょう。一本木 / PIXTA(ピクスタ)避難する場合には最低限持っていきたい水や食料品、衣類、日用品などがあると思いますが、緊急の場合は持ち出すのを忘れてしまうこともあります。なので、持病がある場合の薬、乳幼児がいる場合はミルクや哺乳瓶、メガネなど、それがなければ日常生活に重大な支障をきたすようなものは物については日頃から持ち出しやすい場所に置いておくなどの備えをしておきましょう。kaka / PIXTA(ピクスタ)日頃から防災用品を揃え、非常持出品の準備をすることはとても大事。それと同時に、いざというときは具体的にどんな行動をすればいいのかもしっかり頭に入れておきましょう。【参考】※首相官邸防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~※一般財団法人 日本気象協会トクする!防災避難の心得地震編
2018年09月16日筆者がお客様に収納でお困りのことを聞くと「防災グッズの置き場所」について聞かれることがあります。災害時の備えとして防災グッズを用意することは一般的になりました。防災グッズといっても、セットになっているものを購入されている方、水や缶詰などバラバラに準備されている方、あるいは屋外の物置に置かれている方など様々です。多くはキッチンに食料品、その他を玄関収納やお部屋のクローゼットなどにまとめて置かれている方が多いのですが、多くの方にとって収納は十分ではないと感じていますし、持ち出しやすい=目立ちやすいからといって、玄関などに置くと雑然としてしまいますよね。筆者も当初は正解がわかりませんでしたが、ヒアリングを重ねるうちに少しずつ答えが見えてきました。というわけで今回は防災グッズをどこに置けばいいのかについて、ご紹介いたします。■ 「防災グッズの設置場所」はどこにするのが一番正解?防災の専門家に伺ってみたところ、住環境や生活者の属性、生活パターンなどで異なるため、すべての住居に当てはまる正解はないものの、以下の点を考慮すべきと意見をいただきました。建物が倒壊してライフラインが断たれるような規模の災害では、まず避難することが大切建物が崩れる場合は、1階部分が潰れることが多い建物の南側は窓が多いことが多く、構造的に弱くなるため、南側に向かって潰れることが多いこの他に、海や川の近くだったり、周辺の土地より低くなっている環境では水害も考慮するなどが必要です。しかし多くの場合、家の西側または東側の、家から少し離れた倉庫などに水や食料などを保管すると良いように思いえます。あひる / PIXTA(ピクスタ)■ 災害時でも困らない!現実的な「防災グッズの設置場所」とは?しかし、都合よく空いているスペースがあったり、倉庫があるとは限りませんよね。そこで、上記を踏まえて現実的な設置場所を考えて見ましょう。まず避難が必要となるような災害の場合は、安全な場所に一刻も早く移動することが最優先です。そのため、避難する際に持っていく荷物は最小限にとどめます。災害発生直後には、避難するためだけの荷物を持つようにします。例えば懐中電灯やヘルメット、防寒具、消毒薬、小銭などです。これに必要な方は薬も必要になります。TATSU / PIXTA(ピクスタ)これらの最低限必要なものは玄関や寝室に置いておきます。特に寝室には避難用の靴やスリッパも置いておくと良いですね。よく言われる家族3日分の水や食料は、ご自身やご家族の身の安全を確保した後に安全に取りに行けるところに置くのが最良です。dorry / PIXTA(ピクスタ)次に避難後に必要となる食料や生活用品ですが、これらはかさばるので玄関などの屋内に置き切れない、置きたくない方は「屋外用の収納ボックス」が有効です。kitakado / PIXTA(ピクスタ)車をお持ちで余裕があれば積んでおいたり、あるいは「駐車スペースの隙間」に置くなどしましょう。ABC / PIXTA(ピクスタ)車がなければ南側を避けて「屋外の家沿い」に設置することも良いでしょう。HAKU / PIXTA(ピクスタ)ちなみに専門用品を購入するのはすごく割高になるので、避けたほうがいいでしょう。例えば簡易トイレは10回分で3,000円など、家族分を揃えようとすると、すぐに万単位になってしまいます。トイレであれば大人用オムツとビニール袋で代用するなどで十分かもしれません。いかがでしたか?これからは、いつでも防災に対する意識を高めていかなくてはいけません。もしもの備えは、無理せずストレスにならない準備ができるとよいですね。
2018年09月03日私たちが住む日本では、地震や水害などの自然災害が起こった際に、避難を余儀なくされることがあります。その時に、意外とどのようにしたらいいのか悩んでしまうのが、ペットのことです。防災グッズは何が必要か、心掛けておくことはあるかなど、いざという時に困らないように、日頃からペットの防災について考えておきましょう。今回はその対策を4つご紹介します。■ 1. 災害時はペットを連れて避難したほうがいい!阪神淡路大震災や東日本大震災では、愛犬や愛猫を自宅に残したまま避難した飼い主さんが数多くいました。hashisatochan / PIXTA(ピクスタ)今月の頭に起きた西日本豪雨でも、愛犬を自宅に残したまま避難した家族が無事に再会したという報道がありました。ペットを飼っている人の中には「犬や猫を避難所に連れて行っては迷惑なのでは」と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。愛犬や愛猫などのペットを家に置いたまま、もしくは放した状態で避難すると、野良犬や野良猫を発生させる可能性があります。環境省が発行している「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、避難所への“ペットの同行避難”を推奨しています。いざという時に焦らないよう、家族で避難ルートと避難場所の確認をしておきましょう。佐竹 美幸 / PIXTA(ピクスタ)また、居住地域で行われる避難訓練には、ペットと共に参加することをオススメします。■ 2. 避難時に役立つように普段からの備えやトレーニングを!避難所には犬や猫が苦手な人もいることを忘れてはいけません。そこで重要なのが、日頃からしつけや健康管理を心掛けおくことです。そうすれば、良い印象を与えることができます。予防接種とクレートトレーニングは、普段から備えてきましょう。「クレート」とは犬や猫を運ぶ入れ物のことで、キャリーバッグの一種です。避難先では犬や猫を放しておけないため、クレートに入れることになります。しかし、ここで問題なのが、クレートに入ったことがない、もしくは慣れていない犬や猫の場合です。そのような犬や猫がクレート内で長時間過ごすのは大きなストレスになるので、日頃からクレートトレーニングをしておきましょう。■ 3. フードと水などの「ペット用避難グッズ」は1週間分は準備しておく!ペットとの同行避難をした際に困らないよう、「ペット用避難グッズ」を準備しておきましょう。市販の「ペット用避難袋」を購入するのも良いですが、家にあるペットグッズの中から避難時に必要なものをまとめておいてもOKです。犬や猫の防災グッズフード(1週間分)水(1週間分)常備薬リード迷子札鑑札狂犬病予防注射済票ペットシーツタオル 、 食器(折りたたみ式のものが便利)うんち袋愛犬・愛猫手帳愛犬や愛猫の写真(顔、全身、特徴がわかる部位など)水のいらないシャンプーブラシ援助物資は災害発生の数日から1週間程度で現地に届くことが予想されます。しかし、処方食は簡単には手に入らない可能性があるので、普段から食べさせている処方食を避難袋に備えておいてください。ドライフードは、1食分ごとに小分けにしておくと与えやすいです。■ 4. 犬猫のハウスは窓ガラスから離しておこう地震などの災害が起こると、部屋の中の物が倒れ、散乱します。ケガ予防のためにも、犬や猫のハウスはガラスの側には置かないこと。チンク / PIXTA(ピクスタ)またハウスの周囲にある家具の上には物を置かず、倒れないように固定しておいてください。瓦礫などでケガをしないように、犬は肉球保護の靴を準備しておくのが良いでしょう。ただし、靴は履き慣れていないと上手に歩けないので、日頃から練習して慣らしておくことをオススメします。災害が発生した時、飼い主さんが愛犬や愛猫の側にいられるとは限りません。近所に住んでいる友人や知人に、万が一の際は家の被害状況や犬や猫の安否を知らせてもらえるよう、前もって頼んでおくのが良いと思います。ペットと同行避難した避難所では、飼い主さん同士で情報を共有し、みんなで支え合いましょう。【参考】※環境省 「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」
2018年07月27日たとえば全国で避難訓練が行われる防災の日(9月1日)など、きっかけがあれば防災について考えるものですが、ふだんはとくに意識することもなく…。しかし、災害は忘れたころにやってくるもの。何もないときだからこそ、意識を強くする必要があります。防災意識の高いママたちに日ごろ、家庭でどんなことを心がけているか聞いてみました。■通学路を散歩しながら、子どもと一緒に危険ポイントをチェック「子どもと散歩しながら、通学路の安全性をチェックします。上から看板が落ちてきそうな場所や、崩れやすそうな壁など、登下校中に災害にあった場合を想定し、こういう場所には普段から近づかないように話します。うちの子の学校では、授業中などに災害が起きたら親が迎えに行くのですが、必ず行けるとは限りません。そのため、どのルートで帰ってくるか、家が倒壊していたらどの避難所に行くかといったことも教えました」(38歳・小学4年生のママ)子どもと離れているときに災害が起きたら…。考えただけで不安になりますよね。自分がそばで守ることができない分、通学路などのチェックはこまめに行いましょう。防犯にも役立ちそうです。■停電になっても大丈夫! 暗闇でも歩ける、モノが探せる蛍光シール「家の中や防災グッズに蛍光シールを貼っています。東日本大震災の計画停電のときに、これが便利だとママ友から教わりました。電気がつかなくてもモノがある場所や、玄関までのルートもわかります。たまに家中を暗くして、このシールだけでも歩けるか、防災袋を持ち出せるか、子どもと一緒に試しています」(33歳・小学6年生のママ)蓄光するタイプの蛍光シールは、電池などが不要なので、いざというときにも心強い存在です。 ■あの大震災の経験をもとに、枕元にはいつも靴を常備「高校を卒業したくらいだったかな、阪神・淡路大震災を経験しました。大阪南部に住んでいましたが、今まで経験したことがないくらい大きな揺れで、しかも早朝だったからパニックになってしまいました。本当にこわくて、何もできなかったことを思い出します。また同じような災害が起きたときに冷静に行動できるかはわかりませんが、あのときはモノが散らばってしまい、部屋から出るのもひと苦労でした。そのため、今でも枕元には靴を置いています。もちろん、子ども部屋にも!」(42歳・小学3年生のママ)過去の経験が生かされているようですね。あれから靴が役立ったことは幸いにもないとのことですが、旅行先でも枕元に置いて寝ているそうです。■100%安全はない! 万が一のために避難所を複数チェック「地域の指定避難所まで子どもと一緒に歩きました。自宅からだけでなく、学校から、駅からなど、複数のルートを確認します。もしものときにはここへ来ることを教えるだけではなく、さらにそこが壊滅的な被害にあったときのために、別の場所も何カ所か教えています」(29歳・小学3年生のママ)避難所として指定されている場所は、災害が起きても比較的安全な場所ではあります。しかし、100%安全で被災しないという保証はありません。複数をチェックしておくのはいいアイデアですね。■両親に感謝! 家庭で「抜き打ち避難訓練」を実施最後に、筆者が子どものころに体験した「抜き打ち避難訓練」をご紹介しましょう。早朝に両親が突然、「地震だー!」「火事だー!」と叫びながら子ども部屋に入ってくるのです。最初はパニックになることしかできず、「本当に地震だったら助からないよ」と言われました。それからはベッドのそばに着替えや靴を置いておき、抜き打ち避難訓練がはじまると慌てつつも何をするべきか考えられるようになったと思います。回数を重ねるごとに、だんだん慣れてきてしまうのですが、毎回点数をつけられていて「今日はだらけていたからおやつはなし」など、親なりに緊張感を与える工夫をしていました。これを夫にも試したところ、大人でもすぐには行動できず、ちょっと情けなかったです。でも、これをきっかけに防災について夫婦で話し合うことができました。避難訓練というと、学校などで行う大規模なものをイメージするかもしれません。しかしこのように、自宅でもできることはたくさんあります。子どもの年齢に合わせて、できることから始めてみませんか? 年末年始で忙しくなる前に、家庭でもできる避難訓練に挑戦してみましょう。
2017年11月12日兄の連れてきた婚約者は…
妻は看病してもらえないのが普通ですか?
義父母がシンドイんです!