2019年4月22日 00:00
鎌倉に移ってつくった終の住処築90年超の家と調和する家を建てる
そしていま吹き抜けている部分に2階をつくることで面積を増やすこともできるようにしたのだ。
このような仕組みを支えているのは特徴的な形をした構造システムである。柱と梁の間に斜めの材(方杖)を使っているのだが、通常であれば耐力壁を入れて空間を仕切らないといけない箇所にこれをダブルで設置しさらにその間に板を渡すことで耐力壁と同様の働きをしてもらうというものだ。「天井が高くて生活に対する圧迫感はまったくないし、また、南側もクリアに見えて向こうの空間が共有できているのですごく開放感がある」。このように夫妻は空間的な広がりの気持ちの良さを指摘するが、これも中佐さんからの提案から生まれたもの。「立体的な多様性があったほうがいいだろう」と考えた断面のデザインによって、南側の部屋であっても立てば北側につくったハイサイドから旧坂井家の庭へと視線が気持ちよく抜けていく。
吹き抜けになっている部分に床を張り2階を増築することも可能。現在は2階へ上がることができないが、最近、お子さんの家族が泊まりがけで来たがることから階段をつくることを考えているという。
高窓からは旧坂井家の家が見える。
建物奥から玄関方向を見る。