2019年5月27日 00:00
見たことないつくりのRC住宅都会の狭小地で街とつながって暮らす
梁とスラブが分離することで、通常ではありえないような外との関係性が建物のいたるところで生まれている。
古澤さんと息子さんの2人がいるのは梁の上。40×40cmの梁は棚としても使えるし、腰かけたりすることもできる。奥さんも「家の中まで見えてしまうのかなと思っていたんですが、意外に見えないので、外からの視線はだんだん気にならなくなってきました」と話す。「あと、頭をコンクリートの梁にぶつけたりするととても痛いのですが、そうした厳しさとは真逆の居心地の良さがあってそれがとても気に入っています。コンクリートでなければ、このような快適な開放性は得られなかったんだろうなと」
奥さんは古澤さんに「狭い面積の中でバルコニーを広く取りすぎてもったいない」と設計中ずっと言っていたそうだ。しかし「外とつながって空間が広く感じられるし、よくあそこでお茶を飲んだりして楽しんでいるので、これで良かったなと思って」いるという。
設計で外を意識的に多く取り込んだ古澤さんもこう話す。
「昨日も友人たちをまねいてバルコニーで食事をしたんですが、外というのはやはり気持ちがいいですね。外とつながっているというのは街とつながっているというのと同じなので、そのあたりの気持ちの良さに住んでみてあらためて気づいたような気がします」。