2015年5月31日 15:00
浮気テーマの『うきわ』 最終巻は涙なくしては読めない…
そもそも理性ってウソつきだと思うんです。本能の赴くままにふるまったら、『人を傷つける』とか『人からどう見られるだろう』とか考えて自制するのが他者への配慮ですが、それって結局、自分の本心にはウソついてるわけですから。内にこみ上げてくる欲望が人間を苦しめよるんだと思われているけれど、逆に理性が苦しみの根源かもしれないですよね」
いよいよ最終巻となり、ふたりは抑えてきた思いをぶつけることができるのか。この結末があまりに美しく、恋したことがある人なら、涙をこらえるのが難しいほど。
「<うわき>されている者同士が、互いに<うきわ>を投げ合って、救い救われるという話でもあるなと。ただ、一見、マイコと二葉さんの恋の障害になっている二葉さんの妻を“救われない人”として切り捨てたくはなかった。なので『自分の妻がもし浮気してたら…』とか『浮気ってそもそも許せるものだろうか…』とか、彼らと一緒に悩み抜きました。人間についてぐちゃぐちゃ考えるのが好きなので、またこういう作品はやってみたいですね」
◇1、2巻めのカバー絵では憂いのある表情のマイコ。
最終巻で見せた笑顔の意味とは。うきわ/うわきという言葉遊びに端を発した物語にはドーナツ、結婚指輪、荷造りテープなど丸モチーフが効果的に登場。