2017年7月25日 21:15
「体を売りながら」生きる少女…|12星座連載小説#125~牡羊座11話~
車をコインパーキングに停めて、“さゆりさん”の待つネットカフェへ向かう。
ネットカフェの店長さんに、アポイントは取ってあるから安心ではあるけど……。
どうして彼女はネットカフェを待ち合わせ場所に選んだのだろう。
その答えは、彼女に会うとすぐに分かった。
ネットカフェのブースに入ると、今しがたメイクを落としたのか、“すっぴん”姿の女性がいた。
そして、そこにはメイク道具やらハンガーにかかった服やらが所狭しと並べられていた。一瞬、普通の家の、女の子の部屋に足を踏み入れたかのような錯覚に陥った。
「どうも~」
『初めまして。
ご連絡させて頂いた竹内です。よろしくお願い致します』
名刺を差し出す。
さゆりさんは、少しぽっちゃりしているけど、出るとこ出ている、いわゆる“オトコ好き”する体型で、顔は童顔だった。
「顔出しNGなんで、よろしくお願いしますね~」
まだどこかあどけなさの残る彼女は、そう言ってタバコを吸い始めた。
部屋が狭いため、如月にカメラを渡してもらうよう促す。この部屋に3人はムリだろう。自分でカメラをまわしながらのインタビュー形式に切り替える。
『今回、“貧困女子”というテーマのドキュメンタリーにご協力下さり、有難うございます。