2017年7月25日 21:15
「体を売りながら」生きる少女…|12星座連載小説#125~牡羊座11話~
でも、それが多感な時期に起こったとしたら―――。
“歪み”が生じても仕方ないのかもしれない。
社内は人の気配がない。私も如月も、疲弊しきっている。
続きは、後日ってところかな。
『お疲れさま。良い画が撮れたね。取材はあと1件だっけ。
編集しながらやっていこうか』
「はい、そうですね~。明日の夜までには、今日分を終わらせときます~」
意外とタフなヤツ。頼もしいわ。
『じゃあ、今日は解散。また明日の夕方にね』
「はい、先輩もゆっくり休んでくださいね」
そう言って、私たちは別れた。
ひとりになると、裕也のことが急に気になり始める。スマホを確認してみても、裕也からの連絡はあれからない。
寝ている運転手を起こし、私はタクシーに乗り家へと急ぐ。
帰宅してドアを開けると、知らない女と裕也が裸で寝ていた―――。
【今回の主役】
竹内美恵 牡羊座32歳 駆け出しディレクター
熊本県から状況し、都内でADとして下積みの後、最近ディレクターに。年下の男(吉井祐也・劇団員)と3年近く同棲をしている。
性格は姐御肌で面倒見がよく、思いついたらすぐ行動するタイプ。反面、深く物事を考えることが苦手でその場の勢いで物事を決めてしまうきらいがある。