2017年10月12日 07:00
役所広司 才能に嫉妬する俳優は「いっぱいいますよ。上も下も」
ドラマ『陸王』で実に15年ぶりの連続ドラマ出演を果たす役所広司さん。作品や演じることへの思いなどをインタビューで聞きました。
――原作の『陸王』を読んだ時、もの作りの現場だけでなく、どんな仕事にも当てはまる物語だと思いました。たとえば、多くの分野のプロたちの熱意と誠実さがチームワークを強固にし、それが高品質の製品を作り上げていくという過程は、映画やドラマの世界にも通じる気がします。
役所:
そうですね。ビジネスのために作られる映画って結構少なくて、多くの作品は、映画好きが集まって、この監督のためならって、多くのスタッフが手弁当とまでは言わなくても、極めて少ない予算のなかで頑張っていたりします。限られた予算のなかで少しでも豊かな画面になるように頑張ろうとすると、費やせるのって時間しかないんですよね。いい作品を作りたいという監督の熱だったり、その人柄を信頼して集まった人たちだから、そこに労力を費やすことを厭わないわけです。
そういう現場というのは、たとえ出てくるロケ弁当が安いのり弁であったとしても、気持ちは豊かなんですよね。
――では、役所さんがこの作品に出たいと思われる決め手になったものはどんなことでしょうか。