くらし情報『ラストは呆然…ストーカー事件を描いた『消えない月』』

2017年11月11日 11:00

ラストは呆然…ストーカー事件を描いた『消えない月』

好きというより、自分が振られるのが納得いかない。だからストーカーって、高学歴で外見も悪くない人が多いと聞きます。それに、何か自分が腹を立てていたり分かってほしいところが他にあるんじゃないかとも思う」

周囲に相談するさくらだが、「この小説の中で、彼女は間違ったことばかりします。一番まずいのは、素人だけで解決しようとすること。騒ぐのは大袈裟だと言う人もいて、さくらも躊躇してしまう。でも警察はもちろん、法律の専門家にも相談したほうがいいですよ」

ただ、絶対的な対策はない。書きながら畑野さんが感じたのは、「加害者側の周囲に理解者や味方がいたら違ったかもしれない。こういう人も突然犯罪者になるわけではなく、周囲の影響や家族関係などが積み重なった結果なんです。
加害者の心理を誤解している人は多いので、こうして小説にすることで“ああ、こういう心理なのか”と考えてもらえるきっかけになれば」

ラストは呆然。今後も犯罪加害者について書いていくつもりだという。
はたの・ともみ1979年生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。著書に『海の見える街』『感情8号線』『罪のあとさき』『家と庭』など。

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