2017年11月13日 07:00
佐藤浩市、当時のメディアマスコミに 「なんでこんなに大きな事件をスルーしたのか」
世の中にあるキレイなものだけではない、人間の弱くて深い部分を体で演じるというか、生き様で演じている方だなあ、と思っていました。
――今回のドラマは、実際にあったタブーな事件をベースにしていますが、演じるのはそれぞれどんな男なのでしょうか。
佐藤:
俺が演じる木崎(睦人)は警視庁捜査二課の刑事。警察って日本で一番巨大な組織だから、複雑なんだけど、その中でも二課は特殊で、事件が起こってから動くのではなく狙いをつけたヤマを極秘に調べて暴き、逮捕にこぎつけるという課で、そんな中にいる刑事たちってやっぱり独特でとても偏屈な大人たちなんだよね。モデルになった人物が、みなさん今も存命だというのも面白いんですよ。遠い昔の二・二六事件をやっているのではない、2001年の機密費詐取事件だという、ある種の緊張感とワクワク感。誰も触れなかった事実に、俺たちはやってやってるという意識を持っているし、まさに“石つぶて”です。風穴まであけるわけじゃないけど、小石はぶつける、というね。
これこそ我々のような表現をやってる者の楽しみですよね。木崎については、最初に若松(節朗)監督と会った時に、これまでの刑事ドラマの中で一番魅力のない主役にさせてもらいます、ってお願いしたんですが、見ている側が、イヤだな、感情移入できないな、っていうような男です。