2017年11月30日 17:00
「1分でいいから考えて欲しい」シリア人俳優が訴える難民の現状とは?
それは……。
シリア人俳優のシェルワン・ハジ!
今回は、役者として人として感じている思いや来日秘話についてお話しいただきました。当初プロダクションからキャスティングについてのメールを受け取ったとき、ハジさんはアマチュア映画のエキストラ的な役だと思っていたそうで、カウリスマキ監督の作品でしかも主演の役であるということをまったく知らなかったという。
では、実際に決まったときの心境はどうでしたか?
ハジ
家に歩いて帰っているときにカウリスマキ監督の映画だということを初めて知らされたんだけど、表現できないようなさまざまな気持ちでごちゃ混ぜになって、まずは至高のうれしさ、そして恐怖だったよ(笑)。恐怖といっても、もちろん喜びが満ちた意味だけどね。
これだけの監督と一緒に仕事ができて、しかも主役というのは、役者として夢が叶うような状況だとも思ったよ。大きな責任を伴うものでもあるから、うれしい気持ちの反面プレッシャーもあったけど、そういう不安の気持ちを原動力にして役を演じようとしたし、難民の重大な問題を自分が代弁したかったんだ。
それだけのプレッシャーのなかで演じていて、困難に感じることはありませんでしたか?
ハジ
フィンランドだけでなく、全世界のことも話さなければいけないし、何千人もの人たちが抱えている日常的な苦しみや体験をフェアな形で観客に提示することの難しさはあったけれど、大きなチャレンジというものはいいものだよね。