2017年11月30日 17:00
「1分でいいから考えて欲しい」シリア人俳優が訴える難民の現状とは?
そしてもうひとつは、自分がシリア人であり、こうした物語をいろいろな友人から聞いていたから、そこに自分の知識を付け加えていったところもあるね。
本作で描かれているように、小さな優しさが集まって希望に変わっていく様子は、誰の心にも響くところ。
実際に他人の優しさに救われた経験はありますか?
ハジ
もちろんあるよ。僕はこういう困難な状況だけではなく、日常的にあると思っているんだ。というのも、最初にフィンランドに着いたときにすごくいい人たちに会って、いろいろなチャンスを与えてくれたんだよ。それはどれだけ小さなことでもあっても美しいことだし、決して忘れることはないでしょう。
僕はその瞬間を心のなかに保存していきたいし、感謝しているんだ。だから、彼らと同じように今度は自分が誰かに勇気や希望を与えることができればいいなと思っていたところなんだよ。
この役を演じたことで影響を受けたことは?
ハジ
パソコンみたいにデータをダウンロードするだけのことではなく、段階を踏んで役と合わさって経験を蓄積していくわけだから、もちろん自分の人格に何かを与えていると感じているよ。
僕は戦争の前にシリアを立ち去っているから、家族を失ったり、無理やり出国させられたり、何もないところに追いやられてしまったりした同胞たちと自分との間にギャップを感じざるを得なかったんだ。