2017年12月15日 20:00
吉田鋼太郎 蜷川幸雄氏の遺志引き継ぎ…シェイクスピアにかける思い
’14年の朝ドラ『花子とアン』で注目を集め、押しも押されもせぬ人気を獲得した吉田鋼太郎さん。日本屈指の舞台俳優で、後輩に慕われる兄貴分、そして恋多き人としても知られるその素顔とは。
11月某日、彩の国さいたま芸術劇場稽古場。「違うよ。この言葉を言う意味をもっと考えろ」。吉田鋼太郎さんのよく通る大きな声が響く。この劇場を拠点に、蜷川幸雄さんが続けてきた「彩の国シェイクスピア・シリーズ」を、2代目芸術監督として引き継いだ吉田さん。高校生の時に観たシェイクスピア劇に感銘を受けて俳優を目指し、出演するばかりでなく、自身が所属する劇団で数多くのシェイクスピア作品を演出してきた、名実ともにシェイクスピア俳優。
絶賛稽古中の『アテネのタイモン』が、記念すべき就任第1作となる。
――稽古場で、ときおり語気を強める場面もありながら、場がピリッとした途端、「ごめんごめん」と笑いながら空気を和ませていらっしゃる姿が印象的でした。
吉田:
蜷川さんがよくデカい声で怒鳴っていたので、それがないと蜷川さんの稽古場じゃない気もして。まあ…それを口実に怒鳴っていたりもするんですが(笑)。
――ただ、吉田さんが声を荒げていたのは、俳優が何の考えもなく動こうとした時ですよね。