くらし情報『悪意のない嘘が…道尾秀介ワールド全開なミステリー『風神の手』』

2018年2月12日 16:00

悪意のない嘘が…道尾秀介ワールド全開なミステリー『風神の手』

遺影専門の写真館がある町で起きた、悲喜こもごもの心震えるミステリー、道尾秀介さんが書いた小説『風神の手』。

悪意のない嘘が…道尾秀介ワールド全開なミステリー『風神の手』


舞台は、西取川(にしとりがわ)をはさむ2つの町、上上町(かみあげちょう)と下上町(しもあげちょう)。その地にある遺影専門の写真館「鏡影館(きょうえいかん)」に飾られている写真が呼び水となり、数十年にわたる“縁”の物語が語られていく。

道尾秀介さんは、朝日新聞で連載していた「口笛鳥」を『風神の手』の第二章に据え、その前後に加筆して、連作長編として完成させた。

第一章の「心中花」は、若き漁師と女子高生という立場の違う男女の切ない恋物語が、続く第二章は、まめとでっかちという小学5年生の2人が決意を秘めて立ち向かう事件が描かれる。第三章の「無常風」で、死期間近の老婦人の告白によって、仰天の過去が掘り起こされ、エピローグの「待宵月」へなだれ込む。

「真相へと迫っていく中で、犯罪が悪意で行われるとは限らないし、善行が善意で行われるとは限らないという、人間の複雑さ、面白さを書けたらいいなと思っていました」

悪意のない嘘。言えなかった真実。
過去の出来事の意味が裏返り、欠けていたピースが鮮やかにはまる快感。

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