2018年4月25日 19:30
あなたは言える…? 兄は精神障害者。恋人に「家族のこと」を聞かれたら #13
“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。
初めてできた彼氏に家のことを聞かれた私は、いつもの笑顔が消えて言葉が詰まってしまいました。
文・心音(ここね)
【兄は障害者】vol. 13
彼と過ごす時間は特別
同じバイト先で働く、4つほど歳の離れた定時制に通う彼。大きなバイクで学校まで迎えに来てくれて、そのまま彼の家で過ごしたり、バイト先のお店まで送ってもらったり。自宅からすぐの距離に住んでいたこともあり、私たちは毎日のように会っていました。
彼は、校内の様子は知らないし、私の同級生とも特に接点はない。この距離感が、私にとっては気が楽だったので、普段学校の友人や家庭内では見せることのない、素直に甘えられる “本当の自分” に戻ることができていました。
「家族について教えてよ」
しかし、行く場所といえば常に彼の実家。私の実家は、友だちですらあがったことがありませんでした。兄が家にいるので、むやみに人を連れていって兄が安易に話しかけたりすることがイヤだったからです。
高校生にもなれば、友だちと “お泊まり会” もよくあると思いますが、私の家には1回も呼んだことはありませんし、来て欲しくもありませんでした。