2018年5月22日 19:00
精神疾患の兄を持つ私…「異性と深い仲になりたくない」その理由 #16
“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。
女子大へ進学した私は、自分の関心があることに夢中になる日々。恋愛からどんどん遠ざかっていきました。
文・心音(ここね)
【兄は障害者】vol.16
深くなる関係を恐れて、恋愛を避けていた
バイト先が同じで、毎日のようにバイクで送り迎えをしてくれた元彼の前では、素直な自分でした。いつも私のことをサポートしてくれていた、頼れる年上彼氏。しかし、支えてくれることが、少しずつ大人になる私にとって逆に辛いことでもありました。
彼のことが、嫌いになって別れたわけではありません。
「もう、これ以上踏み込んで欲しくなかった」。これが、本音です。恋愛は、絆が深まるほど、お互いの生活に溶け込むことになります。家が近いから、一緒にいて楽しいから、見た目がかっこいいから。そんな小さなきっかけで始まった幼い恋は、月日が経つにつれて妙なプレッシャーへと変わっていったのです。
両親の理解から、好きな分野を学ぶ
……地元での青春はそろそろ終わり。自分の進路に向き合って、大学を選ぶ時期には、すっかり彼のことは頭からなくなっていました。