くらし情報『芥川賞作家・小山田浩子が「フェティッシュ的に好き」なものって?』

2018年4月24日 11:00

芥川賞作家・小山田浩子が「フェティッシュ的に好き」なものって?

自分に何かを空想して物語を広げる能力があるとは思わないんです。ただ、見聞きしたことの前後を、見たことがあるかもしれない気持ちで、思い出すように書いています」

動物や植物が多数出てくるのは、

「じっと考えているより、虫や植物をずっと見ていた時のほうが、面白いことがたくさん出てくるんですよね。それも、実際に眺めるのでなく、どんな感じだったか思い出しながら書いている感じです」

ちょっぴり不条理な世界で生きる人々が描かれる本作。夫婦や親子の気持ちの齟齬も淡々と描かれるが、

「家族でも分かり合えないことや、しっくりこないことはありますよね。でもそれは悪いことじゃない。それでやってきたし、やっていくんだ、というのが気持ちとしてあります」

暮らしと不可思議な世界のあわいに潜む、人生の真実を垣間見せてくれる。そんな作品集なのである。
芥川賞作家・小山田浩子が「フェティッシュ的に好き」なものって?


『庭』庭の彼岸花、窓のヤモリ、井戸にいるどじょう……。
草花や生き物に囲まれた、ちょっぴり不条理な世界の人々の日常をとらえた短篇集。新潮社1700円

おやまだ・ひろこ作家。1983年、広島県生まれ。2010年、中篇「工場」で新潮新人賞を受賞して作家デビュー。’13年、作品集『工場』で織田作之助賞、’14年「穴」

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