2018年5月3日 20:00
若手女形ホープ・中村梅枝が「コクーン歌舞伎」に初出演!
これを機に少しでも古典に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」
あくまで基盤は古典にあるよう。
「歌舞伎も演劇ですから、共演者と役を作っていく工程や感情の込め方には、なんら変わりはないんですね。ただそこに、歌舞伎独特の肉体表現や演出などの表現方法が加わるんです。芝居により、時にその割合が半々になったり7対3になったりはしますけど。それに、継承されてきた型というのは、単なる決まり事ではなく意味がある。なぜここで一歩足を出すのか、なぜこういうセリフ回しをするのか…いろんな役を演じるうち、朧げながらですけれどそれがわかってきたところです。何百年もかけて築いた揺るがない土台があるからこそ、型通りに芝居するだけでなく、自分の感じたことや、経験から培った自分の解釈を加えたりという新しい挑戦もできる。だからこそ古典は大事だし面白いんです」
2014年に演じた「源氏店」のお富。
写真提供:松竹
渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾『切られの与三(よさ)』海辺で、すれ違いざまに、互いに一目惚れをした与三郎(七之助)とお富(梅枝)。しかし、お富は地元を仕切る親分の妾。やがてふたりの情事は露見し、与三郎は斬られるが…。