2018年4月26日 19:00
藤田貴大の新作、子どもも楽しめる『めにみえない みみにしたい』が話題!
と話す。
藤田さん そもそも、自分の作品自体をカテゴライズして考えたことはなく、どの作品であっても、観る方に年齢制限はないと思ってきたんですね。ただ、僕の作品では、子ども時代やティーンの頃というのは、わりと頻繁に扱われてきたモチーフではある。『cocoon』(今日マチ子さんの同名漫画を舞台化した作品で、’13年に初演。’15年に再演された)では、出演者に中学生がいましたし、最近までやっていたプロジェクトでも、福島の中高生と作品を一緒に作っています。そうやって、作品の中に子どもを取り込んでいく作業をしていくうちに、自然と、この子たちに演劇を見せるってどういうことなんだろうと興味が湧いてきたんです。
これまで僕が描いてきた作品では、過去の記憶を多く扱っています。それが、僕の作品がノスタルジックだとときには評されてきてしまった理由だと思うんですが、懐かしむ過去の記憶を持たない子どもたちが観たら、きっと大人の観客が抱くような感情にはならないはずですよね。
それがいま、僕にとってはすごくおもしろい。今回、そのことが作品のキーになるような気がしているし、これからのマームとジプシーのキーにもなるのかもしれない。