『ソルズコーヒー』オーナー・荒井利枝子さん(31)が、“コーヒー屋”という天職に出会ったきっかけとは?
蔵前エリアで3店舗を構える『ソルズコーヒー』。そのオーナーが荒井利枝子さん。建築の学校を卒業時に、友人と会社を設立し、飲食業界へと飛び込んだ。彼女が経験してきたバイトは、すべてコーヒー屋。場の雰囲気や業務が好きだったという荒井さんだが、当時はコーヒーをおいしいと思ったことがなかった。
「友人の父が焙煎機を持っていて、焙煎したコーヒーをいただく機会があって。その時はじめてコーヒーがおいしいと思えたんです」
この味に衝撃を受け、一からコーヒーを学ぶ。偶然にも友人の父の焙煎機を譲り受けることになり、建築の勉強で培ったデザインの技術も活かせるコーヒー屋を始める。
最初は豆の通信販売と、移動コーヒーショップを開始。1年半後には実店舗を構え、気づくと5店舗を経営するまでに。ところが2015年、急にスタッフが退社。2店舗を閉め、ストレスで体調を崩し入院する事態に。
「本当にその年は最悪でした。でも、起業時から、絶対に10年は続けると決意していたんです。格好つけずに『職業はコーヒー屋』と名乗れるようになったことで、周りから認められ始めた気がします。