くらし情報『死に装束を作る“終末の洋裁教室”を描いた蛭田亜紗子の…』

2018年7月2日 11:00

死に装束を作る“終末の洋裁教室”を描いた蛭田亜紗子の…

読み終えた時、きっとあなたの中で何かが変わっている。そう断言したくなるのは、蛭田亜紗子さんの新作長編『エンディングドレス』。
死に装束を作る“終末の洋裁教室”を描いた蛭田亜紗子の…


「3~4年前から自分で洋服を作るようになったので、洋裁の話を書きたいなと思っていました」

夫を病で亡くし、後を追うつもりの麻緒(あさお)は偶然見つけた「終末の洋裁教室」に通いはじめる。最終的に死に装束の製作を目的とした教室だ。

「夫と二人だけで完結していた世界が壊れてしまったことにより、もう一度周囲と関わり直していく、という面もあるのかなと思いました」

そこにいたのは寡黙な先生と、3人の年配のご婦人の生徒たち。

「実際に手芸店で布を選んでいる年配の方たちをよく見かけていて、素敵だなと思って。登場する3人はそれぞれ違う印象になるよう、おっとりした人、ちゃきちゃきした人、ミステリアスな人と書き分けました」

麻緒たちは〈はたちのときにいちばん気に入っていた服〉〈十五歳のころに憧れていた服〉といった課題に臨む。きっと読者も、自分ならどんな服を作るか考えるはず。


「服によって過去が想起される課題を考えました。他の生徒のおばあさんたちも、90代、80代とそれぞれ年齢が違うので、作る服もまったく異なってくるだろうと思いました」

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