2018年7月20日 18:00
両親の死と直面。映画『悲しみに、こんにちは』が描く少女の再生物語
そこで、自身の体験を色濃く反映している作品に込めた思いや心境について語ってもらいました。
自伝的映画にした理由とは?
―主人公のフリダと同じく、監督もご両親をエイズで亡くされているということですが、自分の人生を題材にしようと思った理由を教えてください。
監督
まず今回私が重要視していたのは、子どもが死に直面するというテーマ。そこで、自分の経験のなかで実際に私がどういうふうに感じていたのか、というところを通して伝えるのが一番いいのではないかと思ったんです。というのも、子どもというのは、私たちが思っているよりも死について理解ができるもの。ただ、感情をうまくコントロールできないところがあるだけなので、今回はそういう複雑さについても描きたいと思いました。あとは、そういうリアルな感情に加えて、スペインでエイズが蔓延していた当時の時代背景などもとらえたいという気持ちもあり、このようなストーリーにしたんです。
悲劇を乗り越えられたのは周囲の支えがあってこそ
―とはいえ、ご両親を亡くすというのは人生のなかでもつらい過去だと思うので、そこに向き合うことへの苦悩はなかったのでしょうか?
監督
映画化にあたっては、そういう思いや怖さはありませんでした。