くらし情報『沖縄の少年少女の運命をつむぐ! 小説『宝島』に込められた想い』

2018年8月5日 22:00

沖縄の少年少女の運命をつむぐ! 小説『宝島』に込められた想い

僕が書く女性キャラは、ファム・ファタルな謎の美女か、男どもを率いるジャンヌ・ダルク的な存在になりがちなので、もっと等身大の人物を描くためにNHKの朝ドラをたくさん見ました」

オンちゃんが消えた謎を遠景に、殺人事件やコザ暴動など実際の出来事や実在の人物を登場させつつ、彼らの波瀾万丈な20年が語られていく。

「虚実の“虚”の部分をどう盛り上げるか、史実に配慮しつつ面白い物語をつむぐのにはすごく苦労しましたが、あの時代を生き抜いた人たちの力強さやしなやかさに筆を動かされ、僕にできるかぎりの努力と工夫を重ねました」

工夫のひとつが文体。誰かが彼らのことを語り聞かせてくれているような、時にユーモラスに、時にひょうひょうとした口調で物語は進む。

「タイトルは担当編集者の提案で、最初はストレートすぎないかとも思ったけど、沖縄の宝とは何か、あの島の恵み深さにもふれている題名なので、今は気に入っています」

最後にぐっと心をつかまれる事実も明かされる。壮大で強靭な世界だ。

『宝島』1952年、戦果アギヤーの英雄・オンちゃんが嘉手納基地で米兵に見つかり、逃亡中に失踪。残された3人の幼馴染みが、やがて知る事実とは。

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