2018年10月18日 18:30
同性愛に目覚めた少女の発作が招いたのは…衝撃のホラー映画『テルマ』
ということなんだよ。だからこそ難しいんだけど、この作品では人間の髪や氷を描くのが一番大変だったかな。というのも、人間がもともと知っているものだから、ちょっとでも違うと、みなさん「違う」と本能的に反応してしまうからね。
ロボットや怪獣のような空想的なものは、実際に存在しないものだから共有できてしまうんだけど、今回は触れられるようなリアルさと「わかるわかる」と感じさせるようなものを作るというのが大切なポイント。僕にとって映画というものは、体験するものであり、感じるものであるから、そこがすごく重要だったんだ。本作ではデジタル技術において素晴らしいコラボレーターたちを北欧から集めて作ることができて、僕にとっては最高な経験だったよ。
肉体と映画がつながる瞬間を体感できるはず
―こだわりの映像のなかでも、テルマがフラッシュライトを浴びるシーンが印象的で、まるで自分とテルマがリンクするような感覚にもなりましたが、あのシーンに込めた思いを教えてください。
監督
あのフラッシュライトはすごく考え抜いて取り入れたんだけど、映画的空間においても重要な部分なんだ。
僕は幼い頃から、世界中の映画を観てきたシネフィルで、たとえば塚本晋也監督の『鉄男』シリーズやアメリカのホラー映画とかをたくさん観まくってきたけど、そのなかで自分が一番グッとくるのは、やはり映像。