2018年11月5日 20:40
時代が変わっても悩みは同じ!? 江戸の人々を活写した短編マンガ集
江戸の街で人や猫のさまざまな悩みを解決する貫禄たっぷりの猫を描く「差配さん」で話題を呼んだ漫画家・塩川桐子さん。この短編集は’06年~’13年に発表された6作品を収録している。
「『コミック乱』に載せてもらうまでは少女マンガ誌で描かせてもらっていました。『乱』は時代モノばかりのマンガ雑誌なので、ずっと一羽でショボショボ飛んでいた鳥が仲間の群れに入れてもらったようで、ホッとしたのを覚えています」
表題作の「ワカダンナ」は、猫が好きすぎて捨て猫を放っておけない若旦那と、彼に振り回されるしっかり者(?)の小僧が登場する「差配さん」の番外編ともいえる作品だ。
「私もときどき捨て猫を拾って、もらってくれる人を探します。捨て猫やノラ猫をなくそうと奮闘しているすべての人へ『みんな頑張れー!!』と思って描きました」
江戸でしくじって山陰にやって来たケンカっ早い魚屋のちょっとホラーな一夜を描いた「萩の宿」は、著者が子ども時代に祖母から聞いた実話を昔話風に脚色したそう。
「『侠(きゃん)』はすれ違ってばかりでどうしても会えない男女を、絵巻物風にコマ割りなしで描けないかな?と思ってスタートしたんですが……描いているうちに今の形になりました。