くらし情報『「これ見よがしにいい男に描かない」漫画「BEASTARS」制作秘話』

2018年11月8日 19:00

「これ見よがしにいい男に描かない」漫画「BEASTARS」制作秘話

読者の心をときめかせる男性を生み出してきた漫画家・板垣巴留さん。女性の心を掴んで離さない、“愛しい男”の描き方について伺いました。
「これ見よがしにいい男に描かない」漫画「BEASTARS」制作秘話


私が描いているマンガ「BEASTARS」は、『週刊少年チャンピオン』の連載。少年マンガ誌なので、あまり“女の理想”を押し付けるキャラ作りはしないように、意識しています。女が思う、“理想の色気”や“かっこいい決め台詞”を盛り込みすぎると、たぶん少年誌の中では良くない意味で浮いてしまう。その気持ちが根本にあるので、彼らの魅力は、フルで描く時の半分くらいの濃度で描いている気がします。なるべく無頓着、無意識に彼らの行動を描きつつ、ほんの少しだけそこに、私の理想やフェチを乗せていくのが、キャラクターの作り方です。でも“これ見よがしにいい男に描かない”という方法が、意外と女性読者さんの妄想やキュンをくすぐる、いい“隙間”になったのかな、とも思います。


この作品においては、動物の特徴と本人の性格をうまく結び付けることができたキャラクターが、結果的に魅力的になっている気がします。例えば主人公であるレゴシは、ハイイロオオカミ。私がオオカミに感じるのは、圧倒的な強さと孤独感、そしてイヌ科ゆえの愛らしさ。

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