くらし情報『世の中に浸透する“男らしさ”の呪縛 『野ブタ』の作者が新作』

2018年11月16日 18:00

世の中に浸透する“男らしさ”の呪縛 『野ブタ』の作者が新作

ご本人は現在、家庭で育児もしているそうだが、

「こうして小説に書くまでは、自分が男性的な生き方を貫くことが奥さんの時間を奪ったり、軽く見ることになるんだとは、頭で分かっていても実感はなかった気がします」

本作は女性が読んでも決して押し付けがましく感じないのも美点。

「男の生きづらさだけ書いたら、女性から“私たちのほうが生きづらい”と言われるだけだと思って。男性が女性に何を押し付けているかを考えて書いているうちに、3人とも、女性と向き合う話になりました」

どのエピソードも、互いを理解する努力が大切なのだと思わせる。

「“男らしさ”“女らしさ”を相手に強いるのでなく、“らしさ”を抜いたところで、お互いに納得のいく生き方を探せたら。ただ、自分たちが納得しても、一歩外に出ればまだ“らしさ”を押し付けてくる社会がある。そこについて、もっと世の中で広く議論できて、生き方が選べる段階までもっていきたいですね」

『たてがみを捨てたライオンたち』仕事で認められること、弱音を吐かないこと、モテること…“男らしさ”のイメージに縛られる3人は、自分や女性たちの本音に気づけるか。集英社1600円
世の中に浸透する“男らしさ”の呪縛 『野ブタ』の作者が新作


しらいわ・げん作家。

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