2019年1月17日 19:40
『夜明け』の柳楽優弥と小林薫が語る「神様が降りてきた」瞬間とは?
そんなふうに撮影していないところでの雰囲気みたいなものが映画にもすごく出ていると感じました。
答えが出ないことと向き合う難しさがあった
―脚本を読んでから、役作りはどのようにされたのでしょうか?
小林さん
わかりやすい部分とやっていくうちに難しいなと思う部分とありましたが、話自体はシンプルなものだと感じました。ただ、「親子なのになぜうまくいかないんだ」という親子の問題は答えが出ないものであって、それこそ2000年も前のオイディプスの書かれた時代から言われていること。解決する術はないんですよね。だから、人間だけにあるこの試練というのは一体何なんだろうって思うわけですよ。
でも、この映画はそれがいいとか悪いとか、そういうことを言いたい作品でもない。だからこそ、僕らはどうしたらいいのかなと考えなければならなかったので、実は難しい題材なんだなと思いながら演じていました。こんな難しいテーマを若い監督がよくやるなとも思いましたね。
―では、そういう疑問や葛藤をつねに抱えながら現場にいらっしゃったということですか?
小林さん
答えが出ないことだからね。それが難しさのひとつでもあったのかなとは思いました。